高齢者の方々の身体機能及び精神機能が低下する原因は様々で、病気や怪我だけがその原因ではない。

健康な高齢者も機能低下がみられるが、それは加齢に伴う廃用によって引き起こされるものだ。

しかし廃用のペースは人様々で、ある日を境に一気に廃用が進む人がいる反面、お亡くなりになるまでさしたる廃用が見られないという人もいる。

それはなぜか・・・。その要因も様々としか言いようがないが、一つだけ言えることは、廃用が急激に進行する要因の一つとして、「引きこもり」が挙げられるということだ。

奇しくもコロナ禍がそれを証明したとも言え、緊急事態宣言下で通所介護事業所の休業が相次いだ時期に、通所介護に通えなくなったことにより、家に引きこもった高齢者の身体機能低下や、認知症の症状悪化が一気に進んだというケースが、全国各地から相次いで報告されている。
通所介護
それだけ通所介護は大事なサービスであるという意味にもなる。

今、世間では新型コロナウイルス・オミクロン株の蔓延がみられている。そうした中、介護施設でのクラスター感染が増えており、厚労省が9日公表した数字を見ると、2月7日0時までの直近1週間で316件のクラスター感染が発生している。

週単位では初の300件超えとなり、前週に引き続き過去最多を更新している。

しかしクラスター感染は介護施設だけの問題ではなく、通所サービス等でもその発生が懸念されるし、再び休業が相次いだ場合に、廃用が進む人が増えても困る。

そのため国は、介護保険最新情報のVol.1034として、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第27報)」を発出した。

これは通所サービスにおけるコロナ特例の新通知で、「まん延防止等重点措置」がとられている都道府県の通所系サービス事業所については、訪問による代替サービスへの切り替えやサービス提供時間の短縮を行った場合、一定の条件を満たしていれば、ケアプランに位置付けられていた提供時間の区分で報酬を算定できるようにするというものだ。

例えば蜜を避けるために、一度に受け入れる利用者を午前と午後に完全区分してサービス提供し、その際に当初予定のサービス提供時間より短くサービスプログラムを組みなおすというケース等が7これに該当する。

通所サービスの時間を短くして、削った時間分を訪問サービスに切り替えるなども対象だ。

適用期間は今月サービス提供分から、まん延防止等重点措置の最終日が含まれる月のサービス提供分までとなっている。

特例の適用要件は、1日単位もしくは1週間単位のどちらかを見て、ケアプランに位置付けられていた提供時間の半分以上のサービスを実施することとされており、利用者への説明及び同意が必要であるとしている。

ただし同意については、他の特例算定と同様に、サービス提供前に同意を得ていない場合であっても、報酬請求前までに同意を得られれば当該取扱いを適用して差し支えないとしている。

そして通所系サービス事業所は、必ず居宅介護支援事業所と連携することとする(本取扱いにより算定を行うことの事前連絡等)としている。

くれぐれも、「ルールだから」と高飛車に、通所サービス事業所が勝手に特例運用しないように釘を刺しているので、心してほしい。

この特例によって、通所サービスの提供時間が短くなっても、居宅介護支援事業所のケアマネは、当該居宅サービス計画書を後日見直し修正する必要がないともされている。

ただし標準様式第5表等を活用して、今般の取扱いに係る経過を記録する必要がある(サービス提供後で可)とされている点に注意が必要だ。

また通所サービスのクラスター感染防止対策としては、尾身 茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会長が、「飛沫や換気の悪い場所でのエアロゾルによる感染が多い」として、通所介護の送迎時、車内循環の暖房をいれて換気のための窓開けが不十分な状態が感染拡大につながるとの見解を示し、送迎中に複数の窓を開けるなどの対応をとるよう呼びかけた・・・。

北海道等の雪国の通所サービス事業者からは、「そんなの無理だ」という声が聴こえてきそうであるが、車内でも利用者の方には暖かい服装をしていただき、伊定時間ごとに窓開け換気を行う必要はあると思う。是非工夫して実行してほしい。

これらの特例や提言は、通所サービスの重要性を鑑みたものであることを、十分に理解する必要があるだろう。
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