今日は結構あわただしく、このブログ記事を更新している。なぜかと言えば、午後1時から配信するオンライン講演の時間が迫っているので、このブログ記事を更新したら即、その準備にかからねばならないからである。
今日配信するのは、「長崎県老人福祉施設連絡協議会・デイサービス部会研修会」の中で行う講演だ。テーマは、「在宅介護を支える〜介護に誇りを持てるにはどうすべきか」としている。
勿論受講者は皆、長崎県の通所介護事業関係者の方々である。
今週初めに書いた、「通所サービスにあらたに求められた感染予防対策」という記事の中でも考え方を示しているが、コロナ禍で改めて通所サービスの役割の重要性が認められている。
だからこそ通所サービス事業所でクラスター感染が発生してサービス提供ができなくならないように、密を避けたり、導線を区分するためのコロナ特例通知が、蔓延防止適用地域の通所サービス事業者に向けて新たに発出されているわけである。
通所介護に携わる職員の皆様には、その役割を十分に意識したうえで、地域住民の方々に向けて、その責任を果たし得るサービス提供に努めていただきたい。
そのため今日の講演では、そのことをまずは伝えたいと思う。
また事務局担当者の方からは、通所介護従事者が誇りをもって、元気に働くことができるような話をしてほしいと言われているので、その期待にもぜひ応えたいと思う。
ところで通所介護については、2021年度の介護報酬改定と同時に行われた基準改正で、新たに地域との連携の強化(地域との連携等・居宅基準第百四条の二(新設))が運営基準に追加されている。
通所介護関係者の方々には、その意味も十分理解していただきたい。
そこでは利用者の地域における社会参加活動や地域住民との交流を促進する観点や、適正なサービス提供を確保する観点から、通所介護事業の運営に当たって、以下の取り組みが求められている。
●地域住民またはその自発的な活動等との連携・協力を行う等、地域との交流に努めること
●提供サービスに関する利用者からの苦情について、市町村等が派遣する者が相談・援助を行う事業やその他の市町村が実施する事業に協力するよう努めること
●事業所の所在する建物と同一の建物に居住する利用者に対してサービスを提供する場合には、当該建物に居住する利用者以外の者に対しても指定通所介護の提供を行うよう努めること
これらは努力目標であり、絶対義務とはなっていないが、国が通所介護事業に求めている、「社会的機能」であることを意識して、それに沿った経営方針を立てていかなければならない。
どちらにしても今後の通所介護は、そこに通ってサービス利用している利用者のみならず、地域全体の住民の社会活動参加の支援を視野に入れていく必要がある。
特に通所介護事業所が、「地域との交流に努めること」という規定については、通所介護事業所が地域連携拠点となることを意味しており、それは地域包括ケアシステムの構築・深化という意味では、重要な役割を持つことを意識してほしい。
このことは2015年の基準改正で、通所介護の相談員のサービス提供時間中の勤務延時間として、サービス担当者会議や地域ケア会議への参加時間のほかに、「地域の町内会、自治会、ボランティア団体等と連携し、利用者に必要な生活支援を担ってもらうなど社会資源の発掘、活用のための時間」 も認められ、「相談員は地域に出よう」と促されていることともつながっている機能である。
そこでは通所介護利用者の住む居宅近くに、どのような住民が住み、隠された福祉ニーズが存在していないか、あるいは引きこもりの高齢者はいないのか、さらに孤独死リスクが高まっているケースなどがないのかなどを把握できる地域活動が求められてくるのである。
例えば、通所利用者の送迎時に、利用者宅の近くで朝になって何日もカーテンが閉じられている家はないのか、逆に夕方になってもカーテンが開けられたまま、何日も電気がつかない住宅はないか、外の物干しに何日も衣類が掛けられたままで、取り込まれた様子がない状態はないかなどの、きめ細かな観察も求められる機能になってくる。
そのことを少しでも意識した事業運営ができるかどうかが、地域包括ケアシステムの実効性や、地域福祉の向上につながっていくことを意識して、通所介護の従業員全員が、この仕事に誇りと使命感をもって携わってほしいと思う。
今日の講演の最後には、長崎県の皆さんにエールを送るための動画を紹介する予定だ。その動画をこの記事の締めとして張り付けたので、ぜひ下記を参照願いたい。長崎以外の介護関係者の方もご覧になっていただきたいと思う。
それでは長崎県の通所介護関係者の皆様、午後1時から画面を通じてお愛しましょう。
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