介護保険最新情報Vol.1031は、「介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月 31 日)」となっている。
タイトルなし
問1では、令和4年2月分及び3月分の賃金改善は一時金等での対応も可となっているが、だからといって補助金の月割り全額分をこの月に支給している必要はなく、3月に2・3月分として何らかの手当を支給しておれば問題なく、賃金改善実施期間全体で、補助金の合計額を上回る賃金改善を行えばよいことを示している。

令和4年2月と3月の2月間については、2/3ルールも適用されないので臨機応変に考えてよいだろう。

問2について、「現行の処遇改善加算等と異なる取扱いと
ならないよう、各事業所において適切にご対応いただきたい
」とされている部分については、国にその意味を問い合わせた方がいて、表の掲示板のスレッド、「介護職員処遇改善支援補助金のQ&Aが発出されました。」でその回答を示してくれてるので、ここの No.4のアルミンさんの回答を参照してもらいたい。

問6では、令和4年2月及び3月に、ベースアップ等以外の賃金項目について賃金改善を行った場合であっても、同年4月から9月までの6か月間において、同年2月から9月までの8か月間全体の賃金改善額の3分の2以上はベースアップ等に充てられている必要があるとされたので、注意が必要だ。

さらに問7では、ベースアップ等に係る要件については、「介護職員」と「その他の職員」のグループごとに満たす必要があるとしている。

なおこの件に関連して問 12 では、その他の職員の範囲は、事業所の判断で決められ、介護職員とその他の職員について、配分割合等のルールは設けられてはいないが、「その他の職員にも配分を行う場合は、介護職員の処遇改善を目的とした補助金であることを十分に踏まえた配分をお願いしたい。」と釘を刺している。

問8では、賃金改善額に「法定福利費等の事業主負担の増加分を含む」としているが、同時にこの部分は、「ベースアップ等に充てた額以外の分として賃金改善に含めることは可能である。」として1/3未満の部分に該当するとしている。

ざっと見て多くの疑義に回答されているように思えるので、それぞれの事業者で担当者は十分に確認してもらいたい。

ところでこの補助金の配分に関連して、懸念される問題がある。

表の掲示板の、「処遇改善支援補助金の配分方法について、皆さんの職場ではどうする方針か情報をください。」というスレッドに、多くの方が情報を寄せてくださっているが、その中には補助金による給与改善について、「正職員だけを対象とし、パート職の改善は行わない」としている事業者がある。

これは社会保険法律改正などの影響で、時給を上げることで給与改善してしまうと、夫の扶養から外れるなどの問題も生じ、結果的に月の出勤に数を減らす必要が生じて、人員不足に陥るためだろうと思われる。

しかしここには大きな問題が生じてくると思う。

正職員とパート職の業務が、後者は間接介助業務のみであるなどの場合は、両者の待遇に違いがってよいため、補助金の配分にも差をつけてよいが。しかし両者の業務が実質同じであるなら、パート職だけ補助金配分を行わないのは大きな問題となると思う。

働き方改革の影響で、正職員とパート職の間に、不合理な待遇差は認められなくなったからである。

そのことは、「介護事業者に吹く逆風に立ち向かう工夫と備え」でも指摘しているので、参照してほしい。

パートタイム・有期雇用労働法の新規定は、中小企業でも昨年から適用になっており、補助金配分の差が問題となって、労働法規違反が問われるという問題になりかねないのだ。

その場合でも、労働法規違反の罰則はないから良いとするのは大きな問題だ。それは介護労働の社会的信用を失わせる行為であり、労働法規を守らない事業者が多い職業に、国費を投入してよいのかという議論につながりかねないからである。

この点にも十分注意して、コンプライアンスの視点を忘れずに対応していただきたい。

まずは発出されたQ&Aを読み込んで、疑問の解決に努めてほしい。疑義があれば、表の掲示板で議論しましょう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。