介護現場のペーパーワークを減らす方策を話し合う国の専門委員会が、1月20日に今年初の会合を開いた。

そこで厚生労働省は、各サービスの介護報酬の加算について、必要書類の標準化・簡素化に向けた取り組みを更に進めていく方針を打ち出した。

具体的には、自治体が独自に届け出書を作っている加算をピックアップし、国として新たに統一的な様式例を定めるとした。さらに処遇改善加算・特定処遇改善加算の変更届けの様式例も作成すると説明。人員配置の要件をチェックするための添付書類の標準化・簡素化を図る意向も示している。

しかしそれで削減できる事務負担はわずかでしかない。

しかも自治体ごとに申請等の書類が異なっているのは非合理的ではあるとはいっても、介護保険制度ができてから20年以上経過している現在、長年自治体独自の書類作成を行ってきた担当者は、その書式に慣れてしまっている。その慣れた作成書類を、国の統一様式に変更して作成する方が手間だと感じる人も多くいる。「どうせなら選択できるようにしてくれよ」という声があちらこちらから聞こえてくるのである。

どちらにしても、相も変わらず厚労省の事務処理削減策はあっち向いてホイである。

厚労省のご立派な椅子に座って書類仕事に明け暮れている人にとって、介護事業者で、「事務職員も座っている暇なんてないぞ」といわれながら、介護の付帯業務もこなし、なおかつ担当事務は漏れのないようにこなすのが当たり前とされる介護事業事務職員の苦労なんて分かりっこないのである。
介護の書類削減はあっち向いてホイ
ましてや介護職員が介護の合間に、各種加算に必要な記録をとる手間なんか、まったくわかっていないとしか言えない。厚労省という狭い空間の、さらに狭い担当者デスクの上に並べられた机上の空論もしくは仮想現実が、お役人の仕事の成果として介護現場に挙がってくる。

この国の介護サービスにはそんなふうにして、お役人の・お役人による・お役人のためのルールがあふれかえっており、それが介護業務負担を増やしているのだ。この現実をもっと目を開けて見ろ!!

本気で事務負担を削減する気があるなら、複雑化した介護報酬の体系を抜本的に見直せと言いたい。

特に加算項目の大幅な削減に努めるべきである。介護職員処遇改善加算・特定加算・新処遇改善加算(本年10月より)という処遇改善加算の3層構造など、「愚の骨頂」といってよい報酬体系だ。

こんなものは新算定要件を創って、一つの加算に統一すべきだし、他の加算も大幅に削減して、基本サービス費で経営できる報酬体系にすればよいのだ。

それではアウトカム評価の加算がなくなって、介護事業者の質を担保する術がなくなるという人がいるが、現在の加算が本当にアウトカム評価になっているか考えてほしい。

現在の加算は、サービスの質に関係なく、記録が備わっておれば算定できるものがほとんどだ。体制加算は重要なサービスの質につながるという人もいるが、その体制を維持するための有資格者なり人員なりが、どうしようもない人罪である場合だってあるのだ。

そんな意味不明の加算をたくさん創るより、その代わりに『介護サービスの品質指標』を作って、標準的な質より低い事業所の減算幅を大きくすればサービスの質は保つことが可能だ。

市町村に支払う、「保険者機能強化推進交付金」の支払額に影響する評価指標が策定されているんだから、介護事業に対する評価指標ができないということはないだろう。

なんなら、報酬体系見直し委員会の座長は僕が努め、指標も策定するので、どなたか推薦してください・・・。
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