年明け早々奇妙というべきか、それとも面白いというべきか、よくわからないニュースが飛び込んできた。
1/5に配信されたネットニュースで、介護支援専門員の資格が国家資格であったという報道がされているのである。
記事概要は、2003年に野党議員が国会へ出した「質問主意書」の中に、「この国に国家資格はどれくらいあるのか。その名前も含めて全て示して欲しい」という質問があり、これを受けた政府は、当時存在していた国家資格の名前を全て列挙した答弁書を閣議決定していが、その中に介護支援専門員も含まれていたというものだ。
なるほど・・・文字リンク先貼り付けた答弁本文情報の別表第一1を見ると、介護支援専門員が確かに載せられている。
同時に、僕の認識では介護支援専門員と同様に「都道府県資格」だと思っていた、「准看護師」も国家資格であると、ここに掲載されている。
リンクを貼り付けた記事で解説されているように、国家資格かどうかを審査する試験を実施する団体は、国だけでなく地方自治体や法律で指定された団体でも可であるということが根拠になっているようである。
介護支援専門員の資格試験が都道府県ごとに行われ、資格認定者が都道府県知事であり、登録も都道府県に行うことになっているけれど、国の法律に基づいて個人の能力・知識が判定されているために国家資格であるというわけである。

2015年ごろから、日本介護支援専門員協会が盛んに介護支援専門員資格を国家資格化してほしいと運動していたが、その前にすでにその資格は国家資格になっていたわけである。あの一連の要望活動は何だったんだと言いたくなる。
しかし厚労省も、介護支援専門員が国家資格であるという認識を持っていなかったという証拠がある。
2019年8月に徳島市で開催された日本介護支援専門員協会の全国大会での、大島老健局長(当時)が、会場との質疑応答の中で次のように述べている。
「ケアマネの役割は非常に大切で、個人的には国家資格にふさわしいものと思っています。しかし国家資格がどんどん出来たこともあって、役所側からもう法案を出さないという国のルールがあります。そのため厚労省がその法案を国会に出すことは難しいのが現状です。」
このように2019年という段階で、厚労省は介護支援専門員は国家資格ではないt路いう認識をしており、今後の国家資格化も難しいと述べていたのである。
それが一転して、2003年から介護支援専門員は国家資格となっていたというわけだから驚きだ。
だがこれによって介護支援専門員の待遇に影響があるとか、社会全体の認識が変わるのかと言えば、そうはならないだろう。
例えば准看護師の資格を持っている人で、看護ができない人はいない。しかし哀しかな介護支援専門員の資格を持っている人の中には、ケアマネジメントができない人がいるのである。
先日更新した、「制度知識が足りない関係者が多いという現実」という記事で指摘したように、介護保険制度とその関連法令さえ理解していない介護支援専門員もいる現状は、社会全体からリスペクトとされる資格になるための大きなバリアであると言える。
勿論、その一方で制度に精通し、高いケアマネジメント能力を持っている達人ケアマネと言ってよい方々もたくさん居られることも理解している。
この両者の差を、前者のレベルを引き上げることで、できるだけ高いレベルへと埋めていかねばならない。
つまりケアマネ個人レベルでのスキルアップが不可欠であるという意味だ。僕もそのお手伝いをしていきたいと思う。
ちょうど良いタイミングで、十和田市居宅介護支援事業所連絡協議会主催研修として、「目指せ!介護支援専門員中の介護支援専門員!」という講演を来週行う予定になっている。

その講演スライドの仕上げを行っていた時に、この報道に触れたので、そのことも情報として加えるとともに、個人による質の差の大きさを解消するための熱いメッセージを届けようと思う。
講演時間は3時間とたっぷりとっているので、内容豊富に情報提供したいと思う。十和田市の介護支援専門員の皆さん、当日はよろしくお願いします。
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