今年も残すところあと12時間弱となった。果たしてこのブログ読者の皆さんにとって今年はどんな年であったろうか。

振り返って思い出すことは、やはりコロナに関連した問題であろうか。それとも報酬改定であったのだろうか・・・。はたまたオリンピックとか、総選挙や首相交代劇等の政治劇であったろうか。

いろいろあった2021年であるが、苦しいことも辛かったことも、後から振り返るとどれも思い出になっていく。変えられない過去を思い悩むことはやめて、変えられる未来をポジティブに考えながら前に進みたい。
大晦日の風景
コロナ禍以後、僕は全国各地に出向く機会は減っているが、今年は昨年よりもその数は増えている。同時にオンラインでの講演や会議は日常化したために、ネットを通じた出会いも多かった。来年もきっと良い出会いがたくさんあるだろう。そう考えるだけで希望を胸にして生きていけるような気がする。

このブログの読者の皆様にとっても、来るべき2022年が幸多い一年になることを祈りたい。

ここを訪れる方は何らかの形で、「介護事業」に関わっている方だと思う。勿論、介護の仕事をしていたが今は別な職業に就いている人や、リタイヤされて仕事をしていないという方もいらっしゃるだろう。そうであっても僕の記事を読んでくださっているという意味は、介護という職業に興味を持ち続けてくださっているということだと思う。

だから大晦日の今日も介護事業に関連した話題を書く。

来年2022年は、2024年度の介護保険制度改正に関する本格的議論が始められる年である。それに先駆けて財務相の諮問会議、「財政制度等審議会」・「財政制度等分科会」は今年、社会保障費を抑制する観点から介護に関する施策として以下の内容をまとめている。
・利用者負担の見直し (原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図ることを検討する)
・介護人材確保の取組とICT化等による生産性向上 ・ケアマネジメントの在り方の見直し
・多床室の室料負担の見直し (介護老人保健施設・介護医療院・介護療養病床の多床室室料相当額について基本サービス費等から除外するよう見直す)
・地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の事業費上限超過の抑制
・区分支給限度額の在り方の見直し
・居宅サービスについての保険者等の関与の在り方
・軽度者に対する居宅療養管理指導サービス等の給付の適正化
・介護サービス事業者の経営状況の把握(事業報告書等の報告・公表の義務化)


生産性向上に関しては、2022 年6月までに施行される「社会福祉連携推進法人制度」 の積極的な活用を促すなど、経営主体の統合・再編等による介護事業所・施設の運 営効率化を促す施策を講じていくことも求めている。

またケアマネジメントの見直しについては、2024年度介護報酬改定での利用者負担導入だけでなく、福祉用具の貸与のみを行うケースについては報酬の引下げを行うことなどを盛り込むよう提言している。

これらはまだ政府や内閣の方針にはなっていないが、2024年度の介護報酬改定や制度改定を巡る議論の中で、すべて俎上に乗せられてくることだろう。

さらに政府の、「社会のデジタル化推進方針」を受けて、介護事業に対してもICTやセンサー、インカム、ロボットの導入、周辺業務のアウトソーシング、これらに伴う業務オペレーションの整理などを進めることを前提に、 人員配置基準の3:1から4:1への緩和が提言されており、このことも議論の俎上に上ってくることは間違いがない。

しかし配置基準緩和とは、単に基準改正にとどまらず報酬単価にも影響してくることを忘れてはならない。現行の基本サービス費には人件費分も含まれているが、その計算根拠となる人員配置を緩和するという意味は、緩和された基準に基づいて基本サービス費単価を見直すという意味である。当然その単価は下げられることになる。

こうした厳しい改正議論が進んでいくことになるし、補助金で介護職員の給与を多少上げられるとはいっても、介護人材確保は益々厳しい状況になっていく。その中で介護事業経営者の悩みは尽きることはないだろう。

そのような介護事業経営者を含めて、志を高く持つすべての介護関係者の方々にエールを送るとともに、皆様の声を国に届ける努力も続けていきたいと思う。

同時に皆様の下に隠された情報も含めて様残な情報を伝えていきたい。それは単なる伝聞に依らず、表だてられている情報に隠されている意図などを深堀りして、事実のみならず真実を届けていきたいと思う。

どうぞ来年もよろしくお願いします。そしてこのブログを訪れているすべての方々にとって、2022年が良い年になることを願っています。できればそうした方々とお愛したいので、1/28の出版記念セミナーの会場までお越しいただきたいと思います。張り付いたリンク先から申し込んでください。

それで皆さま、良いお年を迎えてください。新年は1/4(火)〜記事更新を始める予定です。FBの方は、元日から正月3が日も書き込みする予定ですので、そちらもご覧ください。
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