12/2更新記事「介護サービスそのものに生産性向上を求める弊害」より続く。
多くの介護事業者は職員募集の際に、「未経験者歓迎」とか、「介護未経験の人でも安心して働くことができます」などといった広告を載せている。

そんなふうにして介護未経験者にも、親切に介護実務を教えることができると謳っているのである。

だが個人的にはこれほど信頼できない広告もないと思っており、そのような広告は誇大広告でしかないと感じている。

なぜなら未経験者を歓迎し、未経験者が安心して働くことができるように介護技術を教える方法が確定しておらず、すべて介護現場に丸投げしているだけの事業者が多いからだ。

しかも丸投げされた職員自身が、教育の仕方を教わっていないのだから、ただ単に日常業務をするのを見せて、それをそのまま覚えさせるのが、「教え方」だと思い込んでいることが多い。

自分が何となく覚えた業務の方法を、何となく後輩に伝えるやり方で、未経験者が介護実務をこなすことができるところまで行き着かせようとするわけである。

しかし教えるべき内容や手順も統一されていない状態で、単に先輩が個人的感覚で仕事の手順を伝えるだけだから、そうした手順で行う必要があるという根拠も示されないし、場合によっては昨日と今日で全く異なる方法を教えている状態が生まれる。昨日覚えたことが、今日の学びに生かすことができないだけではなく、昨日の学びが無駄になったり足かせになるという混乱が生ずるわけである。

そんな状態で知識や技術が的確に伝わるわけがない。そのために職場内で数多くの、「我流」が生まれてしまうのだ。

そうした場での介護教育の効果は著しく低くなり、教えを学ぶという部分の生産性は極めて低くならざるを得ない。この部分こそ生産性の向上が求められるのではないだろうか。

そのためにはまず、事業者内に教育担当部署若しくは担当者を設けて介護知識と技術を伝える教育者を育てることから始めねばならない。

その際には、経験者=教育ができる人という誤解をなくすことが必要になる。人を教え育むスキルは、介護職員としての仕事のスキルとは異なるのだ。介護の仕事をそつなくこなすことができても、そのコツを人に伝えるのが苦手な人は、教育担当にはなり得ないのである。

教育部門がきちんと教育者としてのレベル指標を設けて、そのレベルに合った立ち位置をここの職員に与えることが大事だ。
スタッフレベル指標
※図は僕が総合施設長として管理していた社会福祉法人で用いていたレベル指標
職員の中には、たくさん経験があり介護の仕事が滞りなくできる人であっても、人に教えるのは苦手であるという人もいる。そういう人はこの指標のLEVEL4と認定し、その立ち位置で毎日の介護業務に励んでもらえばよいのである。

LEVEL5以上に認定した、「上級スタッフリーダー」は、一定期間ごとに職場内で研修を受けて、教育の仕方を覚えるとともに、職場内で教えるべき仕事の手順や内容を統一するための意見交換を行う必要もある。

当然のことながら介護技術を統一的に伝えるための、「介護マニュアル」は、実務に使えるものに整理して、それを用いる必要もある。(参照:介護マニュアル3亳続説

そうしたOJTとしての実務教育のシステムを整えたうえで、教育部門はOJTに送り出す前の基礎知識を学ぶ場として、実務研修前の座学のプログラムを実施することも大事だ。

就業初日から、OJTと称して介護実務の場に、新人職員を放り出すなんていう状態をなくすことが、まずは求められるのである。

人を効果的に育てることができる環境とシステムがあり、各場面で適切に教育できる人材がいる職場は、人材は集まりも集まる定着するのである。そうした職場は人間関係を含めた職場環境も良くなっているはずだ。

そうした職場を目指して、人材育成の生産性向上を図ってほしい。なお人材マネジメントについては、そうしたテーマの講演で、より詳細・具体的に方法論を示しているので、是非僕の「介護人材マネジメント関連講演」を受講したり、依頼したりしていただきたい。

そうした内容についての依頼や問い合わせについては、気軽に連絡をしてほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
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