メディカルサポネットの連載「菊地雅洋の激アツ!介護経営塾 〜選ばれる介護事業所であり続けよ〜 Vol.2」が昨日配信された。

今回のテーマは、「科学的介護元年スタート」とした。科学的介護という言葉は、かなり以前から耳にする言葉なのに、なぜあえて元年としているかについては記事を読んでいただきたいと思う。

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さて僕は昨日、講演を行うために北海道から名古屋に入ったが、約1年ぶりの名古屋市は、コロナ新規感染者数がゼロの日があるなど、昨年とは異なって大幅に感染者の数が減っている。

そのため昨晩はホテルに籠らず、夜の街に一人呑みに出かけた。その際に食べたものはもう一つのブログ、「masaの血と骨と肉〜早いかと思ったが、おおしま、ってないぞ。」で紹介しているので参照していただきたい。

というわけで今日、僕は名古屋市の地下鉄・御器所駅近くの社会福祉法人さんにお邪魔している。

現在昼休みで慌ただしく記事更新しているところだ。

本日の講演テーマは、「看取りを支える介護実践〜命を支える現場から」である。

今日は5時間という長時間、「看取り介護」について話をするわけであるが、だからと言ってこの講演は、単に看取り介護の方法論を伝えるだけの講演ではないし、看取りに関連する加算を算定するための要件確認をするためだけの講演でもない。

看取り介護・ターミナルケアに対する考え方の基本とは、「介護」の在り方そのものを考えることであり、その過程で「」・「尊厳」に寄り添う姿勢を問い直す講演である。

つまりこの講演は、「介護の本質」を伝える講演だから、時間は何時間あっても良いのである。5時間講演を3日間行ってほしいと依頼されても、同じテーマでさらに内容を濃くして15時間の講演に組み立てることも可能だ。

そもそも看取り介護は特別な介護ではないということを理解せねばならない。

生きるという過程には、必ず死というゴールがあり、介護過程にも、必ず死の瞬間を看取るという時期があるのだ。

そのことを特別視しないことが重要である。

看取り介護とは、人が最期の瞬間まで生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護である。

だからこそ看取り介護は、「する・しない」、「できる・できない」と判断するのではなく、日常介護の延長線上に、ごく普通に看取り介護の実践があって当然であると考えるべきであり、看取り介護の知識と技術は、介護関係者が当然備えておくべきスキルといえるのだ。

最近では病院から退院して、自宅で最期の時を過ごしたいと希望する人が増え、そのニーズに応えるために、在宅で看取り介護を行うケースが少しずつ増えている。

そうしたケースでは、看取り介護対象者が通所介護を短時間利用しながら入浴支援を受けることもある。同時にそこでは縁がある方々と通所介護事業所の中で触れ合い、多様なエピソードが生まれている。通所介護の職員も、終末期のエピソードづくりの支援に関わることが必要になるのだ。

そんなふうに居住系サービスや訪問系サービスだけではなく、通所系サービスも看取り介護スキルが職員に求められているのだ。

つまり看取り介護の知識と技術を備え置くのは、介護を職業としている者の責任であり、それは既に、「看取り介護スキル」ではなく、「介護スキル」なのである。そのことを理解する必要がある。

昨今の馬鹿馬鹿しい状況の一つに、「看取り介護師」なる資格を創って、それを取得させようとする動きがある。誰でもできる介護に専門性を取り入れようとする気持ちはわからないでもないが、資格は仕事をしてくれないのだ。

そもそも看取り介護・ターミナルケアの場面で、そんな資格を持つ人間がかかわることにどんな意味を見出せというのだろうか?

むしろそんな資格を創ることは、看取り介護が日常介護と切り離れた特別な介護だと勘違いさせてしまう元凶になりかねない。

予測されない死の瞬間までの支援をしている人が、ある程度死期が予測された人の支援ができないなんてことはないのであるから、特別な資格なんていらないのだ。

看取り介護の場で求められるのは特別な介護ではなく、日常介護でしかないのだ。何より逝く人と看取る人の間の、最期の時間を共有する中で、双方に意味があるエピソードを刻むことが重要なのである。

「看取り介護師」なんて、そのような資格を与えようとする側の利権に過ぎず、そのような無意味な資格をお金を払って取得する必要はないし、そんな資格を取ろうとする人の介護スキル自体が疑われるというものだ。
看取り師がいらない看取り介護
大事なことは何であるのか・・・。その本質を見つめない人がいくら資格を持とうと、命が燃え尽きる瞬間に、「傍らにいることが許される者」になれるはずがない。
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※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

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