先週金曜日に、「トラブルの報復で給付管理を放棄するケアマネがいてよいのか」という記事を書いたところ、全国のたくさんの介護支援専門員の方がその記事を読んでくれたようである。

僕のSNSなどにたくさんのコメントをいただいたことで、そのことがよくわかる。

その記事内容とは、利用者の家族とトラブったケアマネが、月の途中でケアマネジメントを放棄して給付管理をしないという暴挙に出たために、費用請求ができないで困っている居宅サービス事業所に対して、ケアプランがない状態でも償還払いでサービス提供はできるので、そのようにすることをアドバイスした経緯について論評したものである。

それに対してあるケアマネジャー(本人は東京のケアマネと名乗っている)が、「セルフプラン扱いにすればよいだけの話」というコメントを書いてきた。

しかしそれはあまりにも乱暴な意見であるし、法令上そのような扱いは許されていない。

実際にセルフプランがない状態のサービス利用を、「セルフプラン扱い」にできる特例は存在する。

しかしその特定とは、要介護・要支援認定の新規更新・区分変更申請など、認定申請後に要介護度(要支援度)が確定するまでの間のいわゆる暫定ケアプランについて、居宅介護支援事業者において暫定プランを作成した被保険者が、認定の結果、要支援者となった場合については(その逆も含む)、当該事業者の作成した暫定プランについては当該被保険者が自ら作成したものとみなし、当該被保険者に対して給付がなされないことがないようにするというものである。

それ以外に実際にサービス利用前に作成されていないセルフプランを、あったようにみなす扱いは認められていない。よって金曜日に紹介したケースでのセルフプラン扱いなどできるはずはないのである。

そういう意味でこのような意見をあたかも、「当然」のようにコメントしてきた(くだらないので消去したが)ケアマネジャーの知識レベルは、かなり低いとわざるを得ないし、知ったかぶりと揶揄されても仕方ないと思える。

ところでそのコメントには、「どうせそのようなケアマネジャーは淘汰されるんだからほおっておけ」・「上司でもないのに文句を言っても始まらないから黙っておけ」というような意見も書かれていた。

これを読んでこのケアマネは、見識も乏しいと確信した。はっきり言うと資格を持った偽者で、単なる馬鹿である。

居宅介護支援の現状は、駄目なケアマネが自然淘汰される状況にない。団塊の世代というとんでもないボリュームの世代が、来年から後期高齢者の仲間入りをする状況のこの時期に、居宅サービスの利用者は大幅に増え、居宅介護支援を受けるニーズも高まっている。

その一方で、ケアマネ受験資格の厳格化の影響等によって2018年度試験から極端に受験生が減少し、それに伴い合格者も激減している。2020年度と2021年度はその数は増えているものの微増でしかなく、居宅介護支援を担うケアマネ不足が深刻化している地域も多い。

変なケアマネが利用者を放り出しても、淘汰されるどころか、顧客はほかにいくらでもいるという状態なのだ。だからこそ指摘したような事案が生ずるのである。

そもそも僕は金曜日の記事で、個人を特定して、その個人を非難中傷する記事を書いているわけではない。

ケアマネジャーの使命と責任という観点から、ケアマネジメントの放棄という事案が生じたケースの報告と論評をしているだけであり、そのようなケアマネジメントの放棄があってはならないと意見しているだけである。

個人による質の差が大きく、標準化が課題であるとされるケアマネジメントであるがゆえに、こうした問題は介護支援専門員の存在意義を危うくしかねないとして取り上げて批評しているのだ。それはソーシャルアクションである。

それに対して、こうしたくだらないコメントを書いてきた東京のケアマネを名乗る人物は、ソーシャルアクションとは何かということもわかっていない輩だろう。ケアマネジャーがソーシャルワーカーであるという理解もないのだろうと思う。

社会問題を解決するための世論の喚起につなげることはソーシャルワーカーの務めである。そうした言論に蓋をするかのようなコメントを書いてくる人間にケアマネジャーを名乗る資格はない。

そうした輩にはこの業界から、即刻退場願いたいものである。
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