僕がこのブログで何度か紹介している、「アローチャート」とは、アセスメントの中身を整理して、情報と課題がどうつながっているかを理解する思考法である。(参照:アローチャート関連記事)
アローチャートを描くことによって、客観的事実と主観的事実にわけて問題点が整理でき、その因果関係や相容れない関係をたどっていけば、暮らしの課題につながる背景要因が明らかになる。
いうなればアローチャートは、潜在化して気づかなかった自分の思考回路を顕在化させて、自己覚知させてくれる思考法であると言える。
例えばケアプランは、アセスメント(課題分析)によって引き出された生活課題の解決のために作成されるものであるが、生活課題がこれであるという結論が、アセスメントによって自動的に引き出されるわけではない。
アセスメントの結果を読み取って、生活課題はこれではないかと考えることによってそれは引き出されるわけである。さらにその生活課題をどのようにすれば解決できるのかと考えて、社会資源等を利用者に結び付けていくわけである。ここで二つの思考が働くわけである。
この思考に論理性を加えるのがアローチャートであると言える。
複数の専門家が、同じアセスメント結果をもとにしてケアプランを作成する際に、違う計画内容になる理由とは、この思考の方向性が違うからに外ならず、場合によっては同じ人が同じアセスメント結果でケアプランを作成しても、作成時期によって思考法が異なって計画内容が違ってくるということもあり得るのだ。
そしてアセスメントから生活課題を引き出し、その課題を解決する計画に結び付けるの思考について、それはどのような思考法なのかということを自分自身で示すことができない人も多いのが現状だ。

アローチャートを描くことによってその問題は解決でき、自らの思考法を第3者に説明することができるようになるのである。(※画像はアローチャート学会公式サイトより転載)
そうしたアローチャートを研究する学会の会員が、年に一度集まって情報交換を行うのが、『アローチャート学会』である。
コロナ禍の影響で、今年も2年連続でオンライン開催となったが、だからこそ会員以外の方も含めて、多くの方がアローチャートに広く触れる機会を得られるというものだ。
ただしこの学会は、アローチャートだけを勉強する機会ではない。各分野の著名な講師も参加して、介護保険制度等に関連した様々な情報・知識が得られる学会でもある。
今年は特に多彩な布陣となっており、登壇順に講師を並べると
・高野龍昭 先生(東洋大学 ライフデザイン学部 生活支援学科 准教授)
・岡原仁志 先生(おげんきクリニック院長 医療法人おかはら会 理事長)
・筆者である菊地雅洋 (北海道介護福祉道場 あかい花 代表)
・福富昌城 先生(花園大学 社会福祉学部社会福祉学科 教授)
となっている。
タイムスケジュールは以下の通りである。
11月20日(土)
12:45 開会 開会のごあいさつ
13:00〜14:30 下猶好恵氏 アローチャート基礎講座
15:00〜16:30 高野 龍昭先生講演 LIFEについて
17:00〜18:50 岡原 仁志先生講演 看取り事例
19:00〜 懇親会 「oVice」使用
11月21日(日)
10:00〜11:30 菊地 雅洋講演 「根拠ある介護実践〜本物の科学的介護とは」
昼休憩 「oVice」を解放しますので、懇親の場にお使いください。
13:00〜13:45 石田英一郎氏、坂本文典氏、児嶋咲由美氏 トークセッション
14:00〜15:30 福富 昌城先生講演 事例研究について
16:00 閉会のごあいさつ 閉会
アローチャート研究会会員の方は無料で参加頂けるが、非会員でも2日間で¥1,000-で全メニュー参加出来る。お申込みはこちらからお願いします。
この機会にアローチャートという思考法に触れてみるとともに、全国各地の会員の皆さんと繋がりあっていただきたい。大変貴重な機会なので、是非お見逃しなく。
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