マイナビさんが運営するオウンドメディア、「メディカルサポネット」で連載が始まったことを、「メディカルサポネットでの新連載が始まりました。」でお知らせしたが、それに加えて昨日から講演動画の無料配信が始まった。
10月15日(金)〜11月4日(木)までの期間限定で、「科学的介護の実践とサービスマナーの確立」というテーマの講演が配信されている。
テーマに文字リンクを貼り付けているので、そちらをクリックしてご覧いただきたい。講演配信時間は90分と比較的長いので、時間があるときに視聴していただければ幸いである。
ただし視聴には無料登録が必要である。簡単作業なので登録がまだお済でない方はお急ぎ同サイトで登録していただきたい。
ところで僕は今、北広島市に向かっている最中だ。
北広島市といっても、広島県ではなく北海道の北広島市である。
道外の方は、その名を知らない人が多いかもしれないが、ここは再来年には間違いなく全国区の知られた場所になる。なぜならここに日本ハム・ファイターズの本拠地となる、日本一のボールパークが創られており、2023年のシーズンからそこがメイン球場となるからである。
今日はその北広島市で行われる、「北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会・たすけあい部会 キャリアパス支援研修」の講師を務めるために、会場に向かっている最中だ。
この研修が企画・決定された当時、北海道はまだ緊急事態宣言下だったため、今回の研修もオンラインで企画されていた。ただ一部の方々は会場でも受講できるハイブリットな研修会としているために、その会場に向かっている途中である。
今日の講演テーマは、「介護職員のメンタルヘルスケア〜ストレスから身を護る自己覚知と介護の誇り」としている。
介護職員のメンタルヘルス不調の原因となる、「ストレス」とうまく向き合うために、ストレスコーピングという考え方を伝えるとともに、そもそも介護という職業のストレスとは何かということにも話を及ばせる予定である。
利用者はお客様である。その意識はしっかり持って、顧客に対するマナーある接し方をせねばならないが、顧客であるけれど神様ではないのだから、顧客という理由だけで理不尽な要求は許さないという態度を、事業主がきちんと身に着けることが一番重要である。
同時に対人援助は、人の暮らしに寄り添い、誰かの人生の幸福度に直接影響する仕事であることを忘れてはならない。
人の役に立ち、人の暮らしぶりを良くするという対人援助サービスに従事する者としての、その使命を全うすることでメンタルも護られるのではないだろうか。
自分が誰かの「あかい花」になっていることが実感できれば、メンタルヘルス不調に陥ることはないのではないだろうか・・・。
今日の講演も、「こうすべきである」ということが一切ない実務論。介護サービスの場で実際に働いている人が受講者なのだから、その人たちが話を聴いた時間が無駄にならないように、受講後に実践できる具体論を話さねば意味がない。
観念論を語る講師はその辺に転がっておるが、介護実務に即して、「実践できる方法論」を語ることができる講師は意外と少ない。それができるから僕は講師として呼ばれるのだと思うので、そのことに徹底的にこだわりたいと思っている。
メンタルヘルスケアは、実はハラスメント対策ともリンクしている。
今年度の基準改正では、介護事業者にハラスメント対策の義務が課せられているので、そのことも語ってこなければならない。
私たちは介護のプロとして、お客様に接する際には、いつでもどこでも、礼儀正しく笑顔で丁寧に接することは当たり前のことだ。だからと言って顧客からの理不尽な要求にまで応えなければならないことはないのである。
拒否すべきは法律違反の要求だけではない。倫理上問題のある行為要求を受け入れる必要はなく、カスタマーハラスメントは、放っておかない・我慢しないということがメンタルヘルスケアとしても求められてくる。
恐ろしいことに、顧客のカスタマーハラスメントは刑事事件に発展するものもある。
10/12に京都市の障害を持つ男性(59歳)が監禁致傷で逮捕された容疑は、7月にこの男性宅を訪れた介護福祉士(ヘルパー)に薬入りのお茶を飲ませて一時・意識喪失させて自宅に監禁したというものだった。幸いヘルパーは、その後回復し、性的暴行などの被害は受けていないとのことであるが、まかり間違えば命さえ奪われかねない恐れがあった事件である。
利用者宅で勧められたからと言って、絶対に食べ物や飲み物を口にしてはならない。たとえ相手が善意であっても、仕事であることを理由に毅然と断る態度に徹しないと、利用者宅という密室で何が起きるかわからない。
訪問サービスの関係者の方々には、今一度このことを確認してほしいし、ヘルパーが拒否する行為を何度も強いる利用者に対しては、経営者や管理職が毅然とした対応を行う覚悟を持ってほしい。
介護事業経営者や管理職が、従業員をしっかり護るという姿勢が、従業員の心も護るということを忘れないでほしい。
メンタルヘルスケアの基本は、経営者や管理職が従業員を大切に思い、護り育てようとするということだ。
その基本がない対策は、すべて効果につながらない対応に終わってしまうだろう。
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