《確定的な介護未来予想図に基づく事業戦略(前編)より続く》
今後の介護事業経営を考えたとき、事業経営規模の拡大と多角化が必要不可欠であるということは昨日書いた前編で論じた通りだ。
そのためには顧客確保が重要になることは今更言うまでもない。しかし顧客の数が増えると言っても、今のように簡単に通所サービス等に利用者が集まるという状況ではなくなる。
介護市場に落ちる多額のお金を狙って、現在介護事業未参入の異業種営利企業が参入してくることは間違いないからだ。
民間営利企業が介護事業に参入した途端に、この業界で大きなシェアを占める可能性があることは、SOMPOケアの例を見ても明らかであり、そうした民間大手営利企業が今後も介護事業に参入するケースは増えるだろう。
仮に、「結果にコミットする」フィットネス事業者がデイサービスに参入して、そこでも結果にコミットしたとき、結果にコミットする方法を知らない既存の通所介護事業者は生き残っていけるのだろうか?
今現在の通所サービスは、団塊の世代の人々が数多く利用し始めて、顧客数が増加傾向にある。だからこそ、それの顧客のハートをがっちりつかんで、口コミで将来にわたって顧客が増えるように、他の事業所とのサービスの差別化と高品質化は必須である。
団塊の世代は外食する店もネットで検索して選んでいる世代だ。いつまでもカラオケで長々と時間をつぶすデーサービスや、チィーチィパッパの幼稚なゲームに終始する場所には集まらなくなるのだ。
通所サービスの備品として、「タブレット」は必需品となり、それを使ってスマホやアプリの使い方を楽しみながら学ぶことができる通所介護にしていく必要がある。(参照:地域住民から選ばれる通所介護のサービスメニュー)
また顧客確保のためには、女性より趣味の幅が狭くて、社交性の足りない男性に、いかに選んで利用してもらえるかということが重要になる。
そんな中で、「外出しないで家に引っ込んでいると認知症になっちゃうから」などと言いながら通所サービスに通ってくる人が増えている。そのことを考えると、認知症予防の取り組みとして、認知症の簡易判定と、それに基づく予防プログラムを利用できるというサービスメニューは、顧客に選ばれるための重要なアイテムになる。「新たな認知機能評価と認知症リハビリの可能性」で紹介しているアプリの利用などは、最適な方法と言ってよいだろう。
定員が決まっていて、顧客を増やすことができない施設サービスは、空きベッドを確実に埋めながら、ベッド稼働率を一定以下にしないことが重要だ。
以前のように待機者が100人を超える状態ではなく、待機者ゼロの施設も多くなっているのだから、ここでも認知症リハビリなどの売りを創って、顧客から選ばれる要素を複数ちりばめておかねばならない。
団塊の世代で、重介護者(要介護4以上)の人の中には、「特養に入所したら、週2回しか風呂に入れなくなる」と言って、それを嫌ってサ高住に入居し、外部サービスを利用しながら1日おきに入浴支援をけている人もいる。それらの人のニーズにも応える改革が必要な施設は多い。
しかし・・・事業規模の拡大と事業種類の多角化は、それを支える人材なしでは不可能だ。とはいっても数合わせの人集めは、「介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件」などの事件につながりかねない劣悪な人材によって、事業経営を危機に堕とす重大な問題を引き起こす恐れがある。
そのために法人全体で募集・採用・教育を司る専門部署を創り、そこが機能発揮できる組織改革がまず必要だろう。

この画像は僕が行う、「介護事業経営」に関連した講演スライドの1枚である。
このスライドには、今後の介護事業経営のポイントとなる様々な問題と対策が詰まっている。が、それは僕の講演を受講して確認していただきたいと思う。
近直では、「介護事業経営研究会C-MAS全国大会オンライン配信」で、このことに触れるかもしれない。ただ現在は講演内容を組み立て中で、確定はもう2〜3日先ということになるだろう。

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