2024年度の介護報酬改定は、経済復興策最優先の政策も相まって、非常に厳しい改定になると予測する人が多い。

消費税アップ分の報酬改定を含めると、3期連続してプラス改定となっている介護報酬であるだけに、2024年度改定時は、2015年度のマイナス2.27%並みかそれ以上の厳しい改定予測も成り立つ。

しかし改定時の社会情勢にってはどうなるかわからない部分もある。今年度の改定も、その議論が始まった当初はマイナス改定が必至だと言われていたが、コロナ禍という状況が報酬改定にとっては追い風となり、財源が厳しい中でもプラス改定となったわけである。

だから3年ごとの報酬改定のプラス・マイナスや、その率をあらかじめ予測してもしょうがないという面がある。特に介護報酬はサービス種別ごとに差が出るのだから、それらをすべて予測することは不可能である。

だからと言って報酬改定の動向を全く無視して、今後の介護事業戦略を立てることは困難だ。

そう考えたとき必要になるのは、近直の報酬改定状況を後追いしたり、次の改定予測を立てて、それに基づいて経営戦略を考えるのではなく、もう少しマクロな視点から中・長期的な流れを読んで戦略立てすることだ。

日本の高齢者人口の現状や今後の推移を考えたとき、「団塊の世代」という他の世代とはボリュームの大きさがまったく異なる世代が、来年から75歳に達し始めることをまずは念頭に置かねばならない。

その世代の人々は2029年に全員80歳に達し、2039年に90歳に達することになり数を減らしていくが、その世代を追うように、今度は団塊ジュニア世代という次の塊が、2039年にすべて65歳以上となっていくのである。

この状況を踏まえたうえで介護事業戦略を考えねばならない。

例えば、『令和2年版度高齢社会白書』によれば、日本は長期の人口減少過程に入っているが、65歳以上の人口は増加傾向にあり、その数は2042年にピークを迎え、その後は減少に転じると推計してている。この予測はほぼ正確だろうと思える。

つまり介護サービス利用者は、少なくとも2042年までは増え続けるのである。

現在介護給付費の総額は、年間11兆円を超え12兆円に達していると推計されているが、その額は自然増分だけで年間1兆円ずつ増えていくとされている。

しかし税金を国に納める企業の収益は、コロナ禍によって減っているし、所得税を納め年金保険料を負担する生産年齢人口は減り続けているのだから、国の財政は厳しさの一途を辿るのである。

だからこそ国は、社会保障費の自然増を極力抑える政策をとらざるを得ず、一人にかける介護給付費単価は減らされていくことは必然だ。その政策の先には、現在介護給付されているサービスのうち、軽度者の訪問介護や通所介護を、単価の低い地域支援事業に振り替えていくというものがある。

つまり介護サービスの顧客数は増えるが、顧客一人あたりから得られる事業収益は減るということだ。

だからいつまでも地域密着型通所介護を1事業所経営しているだけで、従業員の定期昇給を行いながら事業経営を続けられるなんてことはあり得ないわけである。そういう事業所は根本的な経営体質の改善を図っていかなければ、近い将来廃業せざるを得なくなるのである。

つまり介護事業経営は、必然的に規模拡大と多角経営を目指し、スケールメリットを働かせて収益を確保しながら、どのサービス種別の単価が減られされても、他のサービスでそれを補えるというリスクヘッジを念頭に置く必要があるのだ。

しかし前述したように、介護給付費だけを考えてもサービス利用者が増えるために、その額は年間1兆円増えていくのが確実なのだ。介護給付費だけでも2028年にはその額は20兆円に達する。

コロナ禍の影響で感染対策費などとして、介護市場にはさらに国費等が投入されているのだから、保険外の周辺費用を含めると、介護市場は2025年には100兆円を超える巨大なマーケットとなる。

だからこそ事業規模の大型化と多角経営に成功した事業者は、拡大し続ける介護市場の中で、大きな収益を獲得し、巨額な資産を持つことが可能になるわけである。

さて長くなったので、この続きは次回(明日)更新の記事に書きたいと思うので、「確定的な介護未来予想図に基づく事業戦略(後編)」を引き続き読んでいただきたい。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)の特典付き注文書は、こちらをクリックしてください。10月1日までに発注いただければ出版社より送料無料で送られてきます。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。