あらためて求められたQOLを職員に知らせているかより続く)
自立支援促進加算では、おむつ交換について下記のような指摘も行われている。
・ おむつ交換にあたって、排せつリズムや、本人の QOL、本人が希望する時間等に沿って実施するものであり、こうした入所者の希望等を踏まえず、夜間、定時に一斉に巡回してすべての入所者のおむつ交換を一律に実施するような対応が行われていないことを想定している

このように排せつパターンに即さないおむつの定時交換・一斉交換は、「暮らしの質の向上ではない」と否定されているのである。

見守り機器などの利用を条件に、一人の夜勤者で60人もの利用者対応する時間を増やす「夜勤配置基準緩和」を実現させておいて、この対応を求めるのは理不尽だとは思う。しかし、「夜間だからと言って、個々の排せつ時間に配慮せず、おむつ交換を一斉定時に行うのは暮らしの質の豊かさとは言えない」という考え方は正論と言わざるを得ない。

排せつについての新たな示唆は、介護施設の排せつ支援加算でも行われている。
・リハビリパンツや尿失禁パッド等の使用は、おむつの使用に該当する
・おむつの使用が終日から夜間のみになったとしても、算定要件を満たすものではない。


このことについては、「全否定されたおむつゼロ運動と罪悪の歴史」で指摘した通り、尿取りパットをおむつの代用として使うことや、日中のみのトイレ排せつだけでは、暮らしの質の向上につながらないことを指摘したものである。

常軌の指摘事項について実現できるか・できないかにかかわらず、介護事業者の全職員が排泄ケアのあり方を考え直すためにも、これらの指摘事項をきちんと事業者責任として、職員に伝えておく必要がある。

そのほか自立支援促進加算では、暮らしの質の向上と関連して様々な考え方が示されている。

食事についての指摘事項は以下の通りである。
・食事は、本人の希望に応じ居室外で、車椅子ではなく普通の椅子を用いる等、施設においても、本人の希望を尊重し、自宅等におけるこれまでの暮らしを維持できるようにする。食事の時間や嗜好等への対応について、画一的ではなく個人の習慣や希望を尊重する。
・経管栄養といった医学的な理由等により、ベッド離床を行うべきではない場合を除き、ベッド上で食事をとる入所者がいないようすること


普通の椅子とは家具椅子を指すものと思えるが、家具椅子に座っての食事は、誤嚥しない食事姿勢として求められるものであり、是非そうした視点とともに実現を図ってほしい。

なおこのことは僕の介護実務講演を聞いている事業者や個人は、僕の指摘と同様と気が付いていると思う。(※すでに僕の講演を聴いて、取り組みを行っている介護事業者も多い。)

入浴については、「すべての入所者が、特別浴槽でなく、個人浴槽等の一般浴槽で入浴していることが原則である。」としているが、これは在宅復帰を睨んで、自宅で入浴できる方法を促しているものであろう。通所サービスの「入浴介助加算供廚箸皀螢鵐した考え方と言えるかもしれない。

また次の点も注目すべき指摘である。
・本人の希望に応じて、流れ作業のような集団ケアとしないため、例えば、マンツーマン入浴ケアのように、同一の職員が居室から浴室までの利用者の移動や、脱衣、洗身、着衣等の一連の行為に携わること

僕の講演を聞いたことがある人ならわかると思うが、この方法も僕が勧めている、「業務分担しない生活支援型ケア」である。一人の職員がマンツウマン対応することで、職員が一人いれば、利用者ひとりに対応できるようになる。そして業務分担するよりしない方が、分担作業の繋がりロスがなくなる分、ケアがスムースになるという利点が出てくるのでぜひ実行してほしい。

また同加算では、「中重度の要介護者においても、離床時間や座位保持時間が長い程、ADLが改善すること」として、「離床、座位保持又は立ち上がりを計画的に支援する」「計画的に行う離床等の支援を一定時間実施する」ことを求めているが、その目的はあくまで、「日中の過ごし方を充実したものとすること」であり、座ったきり老人を創っても始まらないという理解も必要だ。

「本人の生きがいを支援し、生活の質を高めていく観点から、離床中行う内容を具体的に検討して取り組むことも重要である」と指摘されていることを、全職員に正確に伝えてほしいと思う。
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