報酬改定から5月目を迎え、新体系への疑問もほぼ解決したのではないかと察する。
この間、解釈通知やQ&Aの読み込みをはじめ、僕の講演も含めて、様々な改定報酬に関する講演などを受講して、その解読に努めた関係者は数知れないだろう。
事業管理者やリーダー・請求担当者等は加算算定要件等、報酬構造に精通しておく必要があることは当然だが、事業者によっては、その他の職員にそうした情報をほとんど伝えていないところがある。
実際に介護業務等に従事している職員が、何となく新しい加算名を耳にして、何となくどうしたらよいかを指導されて終わりという事業者が少なからずある。
しかしそれではダメだ。報酬改定の説明会は、職員全員に向けてきちんと行わねばならない。
加算要件等を経営者や管理職だけが知っておればよいということにはならないのだ。介護事業者としてどこを目指していくのかを全職員が理解するためには、そのことに関連する報酬体系情報は全職員に、「知っておくべき情報」として伝えられなければならない。
そうすることによって職員は、「そのことは知っておかねばならない知識である」という意識を持つようになる。そのことは事業経営上不可欠だ。
それをしないでいると、職員は新たに加算要件として求められる数値報告や記録、介護実践の方法の変更の意味が理解できず、仕事に仕方に対する疑問を抱くかもしれない。それは仕事に対するモチベーションとパフォーマンスの低下へと直結する問題である。
そもそも自分が行っていることの意味を知らねば、仕事のやりがいが感じられなくなるのは誰しも同じだろう。
報酬構造や算定要件の説明をしない状態で、何となく仕事のやり方を新報酬体系に向かうように流そうというのは、職員のやる気をそぐ結果をもたらしかねないのだ。
例えば数回前の報酬改定から全事業に求められている方向性の一つに、利用者の口腔機能の維持・向上と栄養状態の維持・向上が挙げられる。
食物の口腔摂取維持の取り組みを評価し、そのことで栄養状態を良好に保つことが、自立支援につながると評価して、様々な加算につながっている。
この部分は管理栄養士の活躍が期待される部分だが、管理栄養士がいくら旗を振って掛け声をかけても、介護の場で実際に食事摂取の支援をする職員が、その方向性や意味を知らないと、適切な支援行為につながらない場面がしばしばみられる。
そこでは口腔機能維持や口腔摂取・栄養状態の検証に取り組み管理栄養士に対して、自分の存在感を示すためにパフォーマンスにはしているとか、自分の評価につながる問題にしか興味がない仕事ぶりであるとかいった、的外れな批判が噴出して、成果が挙がらないだけではなく、職場全体の雰囲気が悪くなる。
そのような状態に陥らないように、職員全員が同じ方向を目指して仕事のパフォーマンスが高められるように、何が必要とされて、そのためには何をどうしなければならないのかという説明が不可欠である。
自分が働いている事業において、国は何を求めているのかを直接知ることにつながるのが、報酬構造・加算算定要件の説明である。全職員がその方向性や具体的方法を知ることによって、目指すものが見えてきて、職場の理念を形骸化させず、目標がはっきりしてくるかもしれない。
そういう学習機会をきちんと設けて事業展開していくことが、安定した介護事業経営にもつながっていくのだ。
そうであれば特に施設サービス経営者及び管理職の方には、今年度の報酬改定で新たに求められた、「生活の質の向上」の具体的内容を、職員全員にきちんと説明しているのかと問いたい。そのことは明日更新する記事の中で詳しく説明するとしよう。
なおそうした内容も含めて、各事業者に関する報酬改定の要点・職員の皆さんに伝えておかねばならないことに関する講演は、随時受け付けているので、お気軽にメール等で問い合わせいただきたい。
メールの連絡は、「北海道介護福祉道場 あかい花」の右上のメール画像をクリックするか、グレーの帯にあるヤフーメールに送っていただければ返信させていただく。

是非お気軽に連絡してください。(あらためて求められたQOLを職員に知らせているかに続く)
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