今年度の介護報酬改定の目的の一つである、「制度の安定性・持続可能性の確保」に関連して、居宅介護支援事業の基準改正が以下の通り行われた。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)
指定居宅介護支援の具体的取扱方針
第十三条十八の三 介護支援専門員は、その勤務する指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた指定居宅サービス等に係る居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、地域密着型介護サービス費及び特例地域密着型介護サービス費(以下この号において「サービス費」という。)の総額が法第四十三条第二項に規定する居宅介護サービス費等区分支給限度基準額に占める割合及び訪問介護に係る居宅介護サービス費がサービス費の総額に占める割合厚生労働大臣が定める基準に該当する場合であって、かつ、市町村からの求めがあった場合には、当該指定居宅介護支援事業所の居宅サービス計画の利用の妥当性を検討し、当該居宅サービス計画に訪問介護が必要な理由等を記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。

このことに関連して僕が行う講演でも、「総額が基準額に占める利用割合とはどの程度までか」・「訪問介護が区分支給限度額に占める割合とは何割で、それは生活援助だけではなく身体介護も含まれるのか」などという質問が出されていた。

その際に僕は、「具体的割合は今後示されることになるが、訪問介護については身体介護も含めて割合の高いプランが検証対象になる」と回答していた。

そのことについて28日に厚生労働省は、社会保障審議会・介護給付費分科会資料で、その具体的内容を示した。

それによると検証の対象となる居宅サービス計画とは、以下の2点の両方に該当する場合である。
ゞ菠支給限度基準額の利用割合が7割以上
△修陵用サービスの6割以上が訪問介護サービス


該当する居宅介護支援事業所は、約3%の見込みで、新基準による検証については10月から導入されることになっている。

居宅介護支援業務に携わっている多くの介護支援専門員が実感しているだろうが、区分支給限度額上限に近いサービスが必要な人はたくさんいるし、その中で訪問介護が中心サービスになるケースは多いことを知っている。

一人暮らしの人で、認知症の症状が出てきた人に、必要なサービスを積み上げていけば、自ずと支給限度額に近い額のサービス利用が必要で、そのうちの8割がたが訪問介護であるというケースは多い。それは決して御用聞きプランでもなければ、不適切プランでもない。

そもそも必要なサービスを保険利用できる上限を定めているのが区分支給限度額なのだから、その範囲内の何パーセント以上の利用プランを立てようと、それをとやかく言われる筋合いはないはずだ。

それを区分支給限度額上限まで利用させることを前提にした一部の不適切プランを取り挙げて、全プランについて検証対象にすること自体が、給付制限のプレッシャーであると言っても良いのだが、決まってしまったものはどうしようもない。

ただし検証対象の基準に書かれているように、この検証は該当する割合の計画がすべて自動的に対象となるわけではなく、「ケアマネ事業所ごとに見て」「市町村からの求めがあった場合」が検証対象となるので、準備が遅れている市町村では実施時期も大きくずれ込むことが考えられる。

しかしいずれにしても該当する居宅介護支援事業所については、どこかの時点で一度検証作業が行われることになるので、対象となるプランを抱える介護支援専門員は、今一度計画内容を見直して、それが必要なサービスであるときちんと理論武装に心がけていただきたい。

告示案は、7月20日から8月18日までパブリックコメント実施中とのことであるが、そのことに何の意味もなく、どんなに意見を挙げても、この基準が変更になることはないし、国にとって不都合な意見は無視され、公開もされないことは過去の例を挙げるまでもない。

パブリックコメントなんて、広く関係者の意見を聴く機会を設けたという、国のアリバイ作りに過ぎないのだから、そのようなものに意見投稿するような無駄な時間をつくらないようにしてほしい。

ところで某ネットニュースでは、この基準について、日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長が、「事業所と市町村、双方の事務負担が可能な限り軽くなるようにして欲しい。例えば認知症など、限度額の利用割合が高まりやすいケースもある。利用者の状態像を十分に考慮した検証として欲しい」などと釘を刺したと報道している。

釘をさす場所と時を間違えているんではないか。この基準案はもともと今年度の報酬改定議論の中で示されたもので、その時にきちんと反対意見を述べるなどしないと、既に改正基準が決まっている段階で何を言っても、「糠に釘」にさえならない。影響力はゼロである。

そう意味で、日本介護支援専門員協会とは、本当に間の抜けた、頭のねじも一本足りない団体だと思う。
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