すべての職場に自浄能力があるとは限らない。

そのため内部告発という形の情報発信は、時として唯一の問題解決策となる場合がある。

介護施設を密室化して、虐待行為が深い闇の中に沈んでいる状態をあぶり出す際の唯一の方法が、介護施設職員による内部告発であるという事例も過去にたくさん見られたことだ。それによって救われた人・命・暮らしがある。

だからこそ内部告発者の勇気は讃えられるべきであるし、その立場は護られるべきである。

このことに関連して表の掲示板では、北海道の某町立特養での虐待が話題になっている。内部告発者がツイッターやユーチューブに虐待の実態をアップしているが、告発された虐待行為について、町は振興局に報告を挙げたものの、その後具体的な虐待防止策を取ってはいないとのことだ。

関係者の処分は後回しで良いと思うし、そもそも事実関係が確定するまでそれはできないだろう。

しかし、虐待が本当に行われていたとしたら、そこには虐待を受けた被害者が存在するという意味なのだから、その人たちの保護、心のケア、虐待の再発防止策は早急に行わねばならない。

それは振興局の指導を待つという問題ではない。人の暮らしを護るために存在する特養の使命として、どんなことより先駆けて行うべきことだ。

それが人の道である。この部分で、呑気に事実関係を確認している暇なんてないわけである。

ところが当該施設では、被害者を護ったり、再発防止策を取ることなく、何より先に行われているのは、「内部告発者」探しだそうである。内部告発者を守秘義務違反の、「犯人」と決めつけ、訴えると脅したり、施設のトップを含む管理職数名で職員を呼び出して自白を迫っているそうである。

この施設のトップは勘違いも甚だしい。守秘義務とは、職務上知った秘密を守るべきことや、個人情報を開示しないといった義務のことを指すが、公益に反する法律違反や不正・不適切行為を公にすることはその義務には当たらない。

虐待という事実が存在するなら、その実態を明らかにすることは国民の義務である。管理者・管理職にその事実を通報しても、何の対策もとられないとしたら、その実態をネットを通じて公にすることは手段としては有りだ。

それをさせないように隠蔽を守秘義務という言葉で覆い隠すような行為は極めて卑劣である。こういう形で内部告発者がつぶされるのは見過ごせない。こういう管理者がいる限り、この施設の改革はできないだろう。

虐待があったということだけで施設トップの解任事由には該当しないとしても、虐待を隠蔽し、内部告発者に対する嫌がらせ行為に走るということは、十分解雇事由に当たるのではないだろうか。
北竜町のひまわり
内部告発者のSNSを見た人によると、問題になっている特養は、「ひまわり」で有名な町にあるそうだ。そこに町によって経営されている特養が、ひまわりさ咲くことのできない闇を創り出し、その闇の中に事実を隠蔽する行為がずっと続けられているとすれば、これは悲劇ではなく喜劇だ。

それにしても虐待告発を守秘義務違反と罵る人間が、介護施設の管理をしていて良いのだろうか。人として許されない行為をしていることに、その人間は気が付いているのだろうか。この施設には虐待と無縁の職員もたくさんいると思うが、こういう馬鹿なトップの下で働いていること自体が恥ずかしいことだろう。お気の毒である。

介護とはその字の意味が表す如く、「かばいまもる」行為である。しかし護るべきは第一義的に利用者であり、利用者の暮らしである。

しかるに、告発された虐待を隠そうと、内部告白者探しに躍起になって、内部告発者を犯人扱いすることで護っているのは、自らの地位のみである。それは人として許されない行為であり、傍から見てきわめて醜い行為でもある。

そういう人が同業者であることを恥じる。
虐待防止の意味
上のスライドは、僕が行う「虐待防止講演」のスライドの中の1枚である。虐待を隠蔽しようと躍起になている人たちは、このスライドを見て何を思うだろう。自分が管理する施設の実態を、どう考えているのだろう。

仕事に対する誇りや矜持をどう考えているのだろうか・・・。そういう矜持を持てない人は、一日も早く介護業界から退場していただきたい。
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