※UCHIDAビジネスITオンラインセミナー福祉版・解釈通知・Q&Aから読み取る令和3年度報酬改定の影響と課題 〜居宅介護支援と施設サービスの報酬改定の詳細分析〜は、本日午後7時からの配信が最終回です。どうぞお見逃しなく
今年度から、介護予防サービスのリハ職の訪問・通所サービスは、1年を超えてのサービス利用について報酬を減額算定するルールが設けられた。

予防訪問看護のセラピスト派遣と予防訪問リハビリでは、1年を超える利用の場合、基本サービス費が5単位減算される。

予防通所リハでは同じく1年超えの場合、要支援1で20単位減算・要支援2が40単位減算である。

予防通所リハビリは月額定額報酬で、要支援1は月平均4回利用、要支援2は月平均8回利用を想定して単価設定しているので、今回の減算は1回の利用について5単位の減算という意味となり、予防訪問看護と予防訪問リハと同レベルの減算単位であると言ってよい。

この取り扱いは解釈通知で、「令和3年4月から起算して 12 月を超える場合から適用される」とされているが、同時にQ&A・Vol3では、「法第 19 条第2項に規定する要支援認定の効力が生じた日以降で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする」とされた。

そのため昨年度から利用している人は、昨年度の利用月から起算するのではないかという混乱を生じさせたが、上位法令である解釈通知が優先適用されるので、この意味は、「昨年中からサービス利用している場合は令和3年4月から起算し、令和3年度から利用開始した場合は、当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする」という意味となる。

だがこの減算はこれで終わりではなく、始まりである。今回は1回につき5単位減算に留まっているが、24年の報酬改定ではその減算額がさらに増やされる可能性が高い。

そもそもこの減算の意味は、要支援者については医学的リハビリの必要性は高くないのだから、できるだけ早期に医療リハビリから、福祉系機能訓練へと移行せよという意味合いが強い。そうなると通所介護は予防給付がないので、市町村の地域支援事業である第 1 号通所事業に移行させるという意味だが、その単価は週 2 回程度(事業対象者、要支援 2)の場合で3,428 単位である。

予防通所リハビリの1年超え減額単位は、要支援2で3999単位−40単位=3959単位であるから、その差はまだ500単位以上あるわけである。

すると次の報酬改定では、減額単位を要支援1で40単位、要支援2で80単位としても、第 1 号通所事業よりまだ高い単位を算定できることになり、予防訪問看護と予防訪問リハは1回の利用について10単位減算ということが現実味を帯びてくる。

しかもこの減算は予防給付に限ったことではなくなる可能性が高い。

今回の基準改正で通所リハビリについては、「指定通所リハビリテーション事業所の医師が利用者に対して3月以上の指定通所リハビリテーションの継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書に指定通所リハビリテーションの継続利用が必要な理由、具体的な終了目安となる時期、その他指定居宅サービスの併用と移行の見通しを記載し、本人・家族に説明を行う。」とされた。

この規定は今回、努力義務規定でしかないが、介護給付の通所リハビリにもゴールを設定して、できるだけ通所介護に移行させるという流れがはっきりと示されていることは間違いのないところだ。

すると次期改定以降に、介護給付の通所リハビリにも1年以上の利用超え減算が新設されない保証はない。医療系リハビリテーションはできるだけ早期に、福祉系機能訓練へと移行させる圧力は強くなることはあっても、弱まることはないのである。

通所リハは、通所介護のように軽介護者の給付外し(要支援1と2の利用者の通所介護を総合事業化すること)は行われないと言われているが、軽介護者の通所介護が市町村事業に移行された以後は、通所リハの軽介護者の単価は減額が必至であるし、移行圧力も高まることは確実だ。

その流れを見ながら今後の通所リハ経営を考えたとき、ある戦略が見えてくる。それは通所リハの移行先を、自法人の中に組み込んで一体経営する戦略だ。

通所リハビリは老健が併設している事業形態が多いが、その中には通所リハ事業所を複数経営しているところもある。そういう一体経営に加えて、通所リハビリと通所介護とを同じ法人内で一体的に経営することで、法人内で利用者に対してスムースに移行支援が可能になる。

母体医療機関で急性期リハを終えた人が、法人内の老健で回復期リハを行い在宅復帰を支援し、在宅復帰した後は慢性期の一部の期間、併設の通所リハと訪問リハを利用しながら在宅生活を支え、一定期間を経て、同じく法人内の通所介護に移行していくという流れができれば、利用者の情報管理も法人内で一体的にできて、継続的な支援が可能になる。

加えてこうした医療系・福祉系サービスをミックスして経営することで、法人内で職員の適正に合わせた、様々な職場環境が提供されることにもつながり、人材確保面でもプラス作用が働くのではないだろうか。

今後の介護事業経営は、利用者単価の減額を見込みながら、介護サービス利用者は当面増えるのだから、顧客の数を確保することで収益はまだ上がっていくことを視野に入れなければならない。それに加えて解決策が見えない人材確保問題と向き合いながら戦略を立てるとなると、事業規模の拡大と事業種類を増やした多角経営の中で、顧客と人材をある程度囲い込んでいかないと埒が明かなくなることを見込んでいかねばならない。

囲い込みはという言葉は、ネガティブな意味として使われることが多いが、スケールメリットを十分働かせ、利用者の福祉の向上と、従業員の待遇の向上につながる囲い込みは事業戦略として正しい方向と言える。

だからこそネガティブなイメージに惑わされずに、ポジティブな囲い込みの戦略を立てていく必要がある。
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