生活保護受給者などから合計8.000万円以上をだまし取ったなどとされて起訴された、元埼玉県和光市幹部職員・東内京一被告(57)―懲戒免職―の公判が6月4日、さいたま地裁で行われた。

そこで検察側は懲役10年を求刑したが、そのニュースに触れて、「予想より重い求刑で驚かされた」という人も多いと思う。

この事件のニュースは、当初生活保護受給者から預かった現金200万円をだまし取ったという詐欺と業務上横領事件として報道されたが、その後事件の被害総額は8.000万円以上に及ぶ累犯行為であることが明らかになり、罪名には窃盗罪も加えられた。

4日の公判で検察側は、「市の福祉に携わる者として高い立場にあるにもかかわらず、高齢者など要保護者の財産を剥奪するなど犯行は極めて悪質。被害者からだまし取ったキャッシュカードから、合計152回にわたり現金を引き出すなど犯行は常習化していた」と非難。動機などについて、「高級車やブランド品の購入、借金の返済などに充て、詐欺罪に問われて支払った750万円の弁償金についても、そのうちの250万円は別の被害者から搾取したものである」と指摘した。

このように犯行の悪質性が重い求刑につながっているようだ。

東内被告と言えば、自立支援型マネジメントの先進地区と言われ、「介護保険からの卒業証書」が話題となった和光市の、その事業を引っ張っていた人物であり、地域包括ケアシステムにおける自立支援に関する講演も全国で行っていた。彼の話を聴いて感銘を受けた人も多かったはずである。

過去に彼を招いて講演を主催した人の中には、裏切られたと嘆いている人もいるが、彼は講演を行っている当時から、それらの方々をだまし裏切っていたのである。声高らかに地域包括ケアシステムの推進と、自立支援マネジメントを唱える傍らで、被保護者の方々などの虎の子の財産を奪っていたのである。

彼が和光市で旗振りしていた事業の功績は、この犯罪とは別にみるべきだという人もいるが、それは少し違うだろうと思う。

東内被告が被保護者の財産を再三にわたって騙し盗っているのに、そのことに担当部署の誰もが長期間気が付かなかったという意味は、彼が和光市の福祉事務所の中で、「アンタッチャブル」な存在になっていたという意味である。

彼がそのような存在になり得た理由も、和光市方式というネームバリューを広げた功績に基づいたもので、予防マネジメントのあり方を提唱する陰で、醜い悪質な犯罪を繰り返していたことを考えれば、その実態とは犯行の餌に和光市方式を喧伝していたに過ぎないと言っても良く、功績などあってなきがごときである。

そもそも和光市方式に、どんな功績があるというのだろうか。

なるほどその方式は、介護保険サービスを使わない人を増やし、財政支出を減らしたのかもしれない。さすればその功績とは市の財政面での功績に過ぎず、市民が何かの恩恵を受けたという功績とは言えないのではないのか?

和光市方式とは要介護者の尻を叩き、介護保険サービスを使わなくなることが最大の価値であるかの如く市民を洗脳し、要介護認定結果が非該当になることを最高の価値とするもので、「介護保険からの卒業」として、そのことを褒めたたえるという、どっかの宗教に見紛う運動にしか見えない。

しかし和光市方式で、「介護保険から卒業させられた人」の1割が、卒業前と同じサービスを利用しているというデータが存在するように、それは体の良い給付抑制でしかないことは明白である。しかも和光市は、介護保険から卒業させられた人が保険外サービスを利用して、以前と同じサービスを10割自己負担利用していることに、いかなる見解も公表していない。それはまるで臭いものに蓋という態度に終始しているかの如くである。
和光市
それが市民貢献と言えるのか大いに疑問である。ましてやこの国や、この国に住まう人に何か恩恵が与えられたことではない。

つまりは東内被告が声高らかに提唱していた、「和光市方式」そのものにうさん臭さが感じ取れるのである。そこで唱えられれている自立支援マネジメントも、地域包括ケアシステムも、人に対する愛情や優しさを徹底的に排除した、「冷血の顔」を裏に隠した方式ではなかったのだろうか。

人の暮らし奪う行為を、装飾した文字やキャッチコピーで飾っただけの方式だったのではないのだろうか。

和光市方式を礼賛する人にとって、愛情や優しさという目に見えないものを振りかざす概念は、制度という枠組みの中では無駄でしかないのかもしれない。

しかし人に相対する職業において、愛情や優しさを徹底的に排除した先に何が起きるのだろうか。制度やサービスは、最低限の生存保障に終始すればよいというのだろうか。

介護という行為やその職業が、生き永らえていくだけの最低限の支援行為を指すとしたら、人はこの世に生まれ生きていく意味を失っていくだろう。
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