新型コロナワクチンの接種が全国各地で始まり、接種対象となった人たちが我先にと接種申し込みを行っている。
順調に摂取が進んでいる地域がある一方で、何らかのトラブルが生じて接種予定に大幅に狂いが生じている地域があるようだ。
温度管理に失敗したり、希釈方法を間違ったりして、ワクチンが廃棄されるケースが相次いで、その数は全国で7.000回分以上にのぼってるという報道もある。せっかく確保され、接種地域に届けられたワクチンが無駄になって勿体ないと思うが、終わったことをくよくよ考えたり、管理ミス等を批判したりしても何にもならないと思う。
それより深刻なのはワクチン接種の人材確保で、地域格差が生じていることだ。
大型会場での集団接種が行われるようになってきた途端に、ワクチン接種を行う人材不足が問題になっている地域が増えている。
そのため国は、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第 21 報)と(第22報)」によって、介護施設の医師や看護師等が、新型コロナワクチンの接種に協力する場合は、人員基準上の配置等に影響しない取扱いとなることを通知している。
さらに介護保険最新情報Vol.987では、各事業所における医師・看護師等の兼業の許可や届出等に関する柔軟な取扱い(例:ワクチン接種に従事する場合には、勤務先への事前許可手続を柔軟化する等)について配慮するように通知している。介護施設の関係者も大変な時期だろうが、国難を救うという大きな目的のために是非協力してほしい。
国の特例としては5/31に、集団接種に必要な医師などを確保できない場合などにかぎり、救急救命士と臨床検査技師が接種を行うことを特例で認める方針も示している。個人的にはここまで特例摂取できる職種の幅を広げてよいのかと首を傾げる。救急救命士や臨床検査技師が筋肉注射をすることに不安を感ずるからだ・・・。
そんな中で札幌市などでは、ワクチンの供給遅れから当初の予定がずれ込み、医療従事者や特養の入所者、75歳以上の高齢者の接種時期が重なり、さらにワクチン接種の人材不足が深刻化し、接種予約の電話がつながらない医療機関に苦情が殺到するなどのトラブルも報告されている。
このように各地で様々な混乱とミスが生じ、対策が追い付いていない事情はあるが、それはこれほどの大規模ワクチン接種が初めて行われることを考えればやむを得ないことである。
それでも日々、確実にワクチン接種する国民の数は増えていくことは間違いのないところだ。
3日の参院・厚労委員会では厚労省健康局長が、「高齢者の接種の見通しがついた自治体から、順次、広く一般にも接種を開始して頂く段階にきた。(在宅系の介護職への)接種が円滑に進むよう全力で取り組んでいく」と述べている。国も問題を認識しながら頑張っているのだと思う。
登別市でも高齢者介護施設の利用者や従業員の1回目のワクチン接種が終わり、一般高齢者のワクチン接種が始まっている。
僕は年を取って若くはないが、まだ65歳未満であり、しかも現在はフリーの立場で介護事業者に所属しているわけでもない。大きな持病もないために、ワクチン接種の優先順位は最下位である。だから今のところ、いつワクチン接種を受けることができるのか明らかではない。だからと言ってそのことに不満も不安も持っていない。
誰よりも早くワクチンを接種して、少しでも安心したいという気持ちはよく理解できる。高齢者であればなおさら、身の安全を考えてできるだけ早い時期にワクチン接種したいと思うのも当然だろう。
しかし周囲にワクチン接種を終えた人が増えることは、感染リスクが減じているという意味でもある。それも安心の一要素と思ってほしい。
自分がワクチンを打つ前に、周囲のいろいろな人がワクチン接種ができるのをうらやんだり、不公平だと思うのではなく、そうした人が周囲に一人でも多くいてくれることで、感染リスクは確実に減っているのだと喜んだ方がよい。
僕は順番が来るまでおとなしく呑みにも行かずに、巣ごもりしていたって良いと考え、接種券が送られてくるのをのんびり待つつもりだ。
ワクチンの効果が絶大なことは、一時ロックアウトを余儀なくされたイギリスで、感染者数と死亡者数がすごい勢いで減っていることを見ても証明されていることなので、今回のコロナ禍も確実に終息に向かうのだから、それを信じて今しばらくは多少の我慢は耐えようと思った方がポジティブだ。
ただ間違えてほしくないことがある。
ワクチン接種を終えたからと言って、必ずウイルス感染しないということではないということだ。ワクチン接種後に感染しても重篤化しないということについても、必ず例外があることは、季節性インフルエンザワクチンを接種した人で、その後感染死亡した人がいる例でもわかろうというものだ。
だからワクチン接種した後も、完全にフリーで何をしても良いとは考えずに、地域全体で感染者がゼロに近づくまでは、できる限り感染予防対策は続けたほうが良いと思う。特に手洗いの励行は習慣化してほしい。
来年の春は、普通に花見ができることを信じて、もうしばらくの辛抱である。
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