北海道は6/1に2020年国勢調査の速報値を発表した。(※国の速報値は、コロナ禍の影響で公表が遅れているが、今月中に公表予定だとされている)

それによると昨年10/1現在の道内総人口は522万8885人で、2015年の前回調査の確定値より15万2848人(2.8%)減り、減少数・減少率ともに1920年(大正9年)の調査開始以来、最大となった。

札幌周辺と一部リゾート地などで人口が増える一方、残る多くの地域で減少が続いており、僕の生活圏域でも、室蘭市は6千人以上、登別市は3千人以上の人口減である。かつて鉄の街として栄えた室蘭市の人口は82.457人となり、いよいよ8万人割れが現実のものとなりつつある。

人口減の原因は死亡数が出生数を上回る「自然減」と、就職や進学で道外に出て行く人が転入者を超過する「社会減」が同時進行していることによるものだ。

自然減とは、死亡者数が出生者数を上回っていることだから、少子高齢化の波は変っていないことになる。しかも来年から団塊の世代(1947〜49生まれの人を指す)の人たちが75歳に達することになるため、後期高齢者の数はさらに増えることになる。つまり若者の減少数の方が高齢者の減少数をはるかに上回り、働き手となる生産年齢人口はさらに減っているのである。

ところで団塊の世代が来年から75歳に達していくということは、介護サービスの利用ニーズが高い後期高齢者の数が、来年から3年間は爆発的に増えていくことを意味する。そのため通所介護などの顧客は増え、顧客確保に困らず事業拡大のチャンスが到来する地域が全国各地にたくさんできるという意味だ。しかしそこで働き手となる人材がさらに不足するという意味でもある。

後期高齢者が増え、生産年齢人口がさらに減る中で、いかに介護事業者は人材を確保できるかが事業戦略としてより重要になってくる。今もそれは重要だが、今後はさらにそれが重要になり、今は何とかなっている事業者であっても、なんとも立ち行かなくなる事業者が増えることになる。

北海道の状況から言えば、郡部はますます人手が不足するが、札幌周辺の市町村も、札幌への人材流出がさらに進み、介護人材のドーナッツ現象(札幌だけに人材が集中し、札幌周辺の市町村の人材がスカスカとなる)がさらに進むだろう。

そのような中で小規模通所介護事業者等は、一時的に団塊の世代の方のサービス利用で懐が潤う事業所が多くなるだろうが、そこで事業戦略を練り直してほしい。人がいないから人手がかかる事業規模の拡大を図る必要はない考えるのは間違った事業戦略だと気が付いてほしい。人手が足りない社会では、事業者内で人手を臨機応変に手当てできる体制がないと、職員の疲弊は激しくなるのだ。それは職員の定着率が下がって、事業が立ち行かなくなる最大のリスクだ。

事業者規模を拡大して、事業者内で職員を育成しながら、足りない事業所に臨機に手当てできる規模とシステムの構築が緊急課題だ。

事業規模の拡大は、事業収益を確保して経営リスクを減らすことにもつながる。

2024年の介護報酬改定は、診療報酬とのダブル改定でもあり、それはアフターコロナの中で、社会保障より経済優先の中で行われる改定である。当然厳しいマイナス改定も視野に入れておかねばならない。

事業規模の拡大は、提供できるサービス種別を拡大することにもつながるので、少ない事業種別で、そこが削減された場合に収益減に直結するリスクを、他のサービスで補うという可能性を高める必要不可欠な戦略だ。

社会福祉法人が、いつまでも特養と通所介護を併設した1施設・1事業所だけで経営できる時代ではなくなるのである。広域型施設を1施設しか持たずに、収益性が見込めない地域密着型特養を併設している施設は特に危ない。

そのため今後は同地域の複数の社会福祉法人が、真剣に合併統合を考えざるを得ない時代に足を踏み入れていることを忘れてはならない。

介護人材を事業所内で育て、事業者内で回して必要な場所に手当てできる規模とシステムの構築。それができるかできないかで、10年後の立ち位置がまったく違うものになるのである。

そのノウハウをしっかり手に入れて、正しい事業戦略が立てられているのかを今一度法人・事業者全体で検証し直してほしい。問題があれば、知恵は何時でもお貸しします。
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