僕が過去に何度か講演で足を運んだことがある関東の某市にある、「介護付き有料老人ホーム」について、そこに親を入所させて数カ月過ぎたという人から相談を受けた。

入所されたのは相談者の母親で、脳梗塞後遺症で重介護が必要な状態で、在宅介護の限界点に達してホーム入所に至ったとのことである。以下がその相談内容をまとめたものである。
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コロナ禍で面会禁止のために、相談者が見守りカメラを部屋(個室)に設置し、いつでも母親と会話ができるようにし、コミュニケーションを取っているので脳の刺激にはとても有効だと感じていた。ところが、カメラがあると仕事がしづらいというスタッフがいるということで、カメラに映ることが嫌な人は電源をオフにさせてもらいますとの連絡があり、実際にカメラの電源が切られていることが多くなった。

カメラは職員を監視する目的ではなく、母親とコミュニケーションを取ることや、自分で身動きのできない母親の状態を確認する目的なので、電源を切らないようにしてほしいと何度も施設長に要望しているが、遅々として改善が見られず、施設長は、家族の要望をスタッフの介護に反映させるのではなく、スタッフ側の働きやすさと、「やるべきことはやっています」、と言うスタッフの言葉を信じて弁護するスタンスである。カメラを切るスタッフの数も増えるなど不信感が募っている。

不安はさらにあって、録画された画像を見ると、入所の際説明してくれた介護内容が実施されていないようである。具体的には夜の体位交換に来ない、朝起こしてすぐ車イスに移動させ放置される、不自由な右側を下に横向きに寝させたままずっと放置される。生活リハビリも全く行われておらず、中には相談者の母親を物のように扱うスタッフがいる。
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相談内容は概ね以上である。

過去に僕は、「心の中に自らを写すカメラを持っていよう」・「隠し撮りカメラを恐れないケアづくり」などの記事を書いて、そこでは隠し撮りカメラを設置したいと家族が思うのは当然であり、それを恐れたり、そう考えることは自分たちを信用しないことだと憤るのではなく、「さもあらん」とそのような気持ちを理解しなければならないし、むしろ自分の心の中に、自分を映すカメラを自ら持って、自分の毎日の仕事ぶりを心のカメラで振り返って、誰からも後ろ指を指されないような自分を作り上げるべきだと主張している。

しかし今回相談を受けているのは、そのような隠し撮りカメラではなく、コロナ禍で家族と面会できない施設利用者がコミュニケーションを交わすためのICTである。

カメラを設置していることも、設置場所もわかっているのだから、職員側の肖像権を侵害するということにもならないと思う。

そもそも有料老人ホームの居室という利用者自身のプライベート空間に、家族が情報通信機器を設置して利用することを、施設側の事情で一方的に拒むことはとんでもないことではないだろうか。職員側が仕事しづらいなどという理由でスイッチを勝手に切ることなど許されないことと思う。

さすればカメラを拒む理由は、カメラに写ってはまずい老人ホーム側の事情があるのだと思え、それは録画確認されたように、必要な介護を行っていない状態や、不適切介護と思しき状態があるということだとしか思えない。

そう考えるとこの有料老人ホームは、極めてブラックに近いホームと言わざるを得ない。

相談者には、録画された内容に関して感じた疑問(適切な介護を行っていないのではないか)を施設長に直接確認するとともに、コミュニケーションのために個室に家族が設置するICTを、職員が勝手に触れて操作するのは不適切で、電源を切って姿を見えなくするのは人権侵害にもあたるのではないかと抗議するとともに、このような施設からは退所して、別な施設を探すことも考慮したほうが良いとアドバイスした。

家族と利用者をつなぐコミュニケーションツールがそこにあるからと言って、自分がすべき介護という仕事がやりづらいと考える人物はろくなものではない。

むしろそこにカメラが設置されていることがわかっているのだから、画面の向こうの家族に向けて、今自分が行っている介護支援の方法などを、丁寧に説明しながらサービス提供するのが、対人援助のプロとしての本来の姿ではないのだろうか・・・。

そうしたことが自然にできる対人援助のプロフェッショナルを目指してほしい。
5/24登別の散り始めた桜の絨毯
※5/23通知で早朝の登別の桜は、散り始めた木が多く、桜並木の下は至る所に桜の絨毯が敷かれています。
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