介護業界の人は真面目である。・・・というかくそ真面目過ぎる。それは誉め言葉でなくて、融通が効かないことを揶揄する言葉であることは今更言うまでもない。

科学的介護情報システム(以下LIFEと表記)への情報提出が必要とされるすべての加算に猶予期間が設けられているのに、それを利用しないで当初記述までに真面目に情報提出しようとして、GWを返上して情報入力作業を続けている人がいたりする。

国が最初の情報提出間際になって、その提出猶予をすべての加算に広げた理由は、LIFEに関する国の事務処理が間に合っていないという意味であり、全国すべての介護事業者からの情報送信が集中しては処理しきれないという意味でもあるのだから、そこも理解して何も慌てて情報提出する必要はないのである。

また提出猶予に関して言えば、4/23日発出通知で、すべての加算の4〜6月分が8/10までの猶予期間が設けられたことを受けて、当初から、「算定を開始しようとする月の5月後の月」等の猶予があった加算の猶予期間が変更されたのかと考える人もいるが、これもまじめすぎる勘違いだ。

当初示されている猶予期間を取り消すという通知がないのだから、猶予期間は理由に応じて、両方の期間を適用することができると考えるのが普通の考え方で、どっちも適用できると鷹揚に構えるべきである。

それにしてもLIFEには、あまりにも多くの不具合が頻発している。それはこのシステムを拙速に作り上げたつけではないのだろうか・・・。国はそのことを認めていないが、重大なシステムエラーが起こっていることは間違いない。

例えばシステム入力で「入れ歯を使っている」の設問に「はい」を選択しCSV出力しているのに、LIFE側で取り込んだ際に、「入れ歯を使っていない」という項目に「はい」という回答が反映されるというシステムエラーが表の掲示板で報告されている。

これなどは設問が「入れ歯を使っているか」を問うているのに、その情報反映の表示が、「入れ歯を使っていない」に表記されるというふうに、表現方法が異なっていることゆえの混乱が生じてのハグではないのか。

それに対してヘルプデスクの回答は、「介護ソフトからのデータ修正を求めてください」というもので、根本原因を理解していない、「なんちゃって対応」しかできていないのだから、LIFEのシステムの現状は機能不全と言ってよいだろう。

ヘルプデスクという思考中枢機能がこの体たらくぶりであるのだから、LIFEに集められた情報の解析機能だってたかが知れている。そんなものが科学的根拠(エビデンス)になるなんてことはないし、そこから導き出される「科学的介護」なんて信用に値するものではないことは明白だ。

そのような状況で、表の掲示板では、そのLIFE関連の質問が多くなっている。その中には報告する情報の判断基準に迷って、どうしたらよいかという質問がある。

しかし国のデータベースに情報を提出してやっている介護事業者が、細かなことで悩むなんて愚かなことである。例えば食事の摂取割合が何パーセントか間違って報告されていたとして、そこで分析されたデータが、国民に不利益を与えるのか?と考えてみてほしい。

そんなことはあり得ない。そもそもLIFEの現行のトラブルを鑑みれば、解析データの信頼性なんて、ほぼ存在しないに等しいと言える。

バーセルインデックス評価にしても、本来ADL評価は能力を判定すべきなのに、それを国の教材ビデオ等では、ADLも行っていることのみを判定基準にするかのような表現になっているからどっちにしたらよいのか迷っているという人がいる。

そんなことを迷う必要はない。それはもともとADLは能力を、IADLは実際に行っていることを評価することになっており、VISITの頃からそれは脈々と続いているルールである。今まで通りその判定基準で報告しておいて何の問題もないのである。それがまずいということになったら国は改めて通知するだろうし、LIFEに送られてくる情報の判定基準がまちまちで、データとしての価値に信頼性がおけなくなったとしても、それは介護事業者にきちんと判定方法を迷わないように明示していない国の責任であり、介護関係者がそのことに悩んで業務が滞ることは馬鹿馬鹿しいことなのである。

現時点でほとんど情報データベースとして機能していないシステムなのだから、そこに送る情報について判断が難しいものについては、あまり悩まず感覚的に正しいと思った数値を報告しておけばよいのである。

LIFEとは、自立支援介護につながるエビデンスを導き出すために、その基礎となるデータを収集し、解析するために創られたものだから、そのようないい加減さがあってよいわけがないという人がいるが、LIFEの建前を信じてどうすると言いたい。

国の本音は、LIFEに集まった情報をどう読んで、お金をかけずに済む部分を増やすのか、どの部分の人手を減らしてその分の給付を減らすのかというでしかない。そのデータ集めに協力する介護事業者の担当者が、データを送る細かい判断基準に悩んでいる姿を見ると、介護関係者ってまじめを通り越して、滑稽でさえある。

繰り返しになるが、この部分で悩んで業務が止まるなんて愚かなことである。ある意味、情報は提出してさえいればよいので、ここに完璧な正解を求める必要はないのだから、適当に報告しておればよい。

この部分を頑なに考えるのは、間が抜けているとしか言いようがない。
5/15東室蘭駅近くの八重桜並木
画像は今日午前10時頃のJR東室蘭駅近くの八重桜。この週末もブログ読者の皆様にとって、良い週末となることをお祈りしております。
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