今日も自宅の近くに咲く、「エゾヤマザクラ」の画像紹介からスタートしたい。
4/29の自宅近くの桜
桜の画像を撮影し始めた一昨日から気温が下がって、蕾のまま咲く気配がなくなった。昨日より少しだけ蕾が膨らんだような気がするが、5月にならないと花を咲かせるつもりはないのだろうか・・・。

さて世間は今日からGWということのようだが、僕は今日から連休明けのオンライン講演に向けたスライドづくりに取り組む予定だ。5月は介護事業者の職員研修として、介護技術の基礎からサービスマナー、チームケアや人材育成、そして看取り介護まで総合的にレクチャーする機会が多くなる。

今日は看取り介護の講演スライド最新版を完成させる予定である。
看取り介護講演スライド
2021年度の介護報酬改定では、施設サービス及び居住系サービスの看取りに係る加算の算定要件において、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿った取組を行うことを求めている。

その意味は、ACP(人生会議)の取り組みを介護事業者のスタンダードなサービスとすることによって、利用者が住み慣れた場所で終末期を過ごすということが当たり前になることにつなげたいとう目的に沿っている。

死者数が増加する我が国では、これから先死ぬためだけに医療機関に入院することができなくなる。

終末期という状態になるまでに住んでいた場所で、そのまま看取り介護が出来なければ、2030年には約160万人の死亡者のうち、47万人ほどが死に場所の定まらない「みとり難民」になりかねないのである。

ではいったいどれほど死者数は増えているだろうか・・・。ということで昨年の死者数を調べてみた。

2021年2月22日に厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2020年の死者数は138万4544人で前年より9373人(0.7%)減となっている。あれっ?減っているじゃないか・・・。

昨年はコロナ禍によって死者数が大幅に増えているかもしれないと思っていたら、事実はそうでなかったのである。

その原因は何かということを探るために、同省が昨年9月分まで発表している死因別の死亡数(概数)を読むと、前年同期より最も減少したのは呼吸器系疾患で約1万6千人減っていた。内訳は肺炎(新型コロナなどを除く)が約1万2千人、インフルエンザが約2千人減っていたことが分かった。

新型コロナウイルスの蔓延により、感染予防対策として手洗いが励行されるなどの影響で、季節性インフルエンザが大幅に減っていることは実感していたが、それが死者数の減少にもつながっていることがよくわかる数字だ。

それに加えて、巣ごもりによって人の移動・接触が大幅に減っていることが、肺炎の予防にもつながった可能性が高い。そういえば昨年度はノロウイルス感染症も大流行しなかった。だからと言ってこの数字が、将来の我が国の人口推計を見直すような問題にはならないと思う。

今後は団塊の世代の人たちの自然死が否応なしに増えてくるので、死者数の減少は一時的なものにとどまり、今年以降毎年その数は増加していくことになることは確実だからだ。

だからこそすべての人が住み慣れた、「暮らしの場」で安らかに終末期を過ごすことができる地域社会にする必要がある。しかそれは決して非現実的なことではなく、昭和40年代まで、日本中のすべての地域で普通に行われていた看取り方を取り戻すことに過ぎない。

住み慣れた場所で死の瞬間を迎えることは、それまでの間にこの世で縁を結んだ人々とのつながりを再確認する時間を持つことができるという意味だ。残された人々の心に残る様々なエピソードを刻む時間を持つことができるという地域社会だ。

そうすることによって誰かの大事な人の命は、残された人々の心につながり、永遠のものとなるだろう。

そうした地域社会が実現すれば、医療機関に入院していた人が、最期の時間を過ごすために住み慣れた地域の中の、「暮らしの場」に戻ってくることができる。そういう人は、最期の時間を家族と過ごしながら、通所介護で入浴したり、短い時間だけでも他者との交流を行なったりすることができるようになる。

看取り介護スキルは、施設サービス・居住系サービスに努める人だけに求められるのではなく、すべての介護関係者に求められてくるのだ。

看取り介護とは、人が最期の瞬間まで生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護である。どうかそのことを理解し、日常介護の延長線上に、ごく当たり前のこととして看取り介護があるのだということを忘れないでほしい。

介護に関連した仕事をしている人は、看取り介護スキルを磨いて、自分が担当する人の最期の時間が安らかで、人として意味がある時間となるように手を差し伸べてほしい。

すべての介護関係者が、誰かの人生の最終ステージに手を差し伸べることができるように、必要な知識をしっかり身に着けていただきたいと願う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。