今年2月に発出された介護保険最新情報Vol.924は、老人福祉法施行規則等の一部を改正する省令の公布について告知する内容だった。

この通知が発出されたことも忘れている人がいるかもしれないが、この通知は4月からの介護認定の申請や判定に関係する内容が含まれている。

以下の新規定が4月からの申請や判定において適用されることを改めて確認しておいてほしい。
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2 介護保険法施行規則(平成11 年厚生省令第36 号)の一部改正(改正省令第2条関係)
(1) 医療保険の個人単位被保険者番号の活用(第 35 条、第 37 条、第 40 条、第 42条、第49 条、第51 条、第54 条、第55 条の2及び第59 条関係)
・要介護認定申請等の申請書の記載事項に、医療保険被保険者番号等を追加すること。

(2) 要介護更新認定・要支援更新認定における有効期間の延長(第 41 条及び第 55条関係)
・認定審査会が判定した被保険者の要介護状態区分が、当該被保険者が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分と同一である場合等には、要介護更新認定における有効期間の上限を48 か月間とすること。要支援更新認定についても同様とすること。
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このように4月以降の介護認定審査委の際は、医療保険被保険者番号が必要になり、この確認のために申請時の確認書類として健康保険の被保険証の持参が必要であるとする保険者が多くなっている。被保険者証を持たないで窓口申請に出向いた場合、申請ができないというケースが数多く報告されているので、申請代行を行っている方はご注意いただきたい。

なお介護認定申請の代行ができる条件については、「申請代行について」を参照していただきたい。

登別市の認定審査委員を務めている僕にとっては、(2)についても忘れてはならない改正である。4月審査分から48カ月まで認定期間を延長する判断が求められてくるからだ。

ただし48カ月まで延長できるのは、更新申請で前回と介護度に変更がない場合のみで、かつ今後の状態の急激な変化が予測されないケースとされており、新ルールによる延長期間を表にすると下記のようになる。
要介護認定期間の延長について
なお、32分以上52分未満の状態(要支援2か要介護1)の維持・改善可能性にかかる審査判定を行った場合で、状態が不安定であるという理由で要介護1と判定したときは、概ね6カ月以内に介護の手間が増大する可能性がある状態であるため、認定期間も6カ月以内に設定するのが適当であるというルールに変更はない。

介護保険制度がスタートした2000年度は、要介護認定期間が原則6カ月で、期間延長もなかったところから始まり、延長期間は12カ月、24カ月、36カ月、48カ月と延びてきている。

また当初の延長可能ケースは、要介護4以上に限定されていたルールも現在は撤廃され、状態区分に関係なく延長できることになっている。

今後は前回認定結果と同じ結果の場合は、認定有効期間を48カ月に延長するケースが増えるだろう。

そうなると、「4年間も認定結果を更新しなくても良いのか?」・「状態像の変化に対応しない不適切な区分支給限度額につながりかねないのではないか?」などの疑問の声も挙がってこようが、それは期間延長されるたびに、いつも沸き起こってくる批判の声と同様だ。

しかし過去の認定期間延長が何か大きな問題につながったことがあるだろうか。そんなことはなかったと断言してよいのである。

そもそも認定期間なんでなくてよいというのが僕の持論である。(参照:介護認定期間の延長は是か非か ・ 要介護認定の新ルール等を受けて考えたこと

介護認定は原則申請によって行われることになっているのだから、新規申請以外は状態変化による区分変更申請を原則にすればよいだけだ。そうすれば認定審査数も大幅に減るのだから、判定にくその役にも立たない、「医師意見書」に掛かる経費や、認定調査・審査会にかける経費も削減できる。

国全体から見ると、その経費削減は大きい財源支出減につながると言えるのではないのか。

認定期間がなくなれば、認定審査の遅れによる暫定利用も大幅に減る。要介護認定結果の予測が外れて全額自己負担が生ずることを恐れて、サービスの暫定利用さえできないケースも減るのだから、有効認定期間の撤廃はデメリットを埋めて余りあるメリットが生まれるのだ。

次の報酬改定時に、認定期間の60カ月の延長案が出される前に、そのような漫才をやめて、有効認定期間の撤廃を図っていただきたいと思う。
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