僕は日ごろ、「ケアマネサポーター」を自称している。

介護保険制度の創設によって、介護支援専門員という資格や、その資格をもとにした業務が出来たことも喜んでいるし、全国の様々な場所でケアマネ専門職として活躍している人たちを尊敬している。

その中には僕が決して真似できないような、すごい仕事をしている人がいることも知っている。「達人ケアマネ」と言ってよい人は確かに存在しているのだ。

しかし一方では、ケアマネの力量を嘆く人にも出会うことが多い。

認定調査の際に自分の都合で、軽度(又は重度)誘導するような質問をするケアマネ、ケアプランに組み込むサービス事業所を自身が所属する法人のサービスに囲い込もうとするケアマネ・・・様々な不適切事例を具体的に指摘して、ケアマネジャーを疎む人も全国に存在することは事実だ。

それはケアマネジャー全体のスキルが低いという問題ではなく、個人間のスキルの差が大きいという意味だと思う。実務経験年数の壁は高くとも、実務経験の範囲を相談援助職以外に広げすぎたことと、試験自体の壁(難易度)が低いケアマネ資格は、介護保険制度という狭い領域の知識を浅く獲得しただけで取得できることから、ソーシャルワーカーとしての資質に欠けたケアマネも存在してしまうことになっている。

例えば今年度の報酬改定で市町村が、区分支給限度基準額の利用割合が高く、訪問介護が大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を点検・検証する仕組みが導入されたのも、不適切なケアマネジメントが存在するという意味である。

しかしこんな形で行政介入が厳しくなるのは、適切なケアマネジメントを行っている人にとっては迷惑でしかない。

だからこそケアマネサポーターを自称する僕は、時にケアマネに対して強い言葉でなじって奮起を促すことも多い。駄目なケアマネジャーは退場しろということさえある。

先日も表の掲示板で建てられたスレッド、退院退所加算の算定についてでもそうした言葉を投げかけている。

退院・退所加算は、カンファレンスなしでも算定できる区分があるので、「看護師と少し話しただけでも算定可能か」という問いかけに対して、「利用者に係る必要な情報の提供を受けないとならず、それがない世間話だけでは算定できない」というコメントしたが、それに対して「世間話なんて言ってません」とプチ切れしてくるケアマネジャー・・・。そもそも費用算定の質問なのだから、どんな情報のやり取りを看護師としたかを書かないで回答をもらおうとする態度もどうかしている。

ケアマネジャーは、ケアプランというツールを使って利用者に介護サービスについて説明して結び付ける人なのだから、文章と言葉で伝える能力は非常に重要だ。ネット掲示板で、上記のようなやり取りしかできない人のコミュニケーションスキルはあまりにも貧弱だ・・・。

それ以前に大切な退院支援について、加算算定できるかどうかという方向でしか考えようとしない姿勢がどうかしている。退院後のケアプランには、入院につながった病気等の予後の見込みや、その後の外来通院をはじめとした医療対応のあり方など、確認すべき情報がたくさんある。とてもではないが廊下で看護師とすれ違うついでに、少しだけ話をして情報を得られるという問題ではないのだ。

きちんとアポイントを取ったうえで時間をつくってもらって、第3者に情報が漏れない場所で適切に話し合うということが求められるのは基本中の基本ではないのか・・・。こうしたことを理解できないケアマネでは困るのである。そういうケアマネがいてはならないのだ。

下記は数年前に僕に届いた悲痛なメールの一部である。
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この10年間でいろいろな理由で担当のケアマネの方も変わり今は5人目です。中には自分の考えが絶対で、利用者の家族は文句を言うなという高圧的な方もいました。そこまでいかなくとも、母が使いたいサービスを無視して、自分が所属する法人のサービスだけをすすめる方もいましたが、とりあえず誰かに助けていただかねば暮らしが成り立たない身で、ほかにどうしたらよいのかわからなかった状態でしたから、そのケアマネに従うしかなかった時期もございます。

母の認知症はどんどん進んで、サービス担当者からはそれが私や母自身の問題のように言われ、ひどく傷ついた時期もありました。おかげさまでそんな時に、ひとりの心あるケアマネに出会うことができ、母にふさわしいサービスを提供してくれる事業者を初めて紹介していただき、それ以降あんなにぼけていた母の表情が豊かになり、今でも身の回りのことは全部介助が必要でも、日常会話はほぼできるまでになっています。あの時の母は、なんだったのでしょう?そしてあのままの担当者であったとしたら、母はその状態でずっと死ぬまで苦しい表情で生きていかねばならなかったのでしょうか。恐ろしいことだと思います。

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担当するケアマネによりスキルの違いがあって、提供されるサービスに差ができることがあっても仕方がないが、その差が不幸になるか幸福になるかの違いであっては困るのだ。

すべてのケアマネジャーの関わりが、関わる人の暮らしをより豊かなものとしなければならない。そうでなければケアマネジャーが何のために存在するのかがわからなくなってしまう。

どうか介護支援専門員という資格に誇りを持って、その使命を達成できるスキルを身に着け、担当利用者の豊かな暮らしを実現するという結果責任を負う専門職であってほしい。

その為に僕はお手伝いもするし、批判もすることになるだろう。

護るケアマネジャー・奪うケアマネジャー。あなたは一体どちらになっているだろう。そしてどちらになりたいと思っているのだろう・・・。
ケアマネジメント
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