通所サービスの報酬改定に関連して、新年度から感染症や災害の発生を理由として利用者数が減少した場合に、利用者一人あたりの経費の増加に対応するための加算や、事業所規模別の報酬区分の決定に係る特例が設けられた。

これが3%加算と規模区分の特例と言われるものである。

そのことは3/16の発出通知の詳しく内容が書かれているので、関係者の方には熟読をお願いしたいが、報酬改定講演でこの加算と特例を説明する際には必ず、3%加算は区分支給限度額管理の対象外であるが、規模区分の特例に区分支給限度額管理に関連した特例はないと伝えてている。

今日はこの二つの特例の区分支給限度額の扱いがなぜ違うかと言うことについての説明から始めたいと思う。

3%加算については、その費用を区分支給限度額管理に入れてしまえば、加算された単位も計算式に上乗せされてしまうために、それによって区分支給限度額を超えてしまい全額自己負担が生ずるなど利用者の不利益につながってしまう恐れがあるため、そうならないように特例加算費用は区分支給限度額の適用外にしたのである。

しかし規模区分算定を大規模型から通常規模型に変えて介護報酬を算定したとしても、区分支給限度額管理の計算には何の影響もないため、この部分の特別な取り扱いは必要ないのである。

なぜなら新年度からの通所サービスの区分支給限度額管理の計算は、「大規模型利用の場合でも、通常規模型の単位で計算する」という新ルールが設けられているために、規模区分の特例に該当しても・しなくとも、通常規模型で計算することに変わりがなく、利用者への影響は全くなく、不利益にもならないためである。

この区分支給限度額管理計算の新ルールは、介護保険最新情報Vol.947、「通所介護等の区分支給限度基準額に係る給付管理の取扱いについて」として通知されている。

この通知は通所サービス関係者だけではなく、給付管理の実務を行う居宅介護支援事業所の介護支援専門員も必ず確認しておかねばならない通知である。お見逃しのないようにご注意願いたい。

ここでは同一建物減算適用時等の区分支給限度基準額計算方法の適正化と、大規模型を利用する者の区分支給限度基準額の管理の特例的な取扱いが示されている。

大規模型通所サービスはスケールメリットが働いてコスパが高くなるという理由から、通常規模型より報酬単位が低く設定されている。そのため大規模型利用者と通常規模型利用者が同じ数だけ通所サービスを利用した場合に、大規模型利用者の方が区分支給限度額に達するまで余裕が生まれ、その分通所サービス利用の回数を増やすというケースがあることが問題視された。

つまり利用者ニーズに関係なく、区分支給限度額計算上の問題だけで利用回数が増減することがないようにするというのが新ルールの狙いである。

また同一建物減算適用時の区分支給限度額計算の変更は、いわゆる囲い込みを防ぐためのルール変更でもある。

サ高住等の利用者がニーズを差し置いて、区分支給限度額ギリギリまでサービス利用するケースが問題視されているが、こうしたケースではしばしば建物内にある通所介護などを利用する際に、同一建物減算を受けることによって、逆に区分支給限度額まで余裕が生まれ、そのために利用回数を増やすというケースが目についている。

このためサービス利用額が減額されても、その分を回数増で埋めるようなことをできなくするために、区分支給限度額計算の単位数は減算前の単位で行うというルールに変えたわけである。

このことはサ高住や住宅型有料老人ホーム等では、大きな痛手につながる問題と言えるのではないだろうか。

「いやいや区分支給限度額までサービス利用することに変わりはないんだから、利用回数が減っても収益は変わらないので問題ない」という考えは大間違いである。

区分支給限度額いっぱいまでサービスを利用すると言っても、新年度からそれは実際にサービス事業者に支払われる給付費の額で管理するわけではなく、架空(と言っては変かもしれないが)の給付されていない額で管理することになるわけである。

今年度と新年度の区分支給限度額に変更はなく、そのギリギリまで大規模区分の通所サービスを利用することに変わりはないとしても、実際に大規模通所サービス事業者に入ってくる収入は、区分支給限度額計算の単位とは異なる低い単位なのである。

利用者によってはこの計算式の変更によって、今までの利用回数では区分支給限度額が超えてしまって全額自己負担となってしまう人が出てくるだろう。そうした人はサービス利用を区分支給限度額内に収めるために、必然的に利用回数を今より少なくしなければならない。それは即ち、通所サービス事業者の収益減に直結する問題となるのである。

だからサ高住・住宅型有料老人ホーム等に併設されている通所サービス事業者は、併設居住系施設など以外の利用者をもっと増やさねば経営危機に陥る可能性もあると考える必要がある。

特に併設通所サービス事業所の規模区分が、「大規模型」の場合は同一建物減算と大規模型報酬の両方の単位数が、減算前の通常規模型になるので大きな減収につながりかねないことを理解して、新しい経営戦略を練り直す必要があるだろう。

何か対策しないと大規模型通所サービスは実質マイナス改定となりかねないという危機感を持って、事業経営に当たらねばならない。
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