LIFEに情報を提出する等の要件がある加算のうち、データ提出に猶予期間が設けられているのは、「科学的介護推進体制加算」・「褥瘡マネジメント加算」・「排せつ支援加算」・「栄養マネジメント加算」の4加算のみである。

通所リハのリハビリテーションマネジメント加算等、そのほかのLIFE要件がある加算を4月から算定するためには、最初のデータを5/10までに提出しなければならない。そのほか基本報酬の要件としてデータ提出義務が課せられているものも、同じく5/10までにデータ提出を行わねばならない。(参照:LIFEへの情報提出に猶予がある加算と猶予がない加算

そのため多くの介護事業者では、その準備が進められていることと思う。LIFEへの情報提出のためには専用ホームページへの登録が必要だが、その登録も終えている事業者がほとんどだろう。

登録手続きの通常のスケジュールは、毎月25日までに行われた申請に応えるはがきを翌月上旬に送付するというものである。しかし今月に限った特例として、「4月14日までに申請があれば今月末頃までにはがきを送付する」と厚労省がアナウンスしているので、まだ申請が済んでいない事業者も、それに間に合わせればギリギリ5月10日のデータ提出が可能になる。どうかお急ぎいただきたい。

登録を終えている事業者では、既に情報提出のための基本情報登録を行っているところもあるようだが、そこでは同時にシステムエラー情報が出されている。例えば、操作職員情報登録更新や利用者情報登録更新の画面で新規登録のボタンが暗転してクリックできない問題等が指摘されている。

何故エラーが出るのかをヘルプデスクに問い合わせでも、芳しい回答がされていないようだ。なんのためのヘルプデスクかと言いたくなる。

Internet Explorerなどのブラウザの一部に障害が発生するという情報もあるので、登録がうまくできない方はChromeやFirefoxなどに変えて試してみるのもひとつの手である。今のところ一番問題がないのは、旧CHASEの手順書に書かれているアプリから登録する方法だと言われている。

ところでこのブログでは何度も指摘しているが、LIFE要件は介護事業者がLIFEに情報を提出するだけでは加算要件として不十分である。

そこではフィードバックのPDCA活用が求められているわけであり、LIFEが情報を分析してまとめ、事業者に送られてきたフィードバック内容を指定された計画書などに反映し、PDCAサイクルを構築しなければならない。(参照:フィードバックって何さ?が問われるLIFE要件

LIFEへの提出情報・提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」を参照する必要があり、フィードバック活用する計画書などの新様式は、「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」の別紙様式等を参照する必要がある。(参照:LIFEへ送るデータの詳細が明らかになりました。

例えば科学的介護推進体制加算施設の場合、フィードバックのPDCA活用の具体的方法は以下の通りである。
イ .入所者の心身の状況等に係る基本的な情報に基づき、適切なサービスを提供するための施設サービス計画を作成す(Plan
ロ. サービスの提供に当たっては、施設サービス計画に基づいて、入所者の自立支援や重度化防止に資する介護を実施する(Do
ハ .LIFEへの提出情報及びフィードバック情報等も活用し、多職種が共同して、施設の特性やサービス提供の在り方について検証を行う(Check
ニ .検証結果に基づき、入所者の施設サービス計画を適切に見直し、施設全体としてサービスの質の更なる向上に努める(Action


このように科学的介護推進体制加算の施設の場合、LIFEからのフィードバックは、施設サービス計画書に反映し、求められる計画内容の見直しを行っていかなければならない。

さすれば今後の実地指導などでは、この部分のフィードバック活用が適切に行われているのかということが重点チェック項目とされることになるだろう。

それに備えて施設ケアマネは、実地指導時に検査官からこのPDCAサイクル活用の状態を尋ねられた際に、適切な回答を行う準備も進めなければならない。

今後LIFEからのフィードバックを受けて、それをどのように活用したのかを個々のケースごとにわかるような記録を残しておかねばならない。科学的介護推進体制加算については、きちんと個人個人の施設サービス計画にフィードバック活用したことがわかるような記録が必要になる。

例えばフィードバック情報によって施設サービス計画の一部を見直した記録として、「サービス担当者会議の要点」にその内容をきちんと記載しておくことが必要になる。
サービス担当者会議の要点
このことは科学的介護推進体制加算に限ったことではないので、各加算を司る部署の担当者は、LIFEからのフィードバック活用の証明となる記録が必要であることを十分理解して、その記録を取ることを忘れないでいただきたい。

フィードバック活用がされている証明がないことで、加算返還などの指導を受けることほど馬鹿げたことはないので、この点について十分注意と理解を促すべきである。
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