昨日、介護報酬の解釈通知から(案)の文字が消え、正式文書として発出されたことを受け、各事業者では担当者が加算届等に関連して、算定要件等を確認するために資料の読み込み作業を進めていることだろう。

ただし現行ではQ&Aが発出されていないので、まだ不明の部分も残されている。

例えば通所介護と通所リハビリに新設された、「入浴介護加算」については解釈通知で、『入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行う。なお、この場合の「個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境」とは、手すりなど入浴に要する福祉用具等を活用し利用者の居宅の浴室の環境を個別に模したものとして差し支えない。」とされているが、それは例えば4〜5人が同時に入浴できるような大きな浴槽であっても認められるという意味なのかは現時点で誰も正しい判断はできない。

こうした解釈は、あれこれ想像で議論するのは無駄でしかなく、Q&A発出を辛抱強く待つしかないのである。

ただし8割がた算定要件は既に解釈できると考えてよい。その部分は十分な読み込みと、正確な判断が求められるわけである。そのためには報酬告示と解釈通知を読みこむだけではだめなのだ。意外と見落とされている、「厚生労働大臣が定める基準」であるが、ここに答えがあるものも多いのである。

例えば施設関係者の間で、「算定要件の管理栄養士配置規準がわからない」という声が多く聞かれる、「栄養マネジメント強化加算」がその典型である。

この加算を説明するために介護給付費分科会に提出された資料では、「管理栄養士を常勤換算方式で入所者の数を50(施設に常勤栄養士を1人以上配置し、給食管理を行っている場合は70)で除して得た数以上配置すること」とされていたため、これをどう解釈すべきなのかという疑問の声が挙がっていた。

しかし報酬告示では、「別に厚生労働大臣が定める基準に適合するものとして都道府県知事に届け出た指定介護老人福祉施設において、入所者ごとの継続的な栄養管理を強化して実施した場合、栄養マネジメント強化加算として、1日につき所定単位数を加算する。ただし、イ及びロの注6を算定している場合は、算定しない。」としか書かれておらず、その謎は解けなかった。

そこで解釈通知が待たれていたわけであるが、その内容は以下の通りであった。

『大臣基準第 65 号の3イに規定する常勤換算方法での管理栄養士の員数の算出方法は、以下のとおりとする。なお、当該算出にあたり、調理業務の委託先において配置される栄養士及び管理栄養士の数は含むことはできないこと。また、給食管理を行う常勤の栄養士が1名以上配置されている場合は、管理栄養士が、給食管理を行う時間を栄養ケア・マネジメントに充てられることを踏まえ、当該常勤の栄養士1名に加えて、管理栄養士を常勤換算方式で、入所者の数を 70 で除して得た数以上配置していることを要件とするが、この場合における「給食管理」とは、給食の運営を管理として行う、調理管理、材料管理、施設等管理、業務管理、衛生管理及び労働衛生管理を指すものであり、これらの業務を行っている場合が該当すること。なお、この場合においても、特別な配慮を必要とする場合など、管理栄養士が給食管理を行うことを妨げるものではない。』

これを読んでも良くわからないわけである。なぜならもともとの管理栄養士の配置規定が示されていないからだ。それはどこにあるのかと言えば、それが厚生労働大臣が定める基準なのである。下記画像がその部分だ。
栄養マネジメント強化加算の要件
厚労大臣が定める基準六十五の三地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護費における栄養マネジメント強化加算の基準※こちの資料「参考2−15:厚生労働大臣が定める基準」の474頁を参照のこと。

つまり栄養マネジメント強化加算の算定に必要な配置要件とは、「管理栄養士」を常勤換算方法で入所者の数を50で除して得た数以上配置しておれば算定できるということが基本になっているのである。

しかし介護施設の栄養士配置要件は、「管理栄養士」ではなく「栄養士」であってもよいために、栄養士を1名しか配置していない施設も全国にはまだ多いのである。上に記した解釈通知・老企40号規定は、この場合の管理栄養士が常勤である場合について可能となる上乗せ配置条件を説明した文章である。つまり管理栄養士ではなく栄養士しか配置されていない場合は、その栄養士が給食管理を行っているという条件の下で、それに加えて管理栄養士を常勤換算方式で入所者の数を70 で除して得た数以上配置しておればよいという規定になっている。

例えば入所者70名の施設を例にとれば、管理栄養士を常勤換算1.4人配置しておれば配置要件はクリアするのである。

同じ利用者数で栄養士の配置しかない場合は、配置基準をクリアするためには栄養士+常勤換算1.0の管理栄養士が必要になるという意味だ。

こんなふうに報酬告示・解釈通知・厚労大臣が定める基準を一体的に読み込んで算定要件等の理解に努めていただきたい。

なお栄養マネジメント強化加算で講演等で質問が多かった、「食事の観察(週3回以上)」については、「管理栄養士が行うことを基本とし、必要に応じ、関連する職種と連携して行うこと。やむを得ない事情により、管理栄養士が実施できない場合は、介護職員等の他の職種の者が実施することも差し支えないが、観察した結果については、管理栄養士に報告すること。なお、経口維持加算を算定している場合は、当該加算算定に係る食事の観察を兼ねても差し支えない。」とされ、観察内容も示されているので、この部分の疑義はほぼ解消されたと言ってよいと思われる。

栄養マネジメント強化加算は、一人の利用者に対し毎日11単位を算定できる単位数の大きな加算と言える。それだけに算定ハードルは低くない。それにしてもこの記事で解説した通り、管理栄養士の配置基準は高いハードルだ。80人施設で利用者全員にこの加算を算定できるとしても264.000円/月の収益にしかならない。この場合栄養士しか配置していない施設であれば、別に管理栄養士を1.1人加配せねばならない。そう考えるとこの収益は人件費にもならない額ではないかと思う。

そうしたことを含めて、加算算定に向けて動くのかどうかなどの判断をしていくのが経営者や管理職の今求められている一番重要な役割である。
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