3月5日付で介護保険事務処理システム変更に係る参考資料(その5)が発出され、その中の 介護給付費請求書・明細書及びインタフェース関係資料として、資料3介護給付費請求書・明細書及び給付管理票記載例(新規資料)が示されたことで、令和3年9月30日までの感染症対策上乗せ分の請求方法が明確になった。

この資料の中で最初に目につくのは、「令和3年9月30日までは必ず当該上乗せ分の請求を行う必要がある。当該上乗せ分の請求を行わない場合、国保連合会の審査において返戻となる。」という注意書きである。

計算が面倒なので基本報酬に0.1%しか上乗せされない費用なんていらない、ということは出来ないわである。

この上乗せ費用に算定要件はなく、全事業所が基本報酬に乗算して算定するものであるが、うっかり乗算分を請求し忘れた場合は請求全額が返戻され、正しく再請求し直すまで介護給付費全部が支払われないことになってしまう。介護事業者としてはそうなると大変なことなので、乗算し忘れと乗算方法を間違わないように、しっかり上乗せ請求のルールを確認しておく必要がある。

その為には資料3に掲載されている給付管理票及び請求明細書の記載例の9パターンを読み込んでおかねばならないが、どこをどのように読み込むかを僕なりの解釈で解説しておきたい。
【図表1
上乗せ分の請求2
僕のオンライン講演を視聴してくださった方は、僕がこの乗算方法について、「おそらく1回ごとの基本報酬に乗算するのではなく、1月の合計基本単位に乗算するものと予測する」と解説していたのをご存じだろうが、その予測が間違っていなかったことがこの記載例でわかる。例示されているのは訪問介護であるが、身体介護の2つの請求コードの合計単位について乗算されているので確認いただきたい。

またここでは、0.1%の上乗せ分は限度額管理対象であるため、限度額管理対象単位数に計上する記載例も示されているので参考にしてほしい。

次の記載例は、何らかの理由で訪問介護が1回/月しかサービス提供できなかった事例である。
【図表2】
上乗せ分の請求
介護報酬の請求における端数処理の原則は、単位数は四捨五入が原則となっている。そうなると基本報酬に0.1%上乗せするに際し、500単位未満に千分の千一を掛けた場合、すべて切り捨てになって実質上乗せがなくなってしまう。そうならないようにするための特例がここで示されている。

1回しか訪問介護サービスが行われなかったため、401単位に0.001を掛けた場合、0.401となり単位が1単位を下回って切り捨てされゼロになってしまうが、その特定として乗算した数値が1単位未満となる場合は小数点以下を切り上げて算出した単位数を記載するとことを示しており、ここでは上乗せ分が1単位となっている。

これによってどんなに単価が低いサービスの提供であったとしても、月に最低10円は上乗せ額が発生することになるわけである。よって当該上乗せ分の請求を行わなくてよい事業者も存在しないということになる。

介護職員処遇改善加算については、次の記載例を見るとわかりやすい。
【図表3】
上乗せ分の請求5
ここでは訪問介護の処遇改善加算兇侶彁司法について、本体報酬を含むサービスコードと、令和3年9月30日までの上乗せ分と、訪問介護共生型サービス居宅介護1を含めて算出するため、(4,010+4-1,204)×0.1=281 単位とされている。

共生型のないサービスについては、共生型の部分を除いて考えればよいわけであるから、上乗せ乗算した後の算定単位に対して、処遇改善加算を算出すればよいことがわかる。

問題は処遇改善加算以外の加算の取扱いである。これらは上乗せ分の対象になるのか否かという点であり資料には、「本体報酬を含むサービスコードのサービス単位数に対して、+0.1%(小数点以下四捨五入。ただし、1単位未満となる場合は小数点以下切り上げ)に相当する単位数を算出」と書かれている。その意味はどう解釈したらよいのだろうか。

※ここから数行の記事は、3月10日午後1時に修正アップし、さらに3月11日午前6時30分に再修正アップしています
【図表4】
上乗せ分の請求3
ここでは居宅介護支援費の記載例が示されているが、上乗せ分を乗算するのは居宅介護支援費のイであり、例示ケースでは居宅介護支援費亨2に乗算したうえで、居宅介護支援費のイに含まれない「ターミナルケアマネジメント加算」は、乗算されない金額で算定されていることがわかる。

これに関しては介護報酬の算定構造のイメージ図の訪問介護費を注目いただきたい。当初この基本部分に並立している加算(イ〜ハまでの基本部分の右側に並んでいる加算)は乗算対象ではないかとここで書いた。
【図表5】
算定構造表2
しかしある方から、訪問介護の注には、『訪問介護費のイからハまで及び「身体介護に引き続き生活援助を行った場合について」所定単位数の千分の千一に相当する単位数を算定する』とある。つまり「身体介護に引き続き生活援助を行った場合について」以外の右にある加算等は含まないと考えられるので、算定対象となるのは「○○費のイ〜ハ」という本来の基本報酬のみが対象となるのではないかという意見をいただいた。

しかし図表1の記載例1では「身体01・2人・I」を算定している。つまり下記の費用を算定しているのだ。
・20分未満の身体介護中心(167点)
・二人の介護員等の場合(×200%)
・特定事業所加算I(×20%)
これで1回あたり算定点数は401点。これを10回分の4010点に対して0.001%の4点が上乗せがされているのだから、やはり「身体介護に引き続き生活援助を行った場合について」以外の右にある加算もすべて乗算対象という見方がある。

ということで現時点の情報だけでは正解は確定できない。15日にはQ&Aなどが出るそうなので、その後確定後正確な情報を提供したい。それまでしばしお待ちいただきたい。

請求担当者は請求対象サービスの加算が上乗せ対象となるのか、ならないのかを確認するために、「介護報酬の算定構造のイメージ」を十分確認しておく必要がある。

このように読み取ると、どうせなら記載例は、施設サービス等の各種加算が載せられたものを例示してほしかったと思うのは僕だけではあるまい。

居宅介護支援費の新しいルールに対応した記載例が次に示されている。
【図表6】
上乗せ分の請求4
看取り期における適切な居宅介護支援の提供や医療と介護の連携を推進する観点から、居宅サービス等の利用に向けて介護支援専門員が利用者の退院時等にケアマネジメント業務を行ったものの、利用者の死亡によりサービス利用に至らなかった場合に、モニタリングやサービス担当者会議における検討等必要なケアマネジメント業務や給付管理のための準備が行われた場合は、サービスが提供されたものと同等に費用算定が認められた。

この場合、実際のサービス提供はされなかったため、計画したサービスについて、「給付計画単位数」には0単位と記載して給付管理票を作成するように例示されているので、居宅介護支援事業所の請求担当者は確認しておいていただきたい。

これらの例示によって、0.1%の上乗せ請求分については、ほぼ疑問がなくなったように思われる。4月請求分から正しく請求して、返戻されないように注意していただきたい。
ここからは3/10、8:10修正追記
なお施設系サービス、短期入所系サービスの食費の基準費用額が、1.392円/日から1.445円/日に変更される件について。199回介護給付費分科会の「資料1令和3年度介護報酬改定の主な事項」の52頁に、「※令和3年8月施行」と書かれいたが、介護給付費単位数等サービスコード表(案)(令和3年4月施行版)の最終ページでは、食費の基準費用が既に新単価に変わっている件については、全国課長介護資料(介護保険計画課)4頁に置いて改めて、『令和3年度介護報酬改定において、食費の基準費用額(1,392 円/日)については、令和3年8月から 1,445 円/日(+53 円)に引き上げることとされている。』と記載されており、その実施は8月からと考えてよいようである。。

なお8月からの補足給付の見直しにより以下の3点も実施予定であることを追記しておく。
<1> 施設入所者に対する食費の助成について、現行の第3段階を、保険料の所得段階と合わせて本人年金収入等 80 万円超 120 万円以下の段階(以下「第3段階 廚箸いΑ)と本人年金収入等 120 万円超の段階(以下「第3段階◆廚箸いΑ)の2つの段階に区分するとともに、第3段階△砲弔い董第3段階△搬茖潅奮の本人支出額(介護保険三施設平均)の差額の概ね2分の1の額(月額約 2.2 万円)を本人の負担限度額に上乗せする。

<2> ショートステイの食費の助成について、<1>と同様、第3段階を2つの段階に区分するとともに、第3段階△砲弔い董◆磽院笋龍盂曚鯑Г泙┐針椰佑良蘆憾妥抒曚悗両緇茲察650 円/日)を行う。
また、食費が給付対象外となっているデイサービスとの均衡等の観点から、第3段階ゝ擇啾茖加奮についても、負担能力に配慮しながら本人の負担限度額への上乗せ(第3段階 350 円/日、第2段階:210 円/日)を行う。各所得段階の負担限度額への上乗せ額については、各所得段階の見直し後の負担限度額の段差(増加額)がほぼ均等(300 円から 400 円)となるように調整する。

<3> 食費・居住費の助成の要件となる預貯金等の基準について、所得段階に応じて設定することとし、第2段階、第3段階 第3段階△裡海弔僚蠧醒奮それぞれに基準を設定する(第2段階:650 万円、第3段階 550 万円、第3段階◆500 万円)。
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