僕は今、愛媛県の久万高原町で午前2時間・午後3時間の講演を行なっている最中だ。

昨日は夜9時過ぎに松山空港に到着した足で、そのまま松山市の繁華街である大街道のホテルに泊まった。とはいっても夜9時を過ぎて営業している店はコンビニくらいで、いつもの松山とは異なる姿になっていた。

今朝は朝一で講演事務局の方にホテルまで迎えに来てもらい、久万高原に移動して先ほど午前中のサービスマナー講演を終えたばかりだ。

昼は久万高原町で行列のできるラーメン屋さんで、醤油ラーメンと焼肉丼のセットをいただいた。
ちぐさの醤油ラーメン&焼肉丼
甘みのあるあっさり系の醤油ラーメンはとても美味しかった。もともと焼肉屋さんだけに、焼肉丼も抜群。食べ過ぎだが美味いものは仕方ない。

午後は14時より3時間、介護報酬改定の要点について解説する予定だ。受講者の入れ替えがあるため午前の講演と午後の講演の時間間隔が空いているので、このブログ記事の更新も余裕がある中で行なっている。

今回の研修は久万高原町内の介護事業者の方に限定したクローズ研修であるが、受講者の方々が所属する事業種別は様々なので、ほぼ全サービスを横断しての話になる。

その中で認知症対応型共同生活介護(GH)の改定要点にも触れることになる。

認知症対応型共同生活介護費は、今回の報酬改定で要介護1〜4までが3単位増、要介護5が4単位増である。単独ユニットと複数ユニットとも同様の単位増で、単位数の差(12単位〜14単位)は広がっていない。そのうえで3ユニットまで共同生活住居の数を拡大できるわけである。(※サテライトも認められ、それを含めると最大4ユニットのGHが経営できることになる。)

GH協会等が強く要望していた夜勤職員配置の緩和については、2ユニット以下のGHには認められなかったものの、新設される3ユニット事業所に限って夜勤体制を2名に緩和できることになっている。

さらに介護支援専門員を含めた計画担当者の配置がユニットごとに1名から、事業ごとに1名に緩和されたことにより、コストパフォーマンスは3ユニットのGHが断然高くなる、加えて緊急時短期利用も「1事業所1名まで」とされている受入人数の要件について、「1ユニット1名まで」と変更されたことで、ユニット数が多い程収益性が挙がることが見込まれる。

そのため今後は3ユニットGHの新設が進められるだろうし、今現在2ユニットで経営されているGHも1ユニット増設を目指していくことになり、3ユニットGHが主流となるのではないかと予測している。

しかし上記のうち、「3ユニット事業所に限って夜勤体制を2名に緩和できる」という点に関して言えば、その部分で収益増が図れるのかはどうも微妙である。コスパは以外と低くなりそうだからである。

なぜなら3ユニットのGHが夜勤者を2人とする場合は、所定単位数から50単位減算されるからである。

3ユニットの利用者上限は27人であるのだから、この減算が適用されると1日13.500円、月(30日)405.000円、年間4.927.500の減収となるのである。

490万円といえば、GHの介護職員の平均年収を超えた金額だと思えるので、夜勤者を一人減らして人件費がいくら下げられるのかを慎重に考えないと、夜勤者一人減配置は意味がないものになるだけではなく、減員したGHからの人員離れが進む恐れさえある。

なぜなら今現在のGHの夜勤配置は、ユニットごとに1名配置で、9名の利用者を担当するだけで良いのだからである。これがユニット数を3に増やして、2人夜勤体制をとるとなると、夜勤者は少なくとも2ユニットを横断して夜間業務を行い、担当利用者数は13人から14人に増えるのである。

夜勤手当の増額もなく、定期昇給分しか給与が上がらない状態であるとして、この夜勤業務負担に職員が黙って耐えてくれるだろうか。

夜勤業務の負担が増えるのを嫌って、1ユニットごとに夜勤配置しているGHに転職したいと考える職員がいないとも限らないのだ。

人がいないから、人材不足だからという理由で、闇雲に夜間配置人員を減らしてしまうと、今いる職員も辞めてしまって、人材・人員不足は益々深刻化するという可能性も考えながら、この部分をどうするのかという経営判断がシビアに求められてくるだろう。

経営者の腕の見せ所なのか、馬鹿丸出し・無能の証明になるのかは、その手腕にかかっているといってよいだろう。
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