報酬改定はプラス改定になったと言っても、それぞれのサービス種別を個別にみると、その内容はかなり厳しいサービスもある。特に基本報酬は実質マイナス改定となっているサービスもあり、基本報酬のアップ分だけで収益増を望むのは難しい報酬体系になっている。

例えば老健は、本体+短期入所療養介護+通所リハビリ+訪問リハビリが収益事業となっている施設が大半だろうが、その基本報酬だけ見るとかなり厳しい改定状況と言えそうだ。新しい基本報酬単位からそのことを確認してみよう。

在宅復帰型老健の従来型個室を見ると、要介護1〜4が14単位増、要介護5のみ15単位増となっている。

しかし施設サービスは、栄養マネジメント加算14単位/日と口腔衛生管理体制加算30単位/月が報酬包括されているため、現行報酬単価に15単位上乗せされて初めて同レベルということになる。よって老健の上記基本部分は実質マイナス改定である。

医療ニーズのある利用者の受け入れ促進を視野に入れて改定された、「短期入所療養介護」も厳しい。同じく在宅強化型・従来型個室でみると、要介護1が3単位減、要介護2が1単位減、要介護3は変わらず、要介護4が2単位増、要介護5が3単位増である。全体を見るとわずかなプラス改定となっているが、老健ショートの利用者像は、どう考えても軽介護者中心である。よってショートの基本報酬も減収となる老健が多いだろう。

訪問リハは1回につき15単位増となっているが、リハビリテーションマネジメント加算機230単位/月)が廃止され包括化されていることを鑑みる必要がある。それは月の訪問回数が16回以上の場合にやっとプラス改定になるという意味である。しかも予防訪問リハの12月超利用減算(5単位/回)という新ルールができているのだから、これも減収につながっていく。

通所リハの通常規模型・6−7時間をみると、要介護1は40単位増、要介護2は43単位増、要介護3は45単位増、要介護4は49単位増、要介護5は50単位増となっている。しかし通所リハもリハビリテーションマネジメント加算機330単位/月)が廃止され報酬包括されている。そうであれば利用者の月平均利用回数が8回として計算した場合、現行報酬に41単位しかプラスされていなければマイナス改定であり、42単位増以上がプラス改定である。平均利用回数がもっと下がれば、プラスされなければならない単位数もさらに上がってくることを考えると、通所リハは基本報酬部分ではほとんど上がっていないと言える。

さらに予防通所リハも12月超利用の減算(要支援1は20単位/月、要支援2は40単位/月)が新たに適用されるのだから厳しい改定内容である。

こうしてみると老健は、提供するすべてのサービスで基本部分だけでは実質減収・減益となる恐れがある。だからこそ新設加算や、従来からの加算の上位区分を算定していく必要がある。それができなければ経営困難に陥ることになりかねないのである。

そうであるからこそ、LIFE(CHASE・VSITを一体化して改称)へのデータ提出とフィードバックのPDCA活用によって算定できる新加算や上位区分加算の算定を確実に行っていく必要がある。

施設系サービス(介護療養型医療施設を除く)、通所系サービス、多機能系サービス、居住系サービスに横断的に新設された、「科学的介護推進体制加算」については、老健の場合、利用者の心身状況に加えて、疾病の状況等の情報提出を行うことで上位区分の加算供60単位/月)が算定できる。これを是非とも算定せねばならない。
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この加算のための提出情報案は上の図のように示されている。(訪問リハビリ及び通所リハビリの例)

このほか医師が入所者ごとに、自立支援のために特に必要な医学的評価を定期的に行い、それを計画反映し実施したうえで、LIFEにデータを提出しフィードバックによるPDCA活用を図る、「自立支援促進加算( 300単位/月)」は、100人施設なら年間360万円もの増収につながる加算なので、絶対に算定漏れがあってはならない加算だ。

そのほか褥瘡マネジメント加算や排せつ支援加算等は、算定要件としてLIFE要件が加えられており、今後の介護事業においては、定期的にLIFEにデータを提出し、フィードバックを受けることで、ケア計画の見直し等において活用しPDCAサイクルを推進することを行っていないと経営困難となる。これは必要不可欠な業務になってしまうのである。

問題は報告頻度である。それは今後発出される解釈通知で示されることになろうが、参考までに昨年五月に厚労省老人保健課から出された事務連絡に添付された仕様書の6ページには、「連携頻度について」という項目で、「月1回を想定」と書かれており、少なくとも「科学的介護推進体制加算」については毎月の報告を求められることが想定される。

自立支援促進加算( 300単位/月)」は3月に一度の支援計画の見直しが求められていることから、その頻度での報告が求められるのではないだろうか。排せつ支援加算や褥瘡マネジメント加算等も見直し時期の3月に1回に合わせて情報提出が求められると予想している。

では具体的に報告はどのように行えばよいのだろうかということであるが、まずはCHASEの専用webサイトに入って登録を行う必要がある。そこで得たIDとパスワードを使ってログインしたうえで、情報を送信することになる。

登録申請は毎月25日締めの翌月初めに利用案内のはがきが届くという流れである。

これがそのまま適用となると、全事業者がここに登録して利用案内が翌月に届くような事務処理が間に合うのかという疑問も生ずる。例えば3/25までに登録すれば4月初めに利用案内が送られてきて、4月中にデータを送ることができるのだろうか。そのあたりの手順がどうなるかということは、今後の通知を待たねば確定できない問題だと思う。

ちなみに同サイトへのアクセスが集中しているためか、通信エラーが出て登録できない不具合が発生しているという情報もある。このあたりの対応がどうなるのかは、国のアナウンスを待つしか手がない。

どちらにして限られた時間の中で、今回もギリギリのタイミングで処理をせねばならず、担当者は大変な処理スピードを強いられ、一時的な業務負担の大幅増は免れないところだ。しかし問題はそれだけではない・・・。しかし今日は文字数が多くなりすぎた。その問題は明日改めて指摘し、その対応を解説したいと思う。(フィードバックって何さ?が問われるLIFE要件に続く)
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