今週月曜日に新報酬単価が公表されたことで、介護事業者においては、経営・運営の両面で担当職員等がその読み込みと分析に汗を流していることだろう。

僕が管理する表の掲示板も新報酬単価と算定要件に関する話題で盛り上がっているが、しかし現時点で深読みしすぎて、現時点でどこにも書かれていない変な解釈をしている向きも見られる。算定要件の詳細を示した解釈通知が示されていない段階なので、勝手な解釈をせずに、現時点で示されていることを確実に把握するという態度に努めていただきたい。

一番はっきりしているのは算定単位である。厚生労働大臣が定める基準も参考資料として示されているので、それと見比べると算定要件も見えてくる。それ以上の要件は、解釈通知待ちということになる。

一つ言えることは18日に示された資料は、それまでの議論からつながっているものであり、これまでに議論され方向性が示されていたところから、いきなり180度転換して違う方向に変えられるということはあり得ないということである。

さて報酬単価を見ると、基本部分は平均改定率よりかなり低くなってるサービスが多い。訪問介護は1単位しか上がっていないし、特養は見かけの単位は15単位ほど上がっているが、月曜日に更新した記事で論評したように、報酬包括された加算分を考えると、従来型の基本部分は実質マイナス改定である。

そのため高騰する人件費を手当てして、次期報酬改定までの今後3年間で収益を挙げて安定した事業経営を行うためには、新設された加算や、現行加算の上位に区分された新区分加算を算定していく必要がある。

しかしコスパ計算は欠かせない。例えば通所介護の個別機能訓練加算のように、上位区分の(機縫 85単位/日を算定するためには、サービス提供時間帯通じて配置しなくても良い機能訓練指導員に加えて、サービス提供時間帯通じて専従する機能訓練指導員を配置せねばならない。すると個別機能訓練加算(機縫 56単位/日との差額29単位分は、利用者が少ない地域密着型通所介護では、人件費分を補えない恐れがある。そのため人員配置が少なくて済む下位区分報酬を算定したほうが収益は挙がるという逆転現象も起きてくるため、このあたりのコスパ検証は必要不可欠だ。

そのような中で、施設系サービス(介護療養型医療施設を除く)、通所系サービス、多機能系サービス、居住系サービスのすべてに新設された、「科学的介護推進体制加算」は、介護現場の人員配置を増やすことなく算定することのできる加算という意味で魅力があり、絶対に算定漏れがないようにしなければならない。

この加算はCHASEへのデーター提出と、そこからフィードバッグされた情報を用いてPDCAサイクルを推進することを評価した加算であり、居宅サービスが40単位/月、施設サービスは入所者・利用者ごとの心身の状況等を提出した場合は40単位/月で、心身、疾病の状況等を提出すれば60単位/月(特養は50単位/月)を算定できることになった。

また施設サービスに新設された、「自立支援促進加算 300単位/月」は、算定単位が魅力であり、これも算定漏れをしないようにしたいが、入所時と定期的な医師による医学的評価という要件とともに、CHASEへのデータ提出とフィードバックの活用が要件になっている。

そのほかにも各サービスにおける現行加算も、CHASEへのデーター提出とフィードバックの活用要件が入っており、この要件を当たり前にクリアしていくことが、今後の介護事業経営には最も必要な視点となってくる。

ところで来年度からCHASE・VISITを一体的に運用するにあたって、そのシステム名がLIFE:ライフに変更されることになった。意味はともかく、ビジット・チェースという舌を噛みそうな発音より、口にしやすくなるので活舌の悪い僕としては歓迎できる呼称変更である。

しかしこの介護データベースがいつの間にか、「科学的介護情報システム」と称されているのには閉口せざるを得ない。科学的介護と冠づけて、厚労省の誘導する方向が真のアウトカム評価なんだという洗脳が始まっているように思えてならないからだ。

なぜなら今後は、LIFEに日本全国の介護事業者から膨大な情報が集まることになるからである。それは日本の介護のあらゆる情報を網羅するビッグデータと言ってよく、日本ではそれ以上の介護データはどこにもないことになる。・・・というか、国全体のこれほどの介護データベースは、世界を見渡しても他にないのではないかと思えるほどのすごいビッグデータベースだ。

するとこのデータを分析できるのは、LIFEに集まった情報を手に取ってみることができる人だけである。その人たちがそこから読み取った数値化された科学的根拠(エビデンス)に対して、それを否定するデータ根拠は他のどこにも存在しないことになるのだ。よって今後国がデータ的な根拠があると評価したことだけが、唯一正しい評価というふうにされてしまうのだ。

おそらく今回の改定は、国が目指す科学的介護や自立支援介護のステージを1段駆け上がった改定と言えるだろう。介護事業者から国が求める情報を吸い上げ蓄積し分析する仕組みが構築されたのだ。

するとそのデータを分析し、そこからアウトカムを数値化し、2024年の報酬改定では、たくさんのアウトカム評価加算が新設されることになるだろう。

例えば今回施設サービスの褥瘡マネジメント加算や、排泄支援加算に状態改善等(アウトカム)を新たに評価する加算が加えられたが、それに類似した加算評価が数多く加えられるのが2024年報酬改定であり、今回のLIFET情報の収集・活用とPDCAサイクルの推進は、その準備段階と言ってよいだろう。

アウトカム評価が求められるということは、単なる体制加算や実施加算は、2024年以降加算単位が下がっていくことを意味していることも理解しなければならず、今後3年間はそのことに備えた覚悟の3年間となる。
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