通所サービス(通所介護・通所リハビリ)に新設される入浴介助加算の上位区分については、「通所介護に厳しく、通所リハに優しい新入浴加算」という記事の中で、訪問アセスメントを行う職種がセラピストに限定されると、通所介護での算定は厳しいと解説した。

しかしその後この訪問職種に、「介護支援専門員と介護福祉士」が加えられたことで、多くの通所介護事業所では、訪問アセスメントの要件をクリアすることは容易になったと言え、上位区分算定に向けて準備を進めていることと思う。

なぜなら上位区分兇諒鷭恵渦舛禄樵芦短擦茲5単位高55単位となるが(通所リハビリは60単位)、従前からの入浴介助加算気話渦舛10単位下がり40単位とされている。これには上位区分の算定を促す意味と、その財源を担保するという意味があるが、入浴支援はほとんど毎回、すべての利用者に行うサービスであり、その算定単位が10単位下がるのは大きな収益減である。

そうしないためにも上位区分を算定したいと考えている通所サービス事業所は多いだろうから、多くの通所介護事業所には、セラピストや介護支援専門員が配置されていないのだから、この職種追加はありがたいことである。

ところで訪問アセスメントができる職種に介護福祉士が加えられているのは、通所リハも同様だろうかという疑問が生じてきた。

というのも、「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」という資料の25頁には、通所介護について訪問アセスメントができる職種として介護福祉士が掲載されており、欄外に〈※通所リハビリテーションも同様の改定〉と書いてある。しかし同じ資料の中にある、「厚生労働大臣が定める基準」には410頁に通所介護の基準、422頁に通所リハの基準が書かれているが、その内容は下記のように異なっており、通所リハビリの訪問アセスメントができる職種には、介護福祉士が掲載されていない。
厚生労働大臣が定める基準
これは法令規定であり、25頁の説明資料より上位の規定になる。ここであえて厚労大臣の定める規定の文言を変えている意味は、通所リハにはセラピストが必ず配置されているので、訪問アセスメントはそれらの職種に限定し、より専門的アセスメントを求めていることで、通所介護より算定単位を5単位高くしているのではないかという疑問が生じてくる。(※24頁の通所リハビリテーションも同様の改定という意味も、同じように入浴介助加算の上位区分を追加するという意味にしか過ぎず、要件は別に厚労大臣が定める規定で示した内容であるという意味かもしれない。)

どちらにしても今後の解釈通知やQ&Aを見ないと最終判断できない問題である。しかし通所リハビリ関係者の方は、通リハの訪問アセスメントは介護福祉士が除外されることを念頭に、セラピスト等の訪問を想定しておいた方が良いだろう。

ところで入浴介助加算の上位区分の算定要件は、次のように示されている。

〔算定要件〕
<入浴介助加算(供法笄入浴介助加算(機砲聾醜圓瞭浴介助加算と同様
・入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有して行われる入浴介助であること。
・医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員等(以下「医師等」という。)が利用者の居宅を訪問し、浴室での利用者の動作及び浴室の環境を評価していること。この際、利用者の居宅の浴室が、利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合は、訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行うこと。
・利用者の居宅を訪問した医師等と連携の下で、利用者の身体の状況や訪問により把握した利用者の居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。
・入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うこと

色を変えて示した、「個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行う」という要件が問題である。個浴はまさにユニットバス程度の大きさの浴槽で、一人で入る大きさしかない浴槽ということだろう。「その他の利用者の居宅の状況に近い環境」については、解釈通知かQ&A迄解釈を待たねばならない問題だと思うが、少なくとも複数人数が同時に入るような大きな浴槽は該当しないと思われる。

そうすると浴槽設備を改修しないと、上位区分を算定できない事業所も出てくるだろう。この場合は、設備改修費を上位区分算定によってどれだけの期間でペイできるのかという計算が必要になるだろう。

さらにケアの方法も問題となってくる。集団的対応は当然認められないと思えるからだ。少なくとも浴室内では、一人の介護職員が複数の利用者対応を行いながら、この上位加算を算定することは認められないと思われ、マンツウマンで浴室支援が行われることを想定して対応していかねばならない。

またリフト浴等の機械浴は、「その他の利用者の居宅の状況に近い環境」には認められないだろうから、この上位加算の算定除外となると思われる。

介護度が重たい人に対する重介護の対価が、介護度の低い人の対価より低くなることに矛盾を感じる人も多いのだろうが、今回の新区分は介護労働の対価ではなく、国が求めるアウトカムに向かっての取り組みに対する評価なので、国としてはそれは矛盾ではないと理屈づけしているのだと思う。

そもそも利用者は、この上位区分要件を喜ばしく感じるのかという問題がある。通所介護利用者は特に、通所介護の利用中に、家庭にはない大きな浴室でゆっくりくつろいで入浴をしたいという希望を持っている方も多く、ずっと自分に介助者がつきっきりになるのを煩わしく感じる人も多い。もっと遠くから見守って、うっとおしいく付きまとうなと考える人にとっては、この上位区分加算は、「余計なお世話加算」でしかない。

そうであれば事業所都合や、事業所判断のみで算定区分を決定するのではなく、利用者の希望をきちんと確認したうえで、サービス担当者会議で、担当ケアマネにもそのニーズを確認する作業も必要だろう。

このように考えると入浴介助加算兇了残螢蓮璽疋襪楼導姐發、必ずしも利用者ニーズにマッチした要件とも言えない。その上位区分算定をあえてしないという判断もあって当然だ。この場合は10単位減の部分を他の加算で補うことを積極的に考えればよい。

例えば現在の貨幣価値を無視したごみのような加算単位だった、「ADL維持等加算」は、算定ハードルが下がったうえで、その単位が10倍となった。特に加算兇蓮ADL利得2以上というハードルが設けられてはいるが、60単位/月となり決して無視できる単位数ではなくなっているので、積極的にこれを算定して、入浴介助加算の算定収入減を少しでも補えばよいのではないだろうか。

加算は利用者負担が伴うものであり、より高い加算の算定のためには利用者への説明責任が生ずるし、その同意が必要だという原則をくれぐれも忘れないようにしてほしいものだ。
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