昨日の記事から続く)
看取り介護計画書と、通常の施設サービス計画書の作成方法に違いがあるわけではない。

しかし昨日指摘したように、人生会議というプロセスの中で確認された、「利用者もしくは家族の人生最終段階における医療やケアに対する希望」については、第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」に正確に反映されなければならない。

本人の意思を反映させることは勿論、意思確認ができなかった場合は推定意思をチーム全体で導き出して反映させる必要がある。さらに家族は何を望んでいるのかなどを明確にすることで、看取り介護に関わるチームメンバー全員が、その意志に沿った寄り添い方を意識して関わることができるようになるだろう。だからこそ計画作成者は看取り介護対象者の、「思い」が伝わる文章を綴ることに心がけてほしい。

そうであるがゆえに、計画書に綴る文章は、文例などのデフォルトに頼るのではなく、計画作成者自身の言葉として表現してほしい。そのためには自分が考えたことを文章にできる能力を向上させる日ごろの訓練も必要だ。(参照:求められる文章力を得る手段

第1表にはそのほかに、「総合的な援助の方針」を記載する必要がある。総合的方針なのだから、チームとしてどのようなケアを行おうとするのかという道筋を明確にしておく必要があり、少なくとも次の3点を記載しておきたい。
1.医師が医学的知見から終末期と判断したという事実とその内容
2.余命診断の結果
3.看取り介護対象者の人生の最終ステージを支援するために求められること(繰り返し行ってきた人生会議で確認された内容など)


本来ここにはアセスメント情報を書く必要はない。例えば利用者が脳卒中後遺症の右片麻痺であるなどとは書く必要はないが、看取り介護計画書に限って言えばこの限りではない。看取り介護対象者がどういう状況で回復不能な終末期という診断に至ったのかをチームメンバー全員に知らしめることによって、意思統一を図ることが期待できる。今私たちが行おうとしていることとは、対象者の人生の最終ステージに寄り添うことであり、ゴールは対象者の死の場面なのだから、それまでに残される人との様々なエピソードづくりを支援しようという覚悟を生む効果も期待できる。だからこそ1と2は確実に記載しておきたい情報である。

逆に言えば、1と2が不明確である計画書になっていた時は、本当にその人が看取り介護・ターミナルケアの対象者であると、医師が医学的知見によって診断しているのかという疑いを持たざるを得ない。

本当に対象者の人生の終末期の介護計画であるのかといった、「あいまいさ」が残されていると、チーム全体の意思統一にも支障を来すので、このことは明確にさせておく必要があるという意味で、終末期判定と余命診断は、総合的援助方針の中に記載しておきたいものである。

そのことは出鱈目な終末期判定を防ぎ、看取り介護と称する偽ものを何年もだらだらと続けるという弊害も防ぐ効果も期待できる。(※過去には医師による終末期判定なしに、経管栄養となった人は、一律看取り介護であるとしているひどい施設もあった。)
看取り計画書記載例
これは、僕が総合施設長を務めていた特養で作成された実際の計画書である。文章表現にはさらなる工夫の余地はあるが、第1表として必要な内容は概ね書かれていると思う。

一番の問題は、計画は実行できてこそ意味があるということだ。美文に踊らされて内容が伴わない計画書ほど意味のないものはない。きちんと実行・実現できる内容にしていただきたいことも、併せて指摘しておく。

なお看取り介護計画書の第2表に入れておきたい内容については、次の9点を挙げておく。もちろんこれは例示に過ぎず、それ以外にも必要なことはケースごとに加わってくるだろう。
1.安心のための説明・声かけ
2.安楽のための環境どくり・対応方法(体位交換など)
3.清潔支援・口腔ケアの方法・入浴支援
4.食事支援→食べられなくなっても味わうことは可能であることにも配慮したい。
5.排泄支援→羞恥心と自尊心を失わないために求められる方法論
6.心身活性化→活動参加は看取り介護中でも不可能ではない→安楽姿勢で活動参加
7.睡眠支援
8.医師の関わり→体調変化についての随時説明等
9.家族・親族・知人・職員等との関係を途切れさせないための支援計画


億の看取り介護講演では、この第2表についても記載例を示して説明することが多い。

今月19日から来月12日までの間に、3回に分けて計360分の看取り介護講演をオンライン配信する予定になっているが(京都地域包括ケア推進機構、一般社団法人京都府老人福祉施設協議会、 一般社団法人京都市老人福祉施設協議会共催・施設看取り介護導入研修 機法△修海任2021年度介護報酬改定によって、看取りに関して新たに求められる要件等を解説するとともに、それらに対応した計画作成の方法にも触れる予定である。

本講演を受講予定の方は、そちらで大いに学んでいただきたい。オンラインなので質問もしやすいと思うので、忌憚ない意見をいただくことも期待しています。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。