21年度介護報酬改定の柱の一つ、「制度の安定性・持続可能性の確保」の中では、評価の適正化・重点化策として、サ高住に関する指導強化が図られている。

具体的には、サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供を確保する観点から、事業所指定の際の条件付け(利用者の一定割合以上を併設集合住宅以外の利用者とする等)や家賃・ケアプランの確認などを通じて、自治体による更なる指導の徹底を図るとしている。

このことに関連して政府は2021年度から、高齢者住宅に対するさらなる監視強化の方針を固め、全施設に入居・退去者数や退去理由などの公開を義務付けるほか、自社の介護サービスのみを過剰に使わせるために家賃を安く抑える可能性が高い施設を補助金の対象から外す方向で検討している。

対象から外されるのは、1戸あたり90万〜180万円の整備費補助や、固定資産税の減額などである。

こうした一連の規制強化の理由は、サ高住の突然の廃業などで高齢者が住まいを失うケースが相次いでいるためだ。

現在全国でサ高住の数は、7735施設となっているそうだ。(※2020年11月現在)。そこで暮らす高齢者数は約26万人とされている。

相変わらず待機者が多い特養の入所要件が、原則要介護3以上とされたために、ますます行き場所が見つからない要介護者などが増加することを見越して、「高齢者住まい法」に位置付けられたサ高住は、国がたくさんの補助金を支出して、全国にその数を増やす政策をとったこともあって、参入業者が爆発的に増えてきた。

その中には、「儲け」しか考えず、サービスの質という概念もなく、事業計画もずさんで、安易に、「高齢者の数が増えるから、入居者確保には困らない」として事業参入してきた業者も多い。しかし実際には、家賃収入だけでは借入金を返還しながら収益を挙げることは難しく、自社で外部サービス部門をつくって、そのサービスをサ高住の入居者に張り付けることで、収益を挙げようとする事業者が多くなり、家賃収入を下げてでも、訪問介護等の自社サービスへの、「囲い込み」を強力に進めようとする事業者が増えてきている。

囲い込みに応じない利用者を排除する利用契約を結んでいる事業者もあることは、僕が管理人を務める表の掲示板でも再三問題提起されてきた。

ここにメスを入れたいといううのが、今般の国の規制強化策である。

このことは良質な事業者が残っていくためには必要な策であると評価してよいと思う。特に補助金や減税が必要ないという事業者はいないだろうから、この対策は介護事業の運営基準改正より実効性が挙がると思われる。

しかし問題は、「自社の介護サービスのみを過剰に使わせるために家賃を安く抑える可能性が高い施設」をどう選別できるのかということだ。

サ高住を経営する事業者が、囲い込みを高らかに宣言するケースはそう多くはない。本音はともかく、建前としては利用者の選択を尊重すると喧伝しながら利用者を集めているケースが多いのだ。

そうなると申請段階で、国が問題視する規制対象事業者であるとは認定できずに、すり抜けて補助金を得たり、減税対象になってしまう事業者も少なくはないだろうと思われる。

そうであればこの規制には一段の強化策がセットで求められてくる。事業開始後であっても、囲い込みの状況を市町村が確認するシステムを強化する必要があるし、利用者やその家族、担当ケアマネなどがサ高住の過度な囲い込みや、法令違反の契約内容について、行政に訴えられる窓口をつくり、そのことを広くアナウンスする必要がある。

それとともに不適切運営が明らかになた後に、補助金や減税分の返還を求めることができる法令等の整備も必要不可欠ではないのだろうか。

規制強化策には、全施設の入居・退去者数や退去理由などの情報公開が含まれているが、これをもって利用者が上手に選択せよというのは、過度な希望である。

そうした情報によって施設の良否が判断できないのは、介護サービス情報の公表制度でも証明されていることであって、大きな期待は寄せないほうが良い。

それよりも有効な情報は、サ高住の周辺地域の、サ高住の事業者主体以外の事業者に所属する、居宅介護支援事業所が持つ情報だと思う。

自分が住む地域の、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーの本音を集めてみたら、どのサ高住が安心して住み続けられ、どのサ高住は選択しない方がよいのかということがわかるのではないだろうか。
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