先週末までに、介護報酬改定に関連して決定された情報が続々と示されている。

通所介護に口腔機能のスクリーニングの実施を評価する新たな加算を創設することが決まった。この加算の取り組みについては、既存の「栄養スクリーニング加算」とセットで実施するよう求めていくようだ。

算定率が低いADL維持等加算については、要件を緩和したうえで、特養と特定施設に同加算を新設することになっている。

通所介護と通所リハの入浴介助加算については、医師やリハ職、ケアマネらが利用者宅を訪ねて浴室環境をチェックしたうえで、自宅で入浴が可能となる個別入浴計画を作成することを要件とした上位区分を新設することになっているが、新設加算の算定を促すために、従前の入浴介助加算については算定単位を現行より引き下げることも決定された。

介護施設の排せつ支援加算については、全ての入所者に対して定期的な評価(スクリーニング)の実施を求める要件が追加されたうえで、入所者全員に対する排せつ支援の取組(プロセス)への評価に加え、排せつ状態の改善(アウトカム)について評価を行う新たな区分を設けることになった。

各種サービスに向けられているサービス提供強化加算については、介護福祉士割合がより高い事業者を評価する上位区分を設けたうえで、従前の加算要件の勤続3年以上の職員が30%以上を、勤続7年以上の職員が30%以上に引き上げることも決定した。

12/10にアップした、「CHASEへのデータ提出に関する報酬評価の整理」で指摘した通り、CHASEへのデータ提出に対する新たな加算も創設されるほか、従前からの加算についての要件も複雑化することになっている。

これだけを見ても加算は増え続け、報酬体系はより複雑化することが見て取れる。

今回の介護報酬改定の論点の一つとして、報酬体系の簡素化が挙げられ、加算の廃止や基本報酬への組み込みなどが検討されてたが、廃止されるのは介護職員処遇改善加算の下位2区分や(看護)小規模多機能型居宅介護事業所連携加算などに限られ、報酬包括されるものも訪問リハと通所リハのリハビリテーションマネジメント加算気覆匹錣困でしかない。

新たな加算の創設にあたっては、介護サービスの充実の観点に加えて、報酬体系の簡素化の視点も踏まえて検討を行ってはどうかという論点は、いつの間にか忘れ去られてしまったようである。

結果的に加算は現行よりかなりの数増えることになる。しかも算定要件もより複雑になる。

そのほかにも様々なルール変更・ルール新設によって、介護報酬は複雑怪奇となっていく。利用者がこの内容をすべて把握・理解するのは不可能だろう。

例えば訪問介護の2時間ルールについて、「看取り期の利用者に2時間未満の間隔で訪問介護が行われた場合、それぞれの所定単位数の算定を可能とする」というルールが新設されることになった。

このことについてネット報道等では、現行ルールが「前回のサービス提供から概ね2時間未満の間隔でサービスを提供した場合、2回分の報酬を算定するのではなく、それぞれのサービスの所要時間を合算して報酬を算定する決まり。」とアナウンスしているところがあるが、正確に言えばそれは間違った報道である。

現行の訪問介護でも、身体介護0(20分未満)については、一定の利用者要件と事業者要件をクリアしている場合には、前回訪問と概ね2時間の間隔をあけなくとも、訪問ごとのそれぞれの所定単位数が算定可能なのである。(参照:20分未満の身体介護の変更について

来年4月以降の看取り期の訪問介護については、この身体介護0の2時間ルール適用除外と同じくなるというのが情報としては正確だろう。

どちらにしても訪問介護の2時間ルールだけでも、このように複雑なのである。これらのルールは、適用される事業者の職員は必ず理解しておかねばならないし、居宅サービス計画を作成する居宅介護支援事業所の介護支援専門員も必ず理解しておかねばならないことであるが、これだけ制度が複雑化すると、その理解もなかなか難しくなってくる。常に通知文とにらめっこしておかねばならないだろう。

しかしこんなにも複雑化した報酬体系が、本当に利用者のためになっているのだろうか。甚だ疑問である。

この複雑な報酬改定に加えて、様々な新たな義務が課せられる基準改正も行われるのだから、介護事業者はその理解に四苦八苦である。

ところで介護保険最新情報Vol896は、介護事業の運営基準見直しについてパブリックコメントを募集していることを告知している。

基準改正の中には、居宅介護支援の意味不明の福祉系サービス割合の利用者説明や、資格のない介護職員への認知症介護基礎研修の受講義務、感染症や災害への対応力の強化を図る見直し等が含まれているが、ここに意見を寄せたからと言って、そのことが改正に影響することはない。

それはアリバイ作りでしかなく、反対意見は完璧に無視され・黙殺されて終わりである。

何の意味もないのがパブリックコメント募集であると言えるが、それを理解しながら、少しでも国に意見を拾ってもらおうと、せっせとそこに意見を挙げる努力をしている人には心より敬意を称したい。

残念ながら僕は、その取り組みは徒労に終わることを思い知ったので、パブコメに意見を挙げることはない・・・。
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