立ち食いそば店、「名代富士そば」の店舗運営会社の一部が、正社員が残業をしていないように見せかける勤務記録の改ざんを長年続けていたことが明らかになり、11/13までに社員らが、過去2年分の未払い額計約2億5千万円の支払いを求める労働審判を東京地裁に申し立てたことが報道されている。
その状態はまさに労働者から搾取するブラック企業の典型例であるが、しかし介護事業者でも同じような不正が行われている実態が明らかになった。
この報道がネット上に流れた翌日の11/14(土)、残業代の未払いで悩む人から、表の掲示板に相談のスレッドが立てられている。(参照:人員不足によるサービス残業)
そこで書かれている内容は、ブラックとしてもあまりに腹黒すぎる内容で、人が足りないのに対策もとらず、介護人員不足は介護の場の問題だから管理職には関係ないとして、その対策も介護職自身で立てるべきであると問題を丸投げされているというのである。
その結果、サービス残業が常態化しているにもかかわらず、それも介護職員の責任だから残業代は支払わないというのである。
まったくこの施設の管理職は、管理職の役割をなんと心得ているのだろうか?
介護職員が集まらない原因をしっかり検証して、募集の仕方を工夫するとともに、介護職員が定着するように働きやすい職場環境を整えるのが、管理職の一番重要な役割である。
そうした労務管理をせずして、管理職として他にどんな責任や役割を担おうというのだろうか。勘違いも甚だしい。
しかも労働基準法等の労働法規を全く無視していることは大きな問題である。残業代の未払という不法行為を続け、それが問題にならないと思っている方がどうかしている。このような不法行為が明らかになれば、世間から大きな批判を招き、経営危機に直面せざるを得ない。そんな簡単な理屈を何故理解できないのだろう。
しかしこうした職場風土を許しておく従業員の姿勢も問題視されてよいと思う。会社側・管理職からの理不尽な要求には毅然と対応し、抗議すべきは抗議し、できないものはできないとはっきり言うべきである。そのためには、最低限の労働法規を知っておく努力も求められる。
リンクを貼りつけたスレッドのNo.6でコメントしている人のように、上司に対しても労働法規違反はきちんと警告して、それを無視するのなら出るところで出ようという態度で臨むべきである。
しかしこうした労働法規違反を繰り返す事業者や、従業員を護ろうとせず搾取するだけの事業者は決して少なくない。
紹介したスレッドが立てられた翌日の15日(日)には、「余裕がある人員配置」という別スレッドが立てられ、ここでは休みなく7連休を強要されている問題が指摘されている。
介護職が担っている仕事は重労働だ。身体も精神も疲労度の高い仕事だ。その仕事を1週間休みなく続けさせるということは、労働法規云々という以前に、介護職員の健康を無視した虐待と同じ行為とさえいえる。
介護サービス事業者は、介護保険制度が創設された2000年以降に、それまでの倍の数以上に増えている。その中には資本金が少なくても経営できる小規模事業者が多い。そういう事業を立ち上げた人の中には、経営者としての資質に欠け、労働法規を護る前にその内容を知らないという人さえいる。
そんなことも相まって、2012年の介護保険制度改正では、労基法違反を行う事業者に対して都道府県が介護保険法による処分を行える規定が組み込まれ、悪質な労働基準法違反に対しては、「指定取り消し」ができるようになっている。(参照:労基法違反は指定取り消しも。)
このような改正が行われたのには、介護事業者の労働法規違反が目立つからだという恥ずべき背景要因があったわけである。
しかしこうした改正が行われた後も、労働法規違反を繰り返しながら、そのことが表面化しないことで高をくくっている事業者がなくならない。労働者の心身の健康を二の次に考えて、搾取的な経営をしている事業者の数はさほど減っていないように思える。
だからこそ介護事業者に勤める従業員の皆様にも、最低限の労働法規を知るとともに、それを守ろうとせず、従業員も護ろうとしない事業者からは、さっさと身を引いてきちんとした経営をしている事業者に移りなさいと言いたい。
その為に、このブログではお勧めできる転職サイトのリンクを貼っている。それは劣悪な組織運営の介護事業者をたくさん知っており、そうしたところは劇的に良い事業者に変わることもないことも知っているからだ。だからこそ従業員自身が自らを護るための、「転職」は必要だと思うのである。
現に転職してから見違えるように生き生きと働いている人たちもいるのだ。(参照:置かれた場所で咲きなさい、というけれど・・・。)
職員を守ろうとせず搾取を繰り返す事業者は、利用者のケアの品質にも無頓着だろう。そのような事業者が、人の暮らしに寄り添うサービスができるわけがない。
しかしそのようなところであっても利用者がいるのだから、自分が辞めたらその人たちに迷惑が掛かるので辞められないと考える人もいるだろう。
しかし長期的・大局的に考えると、そのようなブラック事業者は、人手を確保できずに事業ができなくなった方が良いのである。利用者も従業員も、劣悪な環境の中に置かれ続けなければならないより、そういう問題が表面化することによって、ブラック事業者が事業を続けられなくなるというスパイラルの中で、クリーンでまっとうな経営を続ける介護事業者が生き残っていくことができる介護業界になっていく方が健全だ。
それが世のため人のためになると思う。
ブラック事業者で我慢して働き続けることは、不法行為や不健全な運営に、自分も手を貸しているという意味にしかならない。
だからこそ、無料で正しい情報を提供してくれて、専任のキャリアアドバイザーと相談しながら職場選びができ、就職後も無料でフォローアップしてくれる転職サイトを選ぶことも大事なことだと思う。
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