世の中で起きるあらゆる事象がスマホによって動画撮影され、ネット上で「さらしもの」となる危険性があるのが現代社会である。

あらさがしの結果でしかないような誰かの行為がネットにさらされて、ネット住人達にそれが一たび不適切と烙印づけされれば、たちまち糾弾対象となり犯人探しが始まる。

そこではプライバシーも個人情報も、何もかもが無視され、糾弾される者の姿かたちが無遠慮にネット上にさらされ、個人名が特定されていく。それに対して匿名の無数の糾弾者が、批評家気取りで様々な批判を繰り返す。

普段は市井(しせい)の人でしかなく、評論とは無縁の一般人が、ネットの中では正義の斧を振り飾す批評家に変わり、悪を滅ぼすのは自分の言葉であり、自分が書く文章こそが正義・正論であるかの如く、自分が逢ったこともない誰かに罵詈雑言を浴びせ続ける。

そうしたエセ批評家・ニセ評論家連中は、自分は決して傷つくことがない場所で、姿と名前を隠しながら、ネット上にさらされた見ず知らずの誰かを、悪の権化と決めつけて、さらし者にして罰を与え続ける。

しかしそうした行為は、世の中を良くしようとして行われている行為ではない。世を正しく導くために、正論を繰り返すのではなく、ネット住人たちの、『娯楽』として、ターゲットとなった見知らぬ誰かを、みんなで狙い撃ちにしていたぶり愉しんでいるだけである。それは低俗な虐めでしかない。

しかし事が低俗で悪質なだけに、そうした行為で心を殺される人がいる。

ネット上にさらされた自分の行為を、悪意を持って行っていなかった人は、その行為が批判されて初めて重大な間違いを犯したのだと気が付き、それを反省したとしても、後悔も反省も顧みられず、娯楽を楽しもエセ批評家自身が、飽きるまで糾弾されるづけることになるのだ。

介護サービスの場で、マナーに欠けた対応を直せない人たちは、こうしたネット上の娯楽のターゲットになる危険性が高いことを自覚してほしい。

僕のサービスマネー講演でいつも話すことではあるが、タメ口はしばしば荒い言葉遣いと見まごう場面をつくり出すのである。

医療や介護以外の他の職業では、顧客に対してタメ口で接することはあり得ない。そうであるからこそ介護サービス従事者が、顧客である利用者に対して言葉遣いに配慮のない会話を繰り返している姿は、第3者から見れば異様に映ることも多く、若い職員が高齢者を罵倒していると感じさせる場合もある。

現在はコロナ禍で、介護施設や居宅サービス事業者には、従業員と利用者しか存在しない密室状態になっているかもしれない。しかし通常の姿に戻れば、介護事業者にはサービス提供中に、顧客以外に面会の人や、外部の業者が出入りするのが普通だ。職員が利用者と接する姿を、外部の第3者が目にすることが普通になっていくはずだ。

その時に、無礼で馴れ馴れしいタメ口で利用者に接している従業員の姿を不快に感じて、その場面を切り取ってスマホに録画した動画を録画した直後に、#ひでえ口の利き方#態度最悪の介護職員などとハッシュタグをつけてSNSにアップされたとき、「あれは親しみやすい言葉として使っているだけで、関係性ができているから問題ない」という言い訳が世間に通用すると思っているのだろうか。

そんな言い訳は通用せず、その姿自体がネット住民の娯楽のための攻撃対象になってしまうのである。

介護事業においても、サービスマナーを身に着けて顧客である利用者に接するという意味は、利用者の心を護るためだけではなく、そうしたネット上の攻撃から自分自身を護るためにも必要になっているのだということを自覚してほしいと思う。

マナーのない態度で利用者の心を殺した罰が、ネット上の見知らぬ多数のエセ批評家による攻撃で傷を負う結果であるということであってはならないわけだ。そんな罰を与えても、傷つけられた利用者の心は癒されないのだから、そのことを踏まえたうえで、利用者の心も、自らの心も護るために、介護サービスに従事するすべての人が、サービスマナーの必要性に気が付いて、介護が本当の意味で、『人の役に立つ仕事』・『人の暮らしを護る仕事』となるようにすべきなのである。

罰してもとりもどすことができないものを、なくさないように護ることが介護の使命なのだから・・・。
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