ネット上には様々な情報があふれている。それを誰もが無料で手に入れることができる時代と社会になっている。

しかしネット上にあふれる情報の中には価値のない情報や、むしろ有害でさえある情報もあふれている。コロナ禍の最中にも、フェイクニュースによって被害が拡大した事例もある。(参照:次亜塩素酸水による空間除菌の必要性

介護事業経営者はこの厳しい時代を乗り切るために、必要でかつ正確な情報の取得する力も、経営能力の重要な要素だと考えていかねばならない。情報は取りに行くもので、座して入ってくるものではないし、最新で正確な情報を得るために使うお金とエネルギーは無駄ではないと考えねばならない。

今どき、単なる情報確保にお金をかけるのは無駄だと考える前時代的な経営者や管理者は、表舞台から降りていかねばならなくなるのである。

コロナ禍は、そのような情報の窓口を一時的に閉ざす問題でもあった。コロナ禍であるからこそ、それに対応するための国の通知文等が毎日のように発出され、その対応に追われた介護事業者では、コロナ関連以外の情報に対する目をふさぎ、耳を閉ざす姿勢が無きにしもあらずであった。コロナ関連以外の情報を仕入れたり、分析したりする余裕がなかった事業者も多かったのだろう・・・。

例えばコロナ禍と同時並行的に進められた介護報酬改定議論は、一応目を通して確認している関係者が多かったが、6月に介護保険制度改正関連法案が成立したことを知らずに、「補足給付の変更はいつ決まるのですか?」という質問が表の掲示板に書き込まれたりした。法案提出の段階では、何が決まっていたかを何となく理解していたが、審議・可決までに間があったことから、理解していた部分もうる覚えになってしまっている人もいた。

そんな諸々の事情が絡み合って、制度改正法案が成立したのは知っていたけれど、今回の審議で何が見送られ、何が決定したのかという正確な情報を持っている人は意外と少なかった。

それは感染予防対策から、集団となる集合研修の機会が奪われ、情報獲得手段が個人の能力に委ねられる結果となったことが一番の原因だろう。現在のようにオンライン研修もまだ十分に行われていない時期に、素早く正しい情報を手に入れることができなかった人は考えられている以上に多かったのかもしれない。

このブログで何度も指摘しているように、制度改正と報酬改定は、団塊の世代が全て65歳以上の高齢者となる2015年問題と、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年問題の手当てを終え、来年度の制度改正と報酬改定からは、団塊の世代がすべて90歳以上となり減少していく中で、団塊ジュニア世代がすべて65歳以上となる2040年問題を見据えた視点へと移っているのだ。

それは時間的余裕があることをも意味しており、改革に対する国民の反発や抵抗感ををより少なくするために、変更は時間を掛けてゆっくり行うことを視野に入れている。そのため今回の改正法案では、将来必ず実現されるであろう被保険者範囲・受給者範囲の拡大や、「現役並み所得」と「一定以上所得」の判断基準の変更など、重要な課題はすべて先送りされている。

だからといって今回の制度改正がプチ改正であったかと言えば決してそのようなことはなく、低所得者も高額所得者も、両方の層が痛みを負う大きな改正が行われている。

補足給付の改正では、前回導入されたばかりの金融資産要件が引き下げられ、給付対象とならない預金額が単身で1.000万円超から、新設された第3段階△任500万円超と、一気に1/2の金額に引き下げられているのだ。金融資産要件を新設する際には、それに該当する層が少なくて済むように高いハードルを掲げながら、一旦ルールとして金融資産要件が存在するようになった途端に、ハードルは簡単に下げられていくのである。

しかも第3段階△乏催する所得が120万円超155万円以下の対象者については、食費の給付がなくなり、月22.000円もの自己負担増になる。この負担はショートステイ利用者にも適用されるのだから、施設利用者だけの負担増ではない。この負担ができずに施設を退所せざるを得ない人や、ショートの利用回数を減らす人も出てくるのではないだろうか。それだけ大きな改革である。

高額所得者にも大きな負担増が強いられている。高額サービス費の上限が44.400円/月〜年収約1.160万円以上の人は140.100円に、年収770万円〜1.160万円未満の人は93.000円/月まで引き上げられている。

前回の改正で2割負担から3割負担になった人であっても、高額サービス費の適用により、自己負担が増加しなかった人も多い。しかしこの改正でそれらの人は大幅負担増となる。いくら現役並みの高額所得者であっても、いきなり月の負担が96.600円も増えるのは、大きな痛みと言えるのではないだろうか。

このような法案が国会を通って成立したことや、その実施時期がいつになるのかということを、施設の担当者や居宅サービス計画担当者は利用者に伝えているのだろうか。このような大事な情報を、きちんと手に入れて対策を練っているのだろうか。

こうした情報を手にする時期に、早すぎる時期というものは存在せず、正確な情報の獲得は早ければ早いほど対策を急ぐことができるので、好ましいわけである。

どちらにしてもこうした情報を手にすると、国のハードル下げは急に大幅に行われることが理解でき、「現役並み所得」と「一定以上所得」の判断基準の変更とは、その負担層を拡大するだけではなく、真の目的は1割負担をなくして、スタンダードを2割負担とすることだということも理解できるはずである。

こうした分析情報も含めて、正しい情報を手に入れるための研修機会を失ったままの業界であってはならない。適切な時期に、オンラインも併用した密にならない研修機会を確保しなければならないし、今の時期は、法人・事業者単独でも、正しい情報を仕入れるための講演機会などを設ける必要がある。

今日16:30〜僕は、福岡県太宰府の介護事業者の職員研修のための講演を、北海道登別市の自宅から配信する予定になっている。

実はこの講演は、4月に大宰府に出かけて実施する予定になっていたものであるが、国が最初に発令した緊急事態宣言地域に福岡県が含まれていたため、その時期の実施をいったん見送ったものである。

今回Zoomでのオンライン講演が普及してきたこともあり、約半年ぶりに当初企画していたテーマ、「人を語らずして介護を語るな〜介護従事者に求められるサービスマナー意識」で話をさせていただくことができるようになった。

コロナ禍が終息していないこの時期に、事業所内での研修機会をきちんと設け、将来に備えた職員のスキルアップを図る事業者に未来は輝いていくのだろう。そうした事業者には、自然と良い人材も集まってくるだろう。

最新の正しい情報を得ることと、たゆまない職員の成長を図る努力が無駄になることは決してないのである。
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