僕が<福祉・介護部門>の講師を務める、内田洋行主催 UCHIDA ビジネス IT オンラインセミナーは好評のうちに2回目の配信を終えた。視聴者数も150名を超えており、3回目はさらに増える予定だ。
来週火曜日(10/6)が第3回目のオンライン講演となるが、その際は生配信となりチャット形式でリアルタイムに質疑応答ができるので、引き続き視聴願いたい。文字に張り付いたリンク先に申し込めば、今からでも無料で視聴可能となるので、お気軽にお申し込みただきたい。
第3回目のテーマは第2回に引き続いて、「人材育成」となっているが、今回は実際に介護の場で技術指導をする介護リーダーや、一般職員向けの育成講座だ。間違いだらけのOJTをいかに正して、人が成長し定着する育成法に変えられるかを具体論として話す予定である。是非楽しみにしていただきたい。
このオンライン講演は、11月の第4回目、「介護事業のサービスマナー」を持って一旦終了することになっているが、好評を博して視聴者数も増えていることから、続編が予定されている。
来年1月と2月に、介護報酬改定について解説するオンライン講演も行う予定になっている。12月中に改定率が公表され、1月中に諮問・答申が行われて、各サービス種別別の報酬単価も出揃うことになるが、それを見越して1月と2月に配信をする予定にしている。そちらも是非期待してほしい。
さて今月16日に配信した講演は、8月の第1回配信の際に録画したものだったため、質疑応答ができなかった。そのため視聴者の皆様から視聴後のアンケートをとらせていただき、コメントや質問をいただいている。
オンライン講演No2(2020.9.16 配信)〈第 2 回〉介護施設における人材育成のポイントは?に寄せられた受講者アンケートの結果はこちらをご覧いただきたい。
ここで質問された内容について、この場を借りて答えさせていただきたいと思う。
No4のご意見として、『「キツイ仕事」「60 歳の自分の仕事姿を想像できない」と中年の退職がありました。』と書かれている。
介護の仕事は肉体的にも精神的にもきつい仕事で、シフト勤務もあり、年を取るごとに厳しくなるのはその通りであるが、そのように考える人にこそ、当日の講演スライドで示した、「レベル指標」を活用して、介護の仕事を続け、スキルアップしていく先に、それぞれの希望に応じたゴールや、違う働き方にたどり着けることを示すことで、考え方も少し変わるのではないだろうか。
さらに4回目の講演で、サービスマナーについて話す予定になっているが、親しみと馴れ馴れしさを勘違いした素人レベルのサービスから脱して、介護のプロとして関わることで生まれる新たな介護の可能性や、プロの仕事の結果を感じる喜びを伝える予定なので、そちらも参考にしていただきたい。
No40のご意見として、『新人職員が現場に入る前の座学に対しては、非常に理解できますし、そうあるべきと思っています。しかしながら人がいない状況で、座学の講師に人がとられることで、現場が回らないところもあるかとおもいます。なにか良い方法などあればアドバイスお願いします。』と質問されている。
ここが一番の肝である。座学による基礎学習の重要性は理解できるが、人がいないから時間がとれないという事業経営者は非常に多い。しかしこれはもう、「覚悟」の問題と言って過言ではない。
そのような言い訳で座学による基礎学習をおざなりにしている結果、介護技術を覚えて安心して働くことができるかどうかは、個人や指導者の能力差によって左右され、安定した教育効果があらわれず、結果的に人材が定着せず、いつも人が足りず、いつも人を募集し続ける結果に陥る。
そんな介護事業者が多いからこそ、基礎学習を座学でしっかり行うことができ、一定期間介護実務に携わらずに基礎を学ぶ帰途ができるということが他事業所との、「差別化」にもなるのだ。
第1回配信の、「人材確保」がテーマの講演で話したように、現在の我が国の状況では、外国人労働者や実習生をいくら採用しても、全介護事業者の人材・人員が充足することはあり得ず、人材確保でも、「勝ち組」・「負け組」に分かれざるを得ないわけである。
だからこそ、「人材確保」の「勝ち組」になるためにも、育成システムを整え、それを売りにして職員を集め、実効性のある教育を行うことで職員が定着するのだということを肝に銘じ、人が少なくつたい時期でも、いきなり新人を就業初日から介護の場に放り出すような特攻介護をやめて、きちんとした教育期間を定めて訓練してからOJTにつなげる覚悟が求められるのだ。
人がいないから教育が十分にできないという言い訳をやめて、人がいないからこそ、その状況の改善を図るために、今は歯を食いしばって、人がいない中でも新人はじっくり育てるのだという覚悟がないと何も改善しない。しかし一たび、その覚悟を持って教育・訓練を充実させた先には、必ず明るい未来があると信じて取り組みを始めてほしい。
事実、新入職職員の基礎座学を1月以上かけて行っている社会福祉法人があり、そこには入職希望者が途絶えないという例もあるのだ。この人材不足の折に、入職希望者が待機している法人が存在し、その法人の最大の売りは、安心して働くことができる知識や技術を、「介護未経験者」であっても、新人教育の期間で身に着けることができるということなのである。
基礎座学〜正しいOJTは、職員採用に応募が増え、採用した職員が定着するためには必須のアイテムであることを理解してほしい。
そして「座学の講師に人がとられる」という問題については、この部分は外部の教育の専門家に任せれば解決する問題である。基礎座学はお金をかけても良いのである。そのことで職員のスキルアップが図れ、定着率が高まるのなら、採用にかける費用も減らせるので、死に金にはならないからだ。
例えば、 Indeed等の求人支援サイトにお金をかけて登録して、多少の応募が増えたとしても、応募した職員が定着せず短期間で辞めて、結局職員の巡回速度が高まっただけで、人材不足が解消していないという事業者は多い。それよりも、良い人材が就職したくなって、定着できる職場づくりを目指すべきだ。
その為に大事な基礎学習であるからこそ、実効性を高めるために外部の専門家により指導教育をしてもらうという考え方は必要だ。実務経験が豊富で講師業を専門にしている人であれば、実務に即した専門知識を与えてくれるので、教育効果も高まる。内部の職員で任せられる内容と、外部講師に委任する部分をしっかり区分してプログラムを組むことも、大事な要素ではないだろうか。
サービスマナーや、介護実践家としての使命や看取り介護等に関することなら、僕に依頼してもらっても大丈夫だ。どちらにしても、基礎学習に使うお金は投資として必要不可欠なお金だと考えて、きちんとお金をかけて良いシステムを作るべきである。
さて来週火曜日:19時〜の3回目の配信講演では、正しいOJT指導でについて話をする予定である。
「わからないことがあったら何でも質問してください」という指導法が、いかに駄目かを明らかにするので、ぜひお楽しみにしてほしい。
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