暦の上での4連休3日目。登別は秋の涼しい風が吹く行楽日和が続いているが、皆さんの地域はいかがだろうか。家でゆっくりしている人は僕の食生活を綴った肩の凝らないブログ、「masaの血と骨と肉」を御覧になって、ランキングへの投票にもご協力くださればありがたい。

また「masaの徒然草」も今朝更新して、「介護事業者に通常装備が求められるフェイスシールドとマウスシールド」という記事を書いているので参考にしてほしい。

さて本題に移ろう。

利用者の自立支援・重度化防止の推進が議題となった14日の第185回社会保障審議会・介護給付費分科会(資料はこちら)では、複数の委員から報酬改定の度に新しい加算がつくられ、どんどん複雑化していく報酬体系に疑問と批判の声が挙がった。

もっともな指摘だと思う。

これに対し厚労省側は、「創設時の発想と現場の状況に乖離があり、なかなか思うような効果をあげていない加算があるのも事実」と説明したうえで、「それぞれの加算の趣旨自体は大事なものだと思う。それを活かせるように改善できるものはしていきたい。どうしても現場に合わない、という加算があれば当然見直していく」と答えた。

しかし次の報酬改定の大きなテーマの一つは、「自立支援介護の構築」というものである。その具体的方法として自立支援に結び付く結果を加算評価するという考え方があるもの事実だ。そのことと14日の答弁の整合性をどうとっていくのかを今後注目していかなければならない。

僕の個人的意見として言えば、算定率7割以上の加算は、要件を運営基準に組み込んで、加算単位は基本報酬に包括化すれば良いのだ。そのうえで算定率が5割以下の加算は、すべて廃止等の見直し対象とし、加算率が1割を切っている加算は、意味がないものとして自動廃止すればよいのである。これはさほど乱暴な意見とは言えないと思う。

ところで自立支援介護につながるアウトカム評価報酬として、前回の報酬改定で通所介護に試験的に導入された、「ADL維持等加算」は、算定率が2.38%と低いまま経過している。まさにこの加算は、僕が自動廃止対象として良いと指摘している算定率が1割を切る加算となっているわけだ。(※そもそも全国の介護事業所のわずか2%程度しか算定していない加算に意味があるとも思えず、評価対象としてもあまりにもデータが少なすぎる。)

それは算定要件がどうのこうのというより、算定単位の問題が大きい。(※ADL維持等加算の関連記事はこちら

この加算は一人月1回しか算定できないのに、単価が高い兇任發錣困6単位、つまり一人60円である。地域密着型通所介護だと月の利用者実人員は多くても50人程度だと考えられるので、全員に算定しても3.000円/月にしかならない。

この金額は、現在の貨幣価値を無視した馬鹿にした金額としか思えない。このように事業者の収支率にほとんど意味がない低い単位の加算のために、掛けなければならない手間は多く、担当職員の業務負担は大きい。

よってそんな手間をかけてまで加算算定する必要がないと考える事業所が多いのはやむを得ないことに思う。

国に覚えがめでたくない、「短時間リハビリ特化型デイサービス」は、この加算が算定できないように、「五時間以上の通所介護費の算定回数が五時間未満の通所介護費の算定回数を上回る者に限る」という条件を付けられて、いじめられているが、この単位なら算定の必要がないので、「全然ダメージはありません」とうそぶいていることだろう。

しかしこの加算がなくなったり、算定要件が抜本的に見直されるような空気感もなく、算定要件が微調整されてそのまま継続していく可能性が高い。そうであれば実験的意味合いから単位数が低かったのだろうから、その意味合いもなくなるということで、単位数は上げてもらわねばどうしようもない。利用ごとに算定できる加算ではなく、月1回しか算定できない加算なのだから、単位を10倍にされても高いとは思えないのではないだろうか。

関連としては、7/20の介護給付費分科会で通所介護の論点が示されているが、その内容は以下の通りある。
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今後も高齢化の進展による需要の増大や、現役世代の減少に伴う担い手不足が見込まれることを踏まえ、
・ 都市部や中山間地域等のいかんにかかわらずサービスを受けることができるようにする観点
・ 人材の有効活用や業務効率化を図る観点
・ 質の高いサービスを提供する観点
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これらは各サービスを通じて指摘されている総論的論点と同じで、通所介護固有の論点とは思えない。自立支援介護の評価も論点に入っていない。ということは来春の報酬改定では、通所介護に大きな変更はなく、前述した「ADL維持等加算」がどうなるのかということが一番の注目点に思える。

一方、通所リハビリの論点には、「通所介護との役割分担」・「医師の関与、自立支援の効果的な取組を更に促進」・「自立支援等を更に進めるため、プロセスや、ADLに基づくものも含めたアウトカムによる評価の取組」・「基礎となる計画書等の整合や在り方」という言葉が躍っている。

つまり医師のリハビリテーションの処方を、きちんとリハビリテーション実施計画に反映して、それに基づいた医学的リハビリテーションを提供し、その実施の結果を出しているかどうかというアウトカム評価を取り入れた報酬体系に変えて、通所介護との差別化を図らねばならないという課題を示しているのである。

また9/4の資料などには、自立支援のアウトカム評価については、CHASEという介護データベースの活用が資料に大きく取り上げられ、そこに通所リハビリや訪問リハビリの情報をつなげるVISITというシステムとともに、今後その活用が促されていることに注目しなければならない。

お金をかけてせっかく作ったデータベースに、データが集まって評価に結び付かないと、そんなものになぜ金をかけるのだと批判され、その責任をとらねばならなくなる恐れがある。そのため通所リハと訪問リハには、ビックデータの収集と報告という義務が課せられる可能性が高くなってくるのだ。

このように来春の報酬改定では、通所介護の大きな変更はなく、むしろ通所リハビリに大きな変更が加えられる可能性が高い。リハビリテーション実施計画書の書式も変更される可能性が高くなっており、老健・通所リハ・訪問リハの関係者は、その点に注目しておく必要があるのではないだろうか。

通所介護については、「事実だけを伝える報道には、「真実」が存在しないこともある」で指摘したように、軽度の要介護者を市町村の総合事業に誘導する動きを勧めている最中なので、今週通所リハで導入する報酬体系の結果を見ながら、2024年の診療報酬とのダブル改定時に、軽度者の介護給付からの除外を含めた大幅な見直しがされていくのではないだろうか。

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