今年3月、福岡市の僕の顧問先の会社が入っているビルの隣にオフィスを構える、「株式会社ウェルモ」を訪問し、同社が開発中のケアプランAIについて教えていただいた。

そのことは、『ケアプラン作成支援AIに期待を寄せる理由』という記事を3/17に書いて報告させていただいたが、いよいよ同社のケアプランAIが、今年の秋にも提供が開始されるそうである。

そのことはケアマネジャーにとって歓迎すべきことであり、同社の開発スタッフには、心より祝福とねぎらいと感謝の言葉を贈りたい。

3月の記事にも書いたが、同社の開発しているケアプランAIとは、ケアプラン作成ソフトではなく、ケアプランを作成するケアマネを支援するソフトであり、ケアマネジャーに「代わる」AIではなく、ケアマネジャーを「支える」AIである。(※是非リンクを貼りつけた3月の記事内容を確認いただきたい

同社のケアプランAIを使うことで、主にケアプランの第2表の作成に対応したサブスクリプションのクラウドサービスが利用できるそうである。

このようにAIが作成支援するのは、居宅サービス計画書の2表が基本となるが、単に第2表を素早く埋めるだけでなく、AIの提案の根拠や参考文献、他ケースの事例集などをあわせて確認できる点が大きな特徴となっている。

そのことによってソフトを活用するケアマネジャーは、自分に欠けている知見を補いながら仕事を進めていくことが可能となる。これはケアマネがカバーすべき領域の幅広さを考慮した機能だそうであるとのことで、そのことによって日々の業務負担だけでなく、継続的な情報収集や学習の負担も軽減できる設計となっているそうだ。

そうであればケアプランAIを利用してケアプランを作成するケアマネは、日々のケアプラン作成業務の中で、「学び」の機会を得られるわけである。ただしその効果は、学び取ろうとするかどうかという姿勢にもかかってくる。学び取る気持ちのない人は、単にケアプランAIの提案を都度受け入れて、取捨選択して終わりとなるだろうから、学びも成長も期待できなくなるので注意が必要だ。

ケアプランの内容については、AIに蓄積された過去のデータも活かして提案されることになるが、最終的にそれを選択するのはケアプラン作成支援を受けるケアマネジャー自身なのだから、このケアプランAIを使った人のケアプランが全部同じになるわけではない。

ケアプランAIの提案に、自分の気が付かなかった視点を見出すことで、ケアマネの気づきの幅は大きくなるので、このことはポジティブに考えられて良い。自分が知識豊富だと思っている人にとっても、それ以外に必要な知識を与えてくれるかもしれない。そもそも知識とは人類が短い歴史の中で知り得た、ささやかな情報に過ぎず、自分が持つ知識などそのごく一部に過ぎないと考えるべきで、AIがそれを補ってくれることは、大きな武器になり得るのである。

特に現役のケアマネジャーの中には、文章力に欠ける人が少なからず存在する。ケアプランの一番大事な機能は、『多職種協働のための共通言語』という機能なのだから、利用者とその家族やチームメンバーの誰しもがケアプランを読んで、その内容を理解できるように、「伝わる文章」を書く必要がある。

そのこともAIが示してくれるかもしれない。

何より忙しすぎるケアマネ業務の一部が自動化されて、少しでも業務負担の軽減に結び付くならば、それはケアマネジメントの質の向上にもつながる可能性につながっていくものであり、歓迎されるべきことである。(参照:AIによるケアプラン作成を否定する人は、何を恐れているのだろうか。

実用化後に改善点が見つかることもあるだろう。成長していくのがAIなのだから、今後大いに期待を寄せよう。

ただし現時点では、まだ月額料金は公表されていないのでご了承いただきたい。

どちらにしてもウェルモのケアプランAIの提供開始情報は朗報だ。開発スタッフには、この場でおめでとう・ありがとうと言っておこう。

欲を言えば僕自身がこのケアプランAIを使って、実際のケースのケアプランを作成してみたいと思うのである。ああ腕が鳴る・・・。
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