昨日更新した記事、「竹内理論実践施設職員の悲痛な声」を読んだ方からメールが届いた。

その主な内容とは、「このような職員の悲痛な声がなぜ施設長に届いていないのでしょう?」という疑問である。

例えば昨日紹介した声以外にも、竹内理論を一度でも実践した経験のある人からは様々なコメントが寄せられている。

文字リンクも参照していただきたいが、そのほかにも無理やり水分摂取させる方法として、「密室の中で、スプーン2本を使って無理やり口を抉じ開けていました。その結果その方の舌は血豆だらけになっていました。」という声や、「座位がまともにとれない方であっても、ポータブルトイレへ極力誘導させられ、無理やり座らされており、その時に利用者の苦痛にゆがんだ表情は無視されている。」・「歩くことを奨励すると言っても、そのやり方は、片麻痺・拘縮のある方を3人、4人がかりで歩行器で引きずったりしている。しかもそれは家族には決して見せようとしない。」という声がある。

こうしたたくさんの不適切行為の実態が寄せられているにもかかわらず、なぜ竹内理論実践施設では、施設長がその声を無視して、こうした虐待とも言ってよい行為を続けているんだろうという疑問は当然湧いてくるだろう。

おそらくこうした悲痛な声は施設長に届いていないか、届いていても実践力が低い一部職員の不満の声としか認識されておらず、無視されているのだろうと思う。

もともと竹内理論を全国に広めたのは全国老施協という組織である。その組織で権力を持っていた方(故人)が竹内氏と親しく、その理論を信奉していたため、「介護力向上講習」というものを主催してその理論を広めていたのである。

そのため初期の実践施設は、各都道府県の老施協役員がトップを務めていた施設であり、その理論が優れているかどうかに関係なく、理論実践を広めるために講習会に自分の施設職員を参加させ、その理論を持ち帰って実行することを命じていたという経緯がある。そのため実践方法などの細かな部分は現場任せで、とりあえず結果を出すことが求められており、それに逆らう術はなかったのが実態だろう。

しかも実践施設のトップは、職能団体の役員としての仕事が忙しく、施設にいる時間があまりない中で、理論実践の方法をチェックすることなく、結果だけの報告を受けて、おむつがゼロになったということだけに満足していた人も多かった。(※しかしおむつゼロといっても、それは日中だけで、紙パッと屁の排泄はおむつゼロの範囲とされ、トイレ排せつも長時間便器に座ったまま放置されている人もいる中でのゼロである。)

要するに現場を見て実態をチェックする施設長がいない施設か、実態を知っても、利用者の暮らしの質への考えが及ばず、おむつゼロという看板を掲げることができればよいと考える施設長のいる施設で、こうした悲惨な対応が行われているわけである。

昨日も書いたが、つまるところは対人援助のスキルのない人がトップを務めている施設が、こうした人権無視の方法を行っているのだ。それらの人たちは本来、介護業界には居てはならない人間なのである。

当然こうした施設では、利用者に食事以外に最低1500mlもの大量の水分を摂取させているので、急性低ナトリウム血症とか心不全とかで亡くなってしまう人もいるのではないだろうか。

しかしそうした施設の所属医師にも、こうした大量の水分補給が行われているという情報が送られていない場合もあり(そもそもまともな医師なら、そんな水分補給は駄目だと禁ずるはずだ)、ましてや救急搬送される医療機関の医師が、そんな馬鹿げた水分強制摂取がされているとは思いもしないから、そうした病状の人が送られてきても、その原因が多量の水分摂取が原因とは気が付かず、一般的な病状悪化としてしか処理されていないのだろう。悲惨なことである。

ところで現在、全国老施協は介護力向上講習を行っていない。わずかに県老施協単位で行っているところがあるのみだ。その過ちを悟ったのかどうかはわからないが、竹内理論の推奨・推進を止めているわけである。

それは何故かということを深く考えていただきたい。

人の痛みに気づかないか無視するかして、いつまでも竹内理論の実践に固執する施設の職員は、自分の矜持を失わないために、早々と転職先を考えたほうが良い。
理想の条件がみつかる介護職専門の転職サイト・ケアジョブはこちら

※4/4〜新しいブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。


※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。