感染拡大防止に関連して、通所サービス事業所がサービス利用ができない利用者に対して、利用日に電話による安否確認を行った場合に報酬算定できる通知が出されたことと、そのルールについて、「通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例〜」・「通所介護と通所リハのコロナウイルス対応特例通知はなぜ発出日がずれたのか」という二つの記事を書いて解説したところだ。
この二つ目の記事の中で、『第6報の問2と第7報の問3はともに「休業の要請を受けていない場合においても、感染拡大防止の観点から、利用者等の意向を確認した上で行う電話による安否確認」とされているだけなので、事業所が休業しているという条件が書かれていない。すると通常営業しながら、新型コロナウイルス対策で休まれている方に電話による対応も可能という解釈が成り立つかもしれないので、ここは保険者等に確認した方がよいのではないだろうか』と指摘したところだ。
しかしその後いくつかの市町村の情報を確認したところ、「営業しながら利用者が自主的に感染予防の為に休まれた場合は、電話で安否確認しても報酬算定出来ない」としている地域がほとんどだ。というか通所サービス事業所が営業を続けながら、感染予防対策として休んでいる人がいた場合に、その方に電話で安否確認して(第6報)のルールを適用して介護報酬を算定することが出来るとしている地域は今のところ確認できていない。
残念ながら電話での安否確認による報酬算定は、休業中の通所サービス事業所に限った特例であると考えたほうが良いようだ。それも致し方ないと思う。なぜなら営業中の通所サービス事業所の利用予定者が、サービス利用予定日に休む理由は様々であり、感染予防を念頭に休んでいるのか、体調不良で休んでいるのか、はたまた個人の用件で休んでいるのかは、自己申告に任せるしかないわけで、確実にその理由を確認する手立てがないわけだから、要件該当を確認できない中での報酬算定は難しいと言わざるを得ないからだ。
ところで通所サービスの特例報酬については、安否確認の報酬算定ができる前の特例は、2/24の『新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて(第2報) 』で通知され、そこでは休業となった事業所と異なる場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した場合や、居宅で生活している利用者に対して利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、居宅を訪問しサービスを提供した場合について報酬算定できることが示されていた。
それに加えてだ6報では、電話による安否確認のみで報酬算定できることが示されたわけであるが、この通知は4/7に発出されている。
すると第2報と第6報の通知の間には1月以上のタイムラグが生じているわけである。
そのため安否確認による報酬算定が可能であるとされる前には、実際に利用者宅で短時間でもサービス提供していた通所介護事業所が、6報通知が発出された後に、利用者に対して一方的な連絡を行うのみで、ケアマネジャーと対応変更の可否を話し合うこともなく、訪問をやめて安否確認に切り替えて報酬を算定するケースがみられている。
そのことに関して担当ケアマネジャーからは、それは本当に利用者のためになっているのかという疑問の声も挙げられているケースもある。それはもっともな疑問である。
少なくともこうした変更については、通所サービス事業者から計画担当ケアマネジャーに、対応変更をしたい旨を事前連絡するとともに、利用者に対して十分な説明をしていただきたい。
多職種協働の精神はこういう時こそ必要だ。
特に私たちが一番考えなければならないことは、介護サービス利用者の生活がどうなるのかということなのだから、利用者中心の視点を忘れることなく、そのために関係者が制約のある不便な環境の中でも何ができるのかを考える必要がある。
感染予防対策がいつまで必要かという目途は全く立てられないが、終わりのない始まりはないし、感染予防対策が終わった後も利用者支援は続くのだから、今こそ多職種連携・協働の強化を図りながら、地域包括ケアシステムの実効性を高めていただきたい。
理想の介護事業者をお探しの方は、こちらに無料登録ください。
※4/4〜新しいブログ「masaの徒然草」を始めました。こちらも是非ご覧ください。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの最新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
※TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
※キャラアニのサイトからも送料無料になります。
※医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
※アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。
これは保険者によって異なるとすればそれは非常に不公平ですね。
masa
が
しました