4月10日付で発出された、「介護保険最新情報のVol.816」は、「新型コロナウイルス感染症に係る 介護サービス事業所の人員基準等の 臨時的な取扱いについて(第8報) 」とされており、問1では、通所サービスの感染予防対応で、サービス内奥が変わった場合の居宅サービス計画の変更について、特例ルールを示している。
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問1. 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、通所介護事業所において訪問サービスの提供等を行った場合、居宅介護支援の業務や居宅サービス計画の変更については、どのような取扱いが可能か。
(答) 通所介護事業所が新型コロナウイルス感染症対策として、当該事業所の利用者に対して、当初の計画に位置付けられたサービス提供ではなく、時間を短縮しての通所サービスの提供や、訪問によるサービスの提供を行う場合、事前に利用者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。 また、これらの変更を行った場合には、居宅サービス計画(標準様式第2表、 第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。 なお、同意については、最終的には文書による必要があるが、サービス提供前に説明を行い、同意を得ていれば、文書はサービス提供後に得ることでよい。
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通所サービス事業については、地域によって事業者に対して営業自粛を呼び掛けたり、利用者に対して利用自粛を呼び掛けたりしているほか、事業者独自の判断で営業を自粛しているケースも増えている。

その対応策として国は、休業となった事業所と異なる場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した場合に、通常提供しているサービス提供時間等に応じ介護報酬を算定できるとしている。

また通所利用を自粛して居宅で生活している利用者に対して、利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、居宅を訪問し個別サービス計画の内容を踏まえ、できる限りのサービスを提供した場合については、提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分を算定できるとしたうえで、サービス提供時間が短時間の場合には、(通所介護であれば2時間未満、通所リハであれば1時間未満)の場合は、それぞれのサービスの最短時間の報酬区分(通 所介護であれば2時間以上3時間未満、通所リハであれば1時間以上2時間未満 の報酬区分)で算定するとしている。(2/24 新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて(第2報)

さらに電話で安否確認するだけで、報酬算定ができるルールも特例化した。(参照:通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例〜

こうした特例対応のサービス内容変更については、サービス担当者会議を行わなくてよいとしたのが今回の通知である。ただしその前提はあくまで事前の利用者同意が必要とされているので、その記録は忘れないでいただきたい。

また居宅サービス計画書の第2表、第3表、第5表は書き換えが必要だが、その変更については「サービス提供後でも問題ない」とされているし、変更同意も事前に意思確認を行て、文書による同意については事後で構わないとされているので、急がず慌てずゆっくりと、しかしサービス事業所とケアマネの連絡は密にするということを基本にしていただきたい。

現在この特例以外で、サービス担当者会議を開催せずに居宅サービス計画の変更をできるのは、著しい状態の変化を伴う末期がんの利用者について、主治医などの助言を得ることを前提として認められている。

しかし今回の特例でそれ以外のケースで担当者会議を経ないサービス変更によって、その対応に支障がないことが分かったならば、今後は介護支援専門員の判断で、サービス担当者会議を開かなくてよいケースを広く認めてほしいものだ。

なぜならサービス担当者は、それぞれに忙しい仕事を抱えている中で、参加者の裁量と仕事の工夫で時間を割いているのが現状だ。そんなふうにやりくりして参加しているサービス事業所職員は担当者会議に参加義務があるだけで、そこに何時間拘束されようと対価は発生しない。交通費さえ支給されないタダ働きという状態は異常である。

しかも参加したサービス担当者会議の内容はどうかというと、自分が参加しなかったとしてもさして問題なかったのではないかと思えるケースや、自分にとっても後で結果を知らせてくれれば良いだけというケースがかなり多い。形式的・機械的に開催がされている会議も数ある中に含まれているのである。

しかも担当者会議が原則開催されない計画変更ができないために、プラン変更が機動的な対応ができないケースがあることを鑑みると、この部分の判断はケアマネジャーに任せて、もっと機動的に利用者ニーズとのタイムラグが生じないプラン作成の在り方が検討されてもよいのではないだろうか。

このケアマネジメントの特例をスタンダードにしていってほしいことが、まず一点。

次にサービス事業者の特例の中で、介護保険最新情報Vol.779の問7で示された、「訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。」という点も、今後は特例対応ではなくスタンダードにできないものかと要望したい。

訪問介護はすでに絶命危惧サービスである。(参照:絶滅危惧職種の懸念で基盤が揺らぐ地域包括ケアシステム

今回訪問介護の在り方に小さな風穴をあけた意味が、訪問介護員の資格のない介護職の訪問介護が認められたということにある。この対応が今回の特例で終わらせることなく、スタンダードになるとしたら、それは新たな訪問サービスの展開につながるのではないだろうか。

通所介護だとていつも定員いっぱいのサービス提供をしているわけではなく、休みが多く職員配置に余裕のある日は、臨機に職員が訪問サービスに係ることが出来るようにすれば、訪問サービスのありようは様変わりする可能性がある。そもそも小規模多機能居宅サービスで行う訪問サービスの担当者に資格は必要ないのに、訪問介護事業所のサービスのみ資格が必要なのは、理屈に合わなくなってきているのである。

今回の感染予防特例を機会に、是非こうした一連の見直し作業を実現してほしい。
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