介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算の新年度算定に向けた届け出の通知が示されたことにより、届け出期限までに書式を整える仕事に追われている人も多いだろう。

しかしその前に忘れている仕事はないだろうか?

昨年10月に新設された、「介護職員等特定処遇改善加算」には、算定のための新要件が加わっているが、その要件の一部は新年度算定まで免除されている。

いわば2019年度は経過措置期間で、要件の一部がクリアできていなくとも加算算定できているという意味だ。そのため新年度からの加算に備えて、今年度中に新要件をすべてクリアしておく必要がある。

これをうっかりしていると、4月からの算定が出来なくなるだけではなく、算定要件に合致しなくなる以降の加算を算定してしまった場合、それを後にすべて返還しなければならなくなる。だからといって支給してしまった職員給与等への上乗せ分を、あとから返せと言ったら職員の反発は必至だ。だからこそ今現在特定加算を算定している事業者は、この要件を4/1までに満たすかどうかを今すぐ確認していただきたい。

具体的にいえば特定加算の新要件としては、「見える化要件」があり、次のよう規定されている。

「特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していること。 具体的には、介護サービスの情報公表制度を活用し、特定加算の取得状況を報告し、 賃金以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を記載すること。 当該制度における報告の対象となっていない場合等には、各事業者のホームページ を活用する等、外部から見える形で公表すること。 なお、当該要件については 2020 年度より算定要件とすること。」

そして2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2) では2020年の算定について、次のように書かれている。

問6 見える化要件(特定加算に基づく取組についてホームページへの掲載等により公表す ることを求める要件。以下同じ。)について、通知に「2020 年度より算定要件とすること」と あるが、2019 年度においては特定加算に基づく取組を公表する必要はないのか。
(答) 当該要件については、特定加算も含めた処遇改善加算の算定状況や、賃金以外の処遇 改善に関する具体的な取組内容に関する公表を想定しているため、2019 年度においては要件としては求めず、2020 年度からの要件としている。

問7 情報公表制度の報告対象外でかつ事業所独自のホームページを有しない場合、見え る化要件を満たすことができず、特定加算を算定できないのか。
(答) ・ 見える化要件を満たすには、特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していることを求めている。
・ 具体的には、介護サービスの情報公表制度を活用していることを原則求めているが、この制度の対象となっていない場合は、外部の者が閲覧可能な形で公表することが必要である。 その手法としては、ホームページの活用に限らず、事業所・施設の建物内の入口付近など 外部の者が閲覧可能な場所への掲示等の方法により公表することも可能である。


つまり今現在は、「特定加算に基づく取組について」の情報を公開せず、この要件に合致していなくても加算算定に問題なかったが、4月以降は2020年度の算定になるので、この要件に合致していなければならないということになる。

しかしそれは4月以降に公表すればよいという意味ではなく、4月1日からの加算算定分という意味になるので、3月末までに公表情報を整理して、少なくとも4/1時点でこの情報を公表していなければならないという意味だ。

特にホームページの管理を、外部業者任せにしている施設・事業所は、確実に月末までに情報をアップできるかということを確認しておかなければならない。

年度末とコロナウイルス対応が重なって間に合わないという呑気な業者があるかもしれないが、そんな業者とは縁を切らねばならない。

そもそもこの程度の情報を、自前で公式サイトにアップデートできないのでは、あまりに時代の潮流に乗り遅れているといえる。そうした介護事業者はこの機会にサイト管理システムを見直すべきである。何よりスピード感が求められるネットの世界で、公式サイトの管理を自前でできないという状態は、世間が求めていない古臭い情報管理を委託しているという意味であり、そこにかけているお金はすべてムダ金である。

公表の方法は、「建物内の入口付近など 外部の者が閲覧可能な場所への掲示等の方法」もあるが、そうしたアナログ対応は、求められる業務の省力化とは逆行するものだし見栄えも悪い。それはあまりに前時代的である。そういう事業者は顧客から見放されていくかもしれない。

なぜなら、これから介護事業者の顧客の中心層となる、「団塊の世代」の方は、普通にPCやスマホを操作してインターネットも活用する世代だからである。介護事業者の情報提供もネットを通じて求められることを理解して、早急にその体制を整える方がよいだろう。

特定加算の新要件へ適切に対応しようとする過程は、その良い機会でもあると考えるべきだ。

その前に必要なこともある。特定加算気鉢兇龍菠に関連した、「サービス提供強化加算」の算定届は、今年度分の割合等は3月を除いた2月末までの分を計算して、3/15までに届け出ている必要がある。お忘れの事業者はないと思うが今一度確認願いたい。

コロナウイルス対策であたふたしているという介護事業者が多いが、ワクチンができるまではこのウイルスはどうしようもなく増殖するだろう。

介護事業者にできることは、今国から発出されている介護事業者に向けた対応策をもれなく実施することのみだ。先走った対応をとる必要はないが、感染者が出た場合に備えて、最低限「国の言うとおりに対策していたけど防ぐことはできなかった」といえるだけの対応を行ったうえで、日々のこなさねばならない業務を粛々とこなしていくしかない。

なんでもコロナ対策のせいにしてもどうしようもないのである。事務手続きは経過措置がないし、誰も助けてはくれないことを忘れないでほしい。

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