新型コロナウイルスの感染が広がる中で、社会生活の様々なところにその影響が大きくなっていることは、今更ここで論評するまでもない。

そのことはすでに多くの日本国民が身近な問題として実感していることだろう。

僕が住む北海道は特に感染者が多くて、「汚染地域」と見られており、様々な方が心配されていると思う。しかし北海道と言っても広くてでかいのである。それを一括りにしてみると感染者が多くなるのは当然だ。

僕が住んでいる登別市は、今のところ感染者はゼロであるし、室蘭市を含めた周辺の市町村でも感染者は出ていない。感染者が出ている一番近い地域は苫小牧市であり、それも1名しか報告されていない。そしてそこは生活圏が明らかに登別市とは別な地域である。

しかしそれは当市周辺に感染者がいないという意味ではなく、感染者が見つかっていない、検査をしていないという意味に過ぎないかもしれない。しかしそれを言うなら日本中どこも同じことだろう。

新型コロナウイルスが広がっている原因は、軽症者が社会活動に参加してウイルスを媒介しているということだそうであるが、そうであればその中には、自分が感染していることも知らないうちに自然治うしてしまっているという人がいるということだ。

このウイルスの恐ろしさとは、未知で、治療法がないということであり、そこに不安感を抱く人が多いことは理解できる。だがそれは逆に言えば、軽症者がウイルス検査して感染が明らかになっても、治療法がないのだから自宅待機して対症療法をするしかないということになり、検査しても始まらないという意味でもある。

重症者は重篤になって死に至るケースがあるために、検査による確定診断を行うことは意味がある。なぜなら症状が改善しない人は、他に治療法がないということで、副作用を恐れずインフルエンザの治療薬や、エイズの治療薬を使って治療を試みるという医師の判断に関係してくるからだ。

だから症状が軽度な人に限って言えば、あえて医療機関に押しかけて検査をする必要もなく、症状が治まるまで自宅に籠って対症療法に心がけても良いのではないかと思う。そのことをもっと政府が広報しても良いのではないか。

そもそもこのウイルスによる肺炎と、インフルエンザはどちらが恐ろしいと言えるのだろう。インフルエンザの感染者について、今回のコロナウイルス感染者の広がりを広報するのと同じように公表していたら、その広がり方はどっちが大きくなるのだろう・・・。どっちが本当の脅威なのだろうか・・・。

さてそんな最中、昨夜のNHK NEWS WEBでは、北海道の通所サービス事業者の休止が広がっていることが報道されている。

感染を恐れる人が通所サービスに通うことを一時中断するならともかく、デイサービス事業者側が全面的に事業休止してしまうのはいかがなものだろう。代替サービスのない状態で、デイサービスを一方的に休止された人の中には、誰からの支援も受けられずに、日常生活に支障を来す人が出てくるかもしれない。そのことを放置してしまってよいのだろうか。

そうしたケースについてはケアマネジャーの責任で、ヘルパーなどの訪問サービスを利用してもらえばよいというのでは、あまりに無責任ではないのだろうか。そもそもヘルパーも人的資源が減少していて、通所サービスを利用できない人の代替サービスとはなり得ない地域も多いのが現状だ。

そんな責任まですべて押し付けられるケアマネジャーもたまったものではないだろう。通所サービスの責任はどうなんだと言いたくなる。

実際に通所サービスを利用できなくなった人の中には、ヘルパーの支援も受けられずに、家族が仕事を休まざるを得ないケースが出ている。しかしそのような家族がいればよい方で、家族がおらず、誰からも支援が受けられずに、不便な暮らしを強いられ、排泄ケアもまともに受けられない人もおられる。それらの人は、この間に身体機能がどんどん低下してくるのは目に見えているが、それも自己責任だと言えるのだろうか・・・。

報道では休止理由について、「デイサービスを行う事業所と高齢者の入所施設が併設されていて、一部共用部分があるため、ウイルスの感染者や濃厚接触者が施設を訪れた場合、入所しているお年寄りに感染してしまう可能性があると判断し休止することにしました。苦渋の決断でした」と運営会社がインタビューに答えている記述があるが、これは理由としては納得できるものではない。

そうであれば、「一部共用部分」を共用しないようにすればよいだけの話である。その場所は絶対に共用しないと事業が成り立たないなんていうスペースなどあり得ないのだから、そこは設備や環境の工夫で完全区分すればよいのである。そうするだけで完全に導線は断たれるわけであり、そうしないで休止を選ぶ姿勢は、デイサービ利用者の不利益を無視して、最も安易な対策に走ったという誹りは免れないのではないだろうか。

僕が社福の総合施設長を務めていた際に、施設でノロウイルス感染が広がったことがあるが、その際も併設デイサービスとの導線を断つことで、デイの営業は通常通り行え感染者も出なかった。その経験からも、上記の理由は説得力がないと思う。

こうした情勢下で、介護施設が面会禁止の措置を取ることは納得できる。それは行って当然の対策だろう。

しかし代替サービスも提案せずに、一方的に通所サービスの提供を中断するという措置は、あまりにも利用者の事情を無視する姿勢であり、事業責任を果たしていない姿勢だと思う。

その姿には介護事業に対する使命感が全く感じられず、無責任であるとしか思えない。

通所サービス事業者に求められているのは、体調不良者のチェックと、それらの方に一時的にサービス利用を休んでいただくことであって、事業サービスの完全休止が感染防止対策として求められているわけではないのだということを改めて理解すべきである。

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