昨年12月16日の介護保険部会で、「介護保険制度の見直しに関する意見」の素案が出されたことにより、今後、諮問・答申が行われ、通常国会に法案が提出され、審議・可決という流れになる。

そのため今後の議論は制度改正から、21年度の介護報酬改定にシフトしていくが、これらはすべて介護保険制度の持続可能性を高めることが最大の目的とされていく。そのため改正と改定の実態は、サービス利用の抑制策の強化と、国民負担の増加でしかない。

こんなふうに政治改革や行政改革が全く行われない中で、社会保障費の伸びを抑える政策が続けられているのだから、痛みを負うのは国民ばかりである。

そのため介護保険制度は、ますます使いずらい制度になっている。

社会保障費に関連する国民負担もどんどん増え続けており、次の介護保険制度改正も決して小さな改正ではないことは、「今回の介護保険制度改正はプチ改正ではない」で指摘しているところだ。

いうなれば介護保険制度の給付は、2000年に制度がスタートした当時が最大で、それ以降3年ごとの改正の度に縮小の一途をたどっているわけだ。強制加入の社会保険料を支払わねばならなくなるにあたっては、給付を最大限に見せて、それ以降は縮小させ続けるという手法は詐欺師の手口と同じと言っても良いのかもしれない。

しかも国民の痛みはそれだけではない。

例えば医療費については、一定の所得がある後期高齢者(75歳以上)による医療費の窓口負担を、現在の原則1割から2割にするとし、団塊の世代が75歳以上になり始める2022年度初めまでの実施を目指し、枠組みを検討していくことになっている。

加えて2017年の介護保険法の改正により、2号被保険者の保険料負担は、2017年8月から年収が高い人により多く支払ってもらう「総報酬割」へ段階的に移行しているが、この改正が2020年から全面施行となる。そうなれば主に大企業で働く会社員の介護保険料が4月から大幅に上がり、年1万円を超える負担増になる人が続出することも見逃してはならない。

財源には限りがあるのだから、それは仕方がないことであると国は言う。

超高齢社会であり、少子高齢社会であることを考えると、国民負担はもっと増やしていく必要があるし、給付は必要なところにだけ重点的に行って、必要性の薄いところは、「小さなリスク」とみなして、自己責任でカバーしなさいと国は言う。

一方で政治改革は一歩も進まず、選挙制度改革にかこつけて国会議員の数はむしろ増えている。

それで仕事をしているならいいが、国会議員たろうというものが、一番大事な新型コロナウイルスの感染症対策の会議をほっぽり出して、地元の講演会や新年会という場所での、「呑み会」に参加しているという破廉恥ぶりだ。そいつが国民の見本となると豪語して、育休をとって職務を放棄しようとしている。

IR(統合型リゾート)を巡る汚職で逮捕された国会議員が、その身分のままで、だれも責任を取らせようとしない。そんな連中に血税は使われ続けている。そもそもIRが推進される理由は、経済発展のためなのか、巨額の利権のためなのか・・・。

そんな傲慢で破廉恥な国会議員を挙げればきりがないのが、今の政治家の現状だ。

政府・内閣に人事権を握られた官僚も事なかれ主義がさらに蔓延し、政治家の言いなりである。しかしそうは言いながら、握った利権は決して放そうとせず、利権のためには国民生活は二の次・参の次である。

国民は年金で生活ができずに、定年を年々延長され、老体にムチ打ちながら働き続けなければならないのに、官僚は天下って、席に座っているだけで年収何千万円という世界である。

こんな国が民主国家で、先進国と言えるのだろうか。

そんな中で唯一称賛されるべきは、一方的に痛みを負わされ続けている国民が、暴動も起こさず、さしたる文句も愚痴も言わずに、粛々・黙々と日々の労働と納税に汗を流し続けていることだ。なんと素晴らしい国民性だろうか・・・。

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