このブログで何度か書いているように、日本の福祉の質は介護支援専門員という有資格者が誕生したことによって確実に底上げされている。福祉の底辺の引き上げに、介護支援専門員が寄与していることは間違いのない事実だ。(参照:介護支援専門員という資格に誇りを持ってください

地域で居住する要介護高齢者にとって、自分の身の回りのことを相談できる担当者がすぐ近くにいるということほど、安心感につながるものはないし、ケアマネジャーが窓口になって、介護サービスが利用できるという便利さも、暮らしの質につながっていると言えるはずだ。

それは施設サービスでも同様で、何でも相談事があれば問いかけてくれてよいという担当者が、定期的に面接してアセスメントを行う中で、自分の不満や心配事を聴いてくれるだけでなく、自分に対するサービスプランを多職種で検討して立案してくれる。そしてその内容を説明してくれることに安心できる人が多い。

それは介護保険制度が創設される以前にはなかったか、不十分だったものである。

そんな介護支援専門員も、個人の資質差がまだまだ存在することは事実で、適切な支援を行なえない一部の介護支援専門員によって様々な問題が引き起こされていることも事実としてある。だからと言ってそのことでもって介護支援専門員という資格の存在価値が問われてくることにはならない。

マジョリティは地域の高齢者の人たちにとって、頼りになる・なくてはならない介護支援専門員である。その事実をもってして介護支援専門員という資格はなくならないし、なくしてはならないのだ。

そもそも国の中で、介護支援専門員という資格が必要かどうかが議論の俎上に上ったことなどない。その資格と資格者の必要性はすべての官僚が認めているところだ。

そうであるにもかかわらず一部の関係者が介護支援専門員を対象にした研修会などで、「このままならこの資格は無くなってしまいますよ」などと訳の分からないことを言っている。それは知識も情報もない馬鹿者の恫喝に過ぎない。介護支援専門員の皆さんは、そういう輩の戯言を信じてはならないし、そういうことを言う輩に対しては、誰がいつどういう形でそういうメッセージを出しているのかという根拠を問いただすべきだ。それに答えられる人などいないはずだからである。

そういう連中の言っていることが嘘だという証拠の一つとして、介護保険制度の見直しに関する意見(2019年12/16介護保険部会)のケアマネジメントに関する記述を見てほしい。そこには以下のように介護支援専門員を評価する記述がある。
----------------------------------------------------------------
※高齢化の進展に伴い、居宅介護支援事業所の数、ケアマネジメントの利用者数は年々増加してきている。ケアマネジメントが国民の間に普及・浸透してきている状況もある中で、介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という。)には、医療と介護の連携や地域における多様な資源の活用等の役割をより一層果たすこと も期待されている。

※公正中立なケアマネジメントの確保や、ケアマネジメントの質の向上に向けた 取組を一層進めることが必要である。適切な修了評価や ICT 等を活用した受講環境の整備など、研修の充実や受講者の負担軽減等が重要である。

※適切なケアマネジメントを実現するため、ケアマネジャーの処遇の改善等を通じた質の高いケアマネジャーの安定的な確保や、事務負担軽減等を通じたケアマネジャーが力を発揮できる環境の整備を図ることが必要である。ケアマネジャー を取り巻く環境や業務の変化を踏まえ、ケアマネジャーに求められる役割を明確化していくことも重要である。

介護保険制度の見直しに関する意見(12/16介護保険部会)のケアマネジメントから抜粋)
-------------------------------------------------------------------
このように介護支援専門員とケアマネジメントは評価され、2021年の介護報酬改定議論の中では、「介護支援専門員の処遇改善」に向けた具体的議論が行われることになっている。

しかし介護支援専門員は、施設や事業所の中で数が少なく孤独な状態で、仕事を黙々とこなさねばならない人も多い。先輩にアドバイスを受けられずに、自分の仕事ぶりに不安を抱えている人もおられる。そんな人たちに対して僕は応援団である。

先日も福井県の2地域(福井市・坂井市)で介護支援専門員を対象にした2つの講演(それぞれ5時間という長時間の講演)を行ってきた。そのうち坂井支部の講演事務局から写真とアンケート結果が届いた。

福井県介護支援専門員協会さかい支部主催研修アンケート結果
福井県介護支援専門員協会坂井支部講演集合写真
アンケート結果は、貼りついた文字リンク先からPDFファイルをダウンロードできるので、ぜひ参照いただきたい。

その内容を見ていただくとわかると思うが、ケアマネジャーとして必要な情報を伝え、正しい知識を持っていただけるだけではなく、日ごろの仕事に対する自信と糧になるような話をさせていただいている。そのことで介護の場で活躍する介護支援専門員の皆さんが勇気と元気を持つことができるという結果につながってもいるので、是非介護支援専門員の方々を対象にした研修講師としてもお声がけをいただきたい。

連絡は、「北海道介護福祉道場 あかい花」の公式サイトの上部のグレーの帯に記しているので、お気軽に連絡してください。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。